Shopifyは実在小売店舗向けに提供しているハードウェアのラインアップを拡充する。 同社はオンラインストアプラットフォームでよく知られているが、実在店舗向けの販売時点情報管理ソフトウェアも提供していて、数年前にクレジットカードリーダーを立ち上げた。そして今回の新ハードウェアには、デザインを一新したTap & Chip Readerと、Dock and Retail Standが含まれ、Shopifyはオフライン店舗向けのより包括的なソリューションをつくった。
EC作成のプラットフォーマーであるShopifyがリアルでの展開強化を進めています。先日も、
カナダのEC大手「Shopify」が米国にリアル店舗、起業家を支援
上記のような記事がありましたが、
ECで販売スタート→リアル店舗出店
という流れを促しているように見えます。EC事業者がこのような動きをするのは不思議に思うかもしれませんが、物を売る事を考えたらとっても合理的なのです。
○まだまだ物が売れるのはリアル中心
約1年前の資料になりますが、経産省の資料では衣料品のEC化率が10%強程度。まだまだリアルでの販路が強いのが現状です。こちらはどこでも言われている事ですので、Web事業者もよく知っている事です。確かにユーザーの購買行動は変わってきてはいるので、まだまだ伸びしろはありますが現時点ではまだこの程度。しかし問題はここだけではありません。
○どこでCVしたかは結局わからない?
Web事業者がよく言う指標の一つにCVR(コンバージョンレート)というものがあります。これは以前からもよく書いていますが、店頭で言うところの買い上げ率にあたります。つまり、どのくらいの入店があって、そのうちの何割が購入に至ったかです。(何をCVとして設定するかはWebサイトによって事なりますが今回は「購入」をCVとして話を進めます。)ECサイトの場合、集客施策を実施すると、当然サイトへの流入は増加します。この流入したユーザーがそのまま直接購入に至ればデータ集計は非常に簡単です。しかし、実際はそう単純ではありません。
Webサイトへ訪問はしたけどその後リアルで購入、というユーザーもいればWebサイトで認知して店頭で確認してから再度Webを見て購入、というユーザーもいます。何が言いたいかと言いますと、Web上だけのデータ収集だけではユーザーの購買行動を把握するのは不十分だという事です。
結局、データ収集にしてもユーザーの購買を決定付ける要因にしても、リアルに依存する点はまだまだ多い。Shopifyの動向を見るとリアルでの購買データを取りに来ているように見えますので、Webとリアル双方を組み合わせたユーザー動向のデータを近い将来獲得できる可能性があります。これがECプラットフォーマーがリアルに進出する一番の理由なんではないかと。昨今では「D2C」というバズワードに踊らせらた結果なのか、Webだけで展開しているブランドが増えたように思います。しかし、これがWebだけで完結する物だと勘違いしているとしたらそのうち在庫の山を築く事になりそうです。