アパレルショップ、どこもかしこも秋冬物ばっかりだけど、この灼熱の中で普通に夏物売ってたら儲かるのでは…?
真夏に真冬のこと考えられない…涼しいワンピースほしい…でも夏物、売れ残り〜みたいなやつしか残ってない……おしゃれさんは秋冬物買ってるの???みんなおしゃれ偏差値高すぎる
— 塩谷 舞(milieu編集長) (@ciotan) August 10, 2017
こんなに暑いんだから夏物置いとけよ…。って内容のツイートを見かけました。確かにおっしゃる通り、こんなに暑いのファッション業界ではそろそろ秋冬シーズンに突入。店頭では完全にとは言わないまでも、秋冬物のプロパーが立ち上がっております。そこで出てくるのが「MD」という言葉。
ファッションビジネス用語集
Merchandisingの略。MDとは「品揃え計画」ならびに、広くは「ものづくり」を指します。 Merchandiserの略の場合もあります。ブランドコンセプトに基づき、数量・コストを考慮して計画的に商品化し、商品コントロールを含め、小売店に販売するまでの一連の業務または担当者のことを指します。
という事ですが企業によってマーチャンダイザーの役割って様々だったりしますので、本日の授業は、
MD=品揃え計画
としてご説明したいと思います。
基本は1年間を2分割の「春夏」と「秋冬」
ファッション業界に入るとまず教えられるのがこの「春夏シーズン(S/S)」と「秋冬シーズン(AW)」。区切り方としてはざっくりと、春夏が2~7月。秋冬が8~1月。という分け方が一般的です。そのそれぞれ半年分の訴求スタイル、強化品番、店頭展開、売上予測、販促計画などが網羅されたものがいわゆるMD計画と呼ばれるものです。
過去はそれが1年間を2分割した6ヶ月ごとで計画されていました。今でもデザイナーズ系のブランドは春夏シーズンと秋冬シーズンでファッションショーをやっていますので、まだこの分け方は根強く残っています。ただ、ブランドによっては「プレコレクション」と「メインコレクション」を分けていたり、「ホリデーコレクション」や「クルーズコレクション」などもっと分割して新商品を発表しているところもあります。
ファストファッションは年間を8分割にまで…
以前もTopsellerで書きましたが、近年ファストファッションをはじめ、今やセレクトショップですらMDを短サイクル化しています。
年間を8分割、つまり1.5ヶ月ごとにMD計画を組む事も今や珍しくはないですし、1週間ごとに組む「52週MD」というものまで存在します。さすがに週ごとに新商品を生産する事は難しいですが、生産リードタイムの短縮により、顧客の反応を見てから計画を立てるという事が徐々に可能になってきているのです。
特に最近の日本の気候は「5月~9月まで夏じゃね?」ってくらい暑いので、その気候に合わせた需要の予測をする事が必要ですし、前年のデータよりも近日のデータの信頼性が非常に高い。だからこそ生産するのはできるだけギリギリの方が消化率が高くなるのでしょう。
そうは言ってももちろん「先物買いするお客様」もいれば、「まだ暑いけど見せる為のアウターを陳列」なんていう手法もありますので一概にギリギリまで生産は待てという訳ではないんでしょうが。結局は自分たちの顧客は誰なのか?そしてその顧客は何を求めているのか?を突き詰める事がMDにおいて一番大切なのです。
アパレルの企画とは、他社の売れ筋商品をスマホで撮影してメール添付してOEM屋に送る簡単なお仕事です
— 南 充浩 (@minamimitsuhiro) August 11, 2017
顧客を無視してご意見番にこう言われないよう気をつけましょう。。