バングラデシュから客観的に見た日本の姿

আস্সালামু আলাইকুম! (アッサラーム・アライクム!)

バングラに戻って来ました、ハルカです。

成田を飛び立ち、経由地のカタールで乗り換え13時間待ち。そして、深夜発フライトにて、2月末の早朝4時にダッカ国際空港へと到着しました。現在、ダッカ市内の自宅にて隔離中です。隔離期間が終わりましたら、また工場へと繰り出す日々が待っています(が、このご時世において自分の持ち場に戻れたこと自体に感謝しなければと思っております)。

日本で過ごした2ヶ月半

アジアでの生活は、7年目に突入しようとしております。今回は2ヶ月半ほど日本に居たのですが、こんなに長期間を過ごしたのは久し振りで、最初はちょっと調子が掴めず、あたふたしておりました。

しかし、これはチャンス。日本人でありながら、日本という国を「客観的」に見る機会はなかなかありません。意識して日本を客観的に見て参りました。

感想をヒトコトで言うなら「なんて洗練された、秩序のある国なんだろう」です。

特に、アパレルの生産に携わる人間として、アパレルの消費現場を目の前にできる機会はなかなかないので、社会のルールを守りながら、出来る限り、消費の現場に赴いたのですが、、アパレルの消費現場こそまさに、洗練された秩序のある場所でした。

日本の販売員さん全員優勝

こんなにも商品一つ一つを大切に扱い、商品知識があり、服を愛し、服に愛される人たちを、見たことがありません。

入店すれば必ず声を掛けて頂ける。探しものは必ず探して頂ける。購入したら感謝され、探し物がなかったら代わりを一緒に探してくれる。

販売員の皆さんにとってこれらは普段の仕事の一部で、何も特別に思っていないかも知れません。しかし、これは、本当に、凄いことです。日本の販売員さん、全員に優勝トロフィーをお渡ししたいと、心から思いました。

それと同時に、この様子を生産国の人たちに是非とも見せたいと思ったのです。

他職種に思いを馳せる

日本で販売員をされている皆さんにお聴きします。

商品が、何処で、どんな人の手によって、どのように、作られたかをご存知でしょうか。何となくのイメージはあるかも知れませんが、実際に見たことや聴いたことは、あまりないかと思います。

逆に、こちら生産国で生産に携わる人たちに「この服が、何処で、どんな人の手によって、どのように売られているか知っていますか?」と質問をしたところで、全くイメージは出来ないでしょう。

業界の「川上」と「川下」という言葉でよく表現されたりしますが、同じ業界に携わっているにも関わらず、お互いの様子が全く見えないままなのは、本当に勿体無いなと思うのです。

様子が見えた先の世界観はきっと…

販売員の皆さんが、生産国の人たちに思いを馳せることが出来たら。逆に、生産国の人たちが、販売員の皆さんへ思いを馳せることが出来たら。

お互いがそうなったら、きっとすごく優しい世界観になると思うのです。

例えば。料理を作っている時って、きっと食べる人のことを想像しながら思いを馳せながら、作りますよね。あの人が食べてくれるから、ちょっと味を濃い目にしよう、とか。盛り付けを、ちょっと頑張っちゃおかな、とか。

服も、同じです。

例えば。目の前にある洋服は、バングラデシュ郊外のシャバール地域にある工場で、自分と同世代のモニールちゃんが、残業しながら一生懸命作ってくれた、と知った瞬間に少しだけ親近感が湧いたりしませんか。

そういうことだと、思うのです。

こんなご時世ではあるけれど

確かに、日本の消費現場は「洗練された、秩序のある」現場でした。しかし、どうしても生産国に思いを馳せているようには思えなかった部分も、正直あります。

洋服は、一点一点、人の手によって作られます。

一着の洋服には、数えきれないほどの人が関わり、沢山の思いが乗っています。

関わる全ての人を一堂に集めることは出来ないけれど、物理的な距離を埋めることは出来ないけれど、こんなご時世だけど。思いを馳せることならきっと出来るはずです。

生産現場より、伝えたいことは沢山あります。消費現場の皆さん、どうか受け取ってください。

そして、例えばどんなことが知りたいか、もし良かったら教えてください。

私たちから、優しい世界観をつくっていきましょう。

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飯塚はる香
About 飯塚はる香 29 Articles
“ファッションを通して世界をよりステキに”が、モットー。2013年〜日本で就職。某アパレルブランドのマネージャーとして神戸や吉祥寺などで勤務。2016年〜カンボジアへ移住。アパレル大量消費国の店頭から大量生産国の工場へと拠点を移す。2019年〜バングラデシュ在住。アパレル生産国で品質管理の仕事をしている。「国際協力×アパレル」の道で、生きていく。