企業運営にしてもブランド運営にしてもショップ運営にしても「人材」が重要であることはいうまでもありません。
「人」を得れば企業業績も店舗業績も見違えるほど上向くことがあります。
しかし、今回は「人」だけではどうしようもないということにも触れたいと思います。
後日に自分のブログでも触れますが、業績低迷している某大手通販の事例です。
現場の人は真面目だし、商品も決して悪くはない。(商品の良さは伝わっていませんがww)
にもかかわらず、赤字続きと低迷しています。
その原因は様々ありますが、その原因の一つに「組織作りの不味さ」が挙げられます。
この通販の組織作りの不味さは、
定価販売チーム
バーゲン品販売チーム
在庫処分チーム
と販売が3つに分かれている点にあります。
一見すると合理的ですが、こうして売価と販売期間によって担当チームを完全に分けてしまうことで、それぞれのチームが自分の担当しか売らなくなります。
定価販売チームはバーゲン時期になると、商品をすべてバーゲン担当に渡して完全にノータッチになります。
バーゲン担当は販売期間が終わると、在庫処分チームにすべて委譲します。
この結果、他チームに投げた時点でそれぞれの担当の責任は終わります。
また、「自分が完全に処分しなくても後のチームが何とかしてくれる」という「甘え」「押し付け」が起きます。
その結果、「完全に売り切る」という姿勢がなくなります。
10何年ぶりに9月に再上場する某大手アパレルも同様に「組織作りの不味さ」がありました。
プロパー販売チームはすぐに直営アウトレット店に商品を放り込むのです。
その結果、プロパー販売する期間が極端に短くなり、アウトレット任せになってしまいます。
表向きは52週MDだ、QR(クイックレスポンス)対応だと、カッコいいシステマティックな体制ですが、内情はすぐにアウトレット送りにするだけの無責任展開でした。
ですから業績が低迷して、一時期は企業存続まで危ぶまれる結果となったのです。
ブランドビジネスは、「人材」「商品」も大事ですが、組織作りも重要です。
ベンチャー企業のように創業者3人で、何から何まで業務をまかなっているうちは、そういう問題は起きません。
創業者3人は業績の低迷は死活問題だからです。
また3人が3人ともすべての業務を把握しているからです。
しかし、企業が大きくなってスタッフが多くなると、創業者や経営者が全分野を把握することはできなくなります。
また従業員は会社の業績は直接の死活問題とは感じられません。
ですから、「組織」が必要になるのですが、作り方を間違えると某大手通販や某大手アパレルのような結果を迎えてしまうのです。
くれぐれもお気を付けください。