RE:VMD

こんにちは。普段は軽いサイトーです。

今日は皆さんが感じる距離や、溝に付いて書いていこうと思います。

真面目な内容なので今日はちゃらけずに行く所存です。

それでは、スタート!

そもそも距離や溝って何の事?

これを書くキッカケになったのはそう、夏の暑い日、ラッシュボールの日!
ラッシュボールの余韻を楽しみつつ当日参加した4人で反省会と言う名の飲み会をしていた時です。

そこでトプセラの内容の話になり、谷口くんがふと『なぜ、本部のVMDと店頭のVMDとガッチリはまらないのか?』これに付いて書いて欲しいと酔っ払いながら話してたのでリクエストに応えてみます。

さて、距離や溝の話しですが、先述のガッチリハマらないが、距離や溝という事ですね。
皆さん経験があると思いますが本部から来たVMDがブランドマニュアルに沿って、または独断でレイアウトして行く。そんな時思いませんか?

あぁ…。それそこじゃ無い…。ウチはそれじゃ無いんだよ…。

全部が全部では無いにしてもこんな経験は誰しもした事はあるのでは無いでしょうか。

そして本部のVMDはどう思っているかと言うと。

何故指示通りにしてないんだ…。そこそうじゃ無い…。ウチの見せ方はそうじゃ無いんだよ…。それ売ってもリピート無いし在庫少ないよ…。

など、双方に思うところがあるはず。
そんな交差する思いを店頭、本部の経験を持つサイトー目線でお伝えして、同じ目的に向かう【同志】としてやっていけるキッカケになれば幸いです。

店頭の裁量権

これは業態やブランドにより様々あるのでまずは店舗の基本スタンスを確認してきましょう。

①SPA・・・・本部主導で毎週指示が発信されてその発信内容を自店の在庫と合わせてレイアウトしていく。店舗による裁量権が少なく自由度が低い。

②SC、モール系・・・低単価商材が多く日々の動向で売り上げが左右されるのとSKUが多いので本部の指示もあるが現場での裁量がそれなりにある。

③ストア・大型複合SHOP・・・店内イベントスペース、WDを除いて基本は店舗裁量。

大体上記の感じでしょうか。今回は小規模セレクトやインポートブランド(特にラグジュアリー)は外しています。
理由は小規模セレクトは店頭の裁量が100%のところが多いのとラグジーは月2回程度の本部VMDの※VISITでの変更がメインになるので
店頭主体で変更することが少ないので。ちなみに昔働いていたラグジュアリーブランドではVMDが帰った後にこれじゃ売れねーよ!と変更したら戻ってきて大激怒。そのまま人事に電話して本部VMDのいう事が聞けない奴は辞めさせろと言ってましたね 笑。

※VISIT・・・店舗巡回の事。担当店舗へ言ってVMD編集を実施する事。

店舗の思い

さて、本部のVMDがやってきた。そしてレイアウト編集をして行くのだがその時君は!?

①勝手にレイアウト変えて何の説明もなくなんやねん
「おいおい・・・手伝わせたり雑務だけ押し付けて何してくれてんねん・・・。まぁ帰ったら元に戻すからはよ帰れ」
これはあるあるだと思います。実際僕も思っていたし、VMDになりたての頃は良く思われていたと思います。
気の強い店長からは実際に面と向かって言われた事もありますね 笑
。
まだ若い頃だったので僕もかなり揉めた記憶が・・・

②ディスプレイに凝りすぎる。それ自体は良いのだけれどちょっとやりすぎでは?
「一生懸命やってくれてありがとう。いや、マジで。でもね、それじゃ売れないの。だって触りづらいし崩れたら修復できない・・・」
ディスプレイとして優れていても店全体が魅せ場になっていて、お客様もスタッフも触りづらいので売り込むのが難しい。それ自体は良いかもしれないけど再現性がないと日々変化する店頭では対応できないんだよ・・・

などなど、他にもたくさんあると思いますがひとまずこのぐらいで。

本部の思い

店頭が上のように思っていたとして果たしてその時本部VMDは!?
ってことで上のナンバリングに合わせて本部VMDの気持ちを紐解いてみましょう。

①なんでこんなレイアウトしてるんだよ。ルール守れよ、コノヤロー。
「ブランドとしてのルールがあるのに全然やってないし、やろうとする気持ちが見えない。会話するのも面倒なのでルール通りのして帰ろ。」
せっかく時間をさいてルール作ったり週戦略を発信してるのに実践しないって何なの??ってイラついてる感じ。

②存在アピールせねば・・・汗
「本部VMDとして店舗に行くからにはあの人スゲーってならないと・・・」と、プレッシャーを感じて必要以上にやってしまうタイプ。
普通にやれば普通なんだけどねぇ。勿体無い。

いかがでしょうか?立場変わればで、同じ事象でも双方での思いにはかなりの乖離があるもんです。

ただ、そこまで深くコミュニケーションを全店舗に対して取ることは本部VMDとしても難しいし、店舗もVMDが売り上げを上げるために自分たちの力になってくれる人。って認識を持ってる人も少ないんじゃないかな?

互いを理解すればこそ

上記のそれぞれの思いを見て行くと「意識のズレ」が大きくあるのがわかりますね。
基本、店頭は「売れるためには」が主軸となり、本部は売れるはもちろん「ルールを守る」や「個人の見栄」などが絡んでいると思います。

でも!ですよ。お互いが幸せになるためには互いに尊重する。共通の目的をはっきりさせてそこに至るフローを認識する。って事ではないでしょうか。

それができない環境というのは結局はコミュニケーション不足から起こる、「理解されていない」と思う気持ちが引き起こしていると思います。

店頭は「こいつらは現場を知らずに勝手にやるだけ」、本部は「いう事聞かない店頭メンバーめ」と思わずに「どうすれば売り上げが上がり互いに幸せになれるの?」を共通項としてもっと話し合うべきです。

本部VMDは訪店する前にまずはブランドの趨勢、次に訪店予定の個店の趨勢、その他店舗の事例をしっかりと叩き込み、訪店した際にはその情報を元に話し合う。そこからローカライズされたVMDを実施したり、ここは本部で譲れない!という部分を納得するまで話し込む。

VMDのスキル以前にここまでする事が少ないのがズレの原因だと考えています。

もっと心を開いてお互いに頼ってみる事をすれば案外スムーズなコミュケーションがとれ、新たな協力者ができるかもしれませんよ。

本部のVMDはもっと役立つ表現方法を、店頭スタッフはリアルな情報を提供する事で互いが売り上げを作る上で欠かせないパートーナーになって行くと思います。

 

そんな感じで今回はちょっと長くなりましたが本部VS店頭の溝の原因を考えて見ました。
お互い斜に構えず自然体で協力体制が築けるようにしたいものですね。

最後に本音を

世のVMD達よ!当然店頭VMDよりも優れたスキルを持っていると自信は持っても良い!でもね、自分では直接関与出来ない「売り上げをあげる」という行為をしてくれている店頭メンバーを敬い、助けてもらっていると認識せよ!俺たちのやっているVMDなんて現場に即してなんぼ。それを毎日感じている店頭メンバーには勝てるわけがない!キッカケ作りや、気づきの為にスキルを出すのだ!

店頭がお客様に伝えたい想いの表現手法を最大化するためのツールが俺たちだ!ディスプレーのスキルなんて出すべきとには出すけれどもそれが全てじゃないんだよ。変な見栄やプライドは捨てて共に歩む努力をするべきだ。と、思う。

以上、それではまた来週。

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Kaz
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ドメスティックブランド、ラグジュアリーブランド(全てメンズ)で販売及びVMDアシスタントとして経験。販売歴10年。販売時代は店鋪VMD、CRM、スタッフ教育など全てをこなすオールラウンダーとして活躍。その後現会社にVMDとして入社。基本ミセスアッパーブランドを軸に、卸展示会、SC系レディースから百貨店の婦人服、雑貨のブランドを経験。販売経験を元に顧客目線、販売員目線でのVMDを得意とする。店作りのモットーは『買い易く、働きやすい 顧客にもスタッフにも優しい店作り』