「ゾゾ」がデニム&Tシャツに続く3つ目のアイテム、メンズのボタンダウンシャツを発売
ファッションECモール「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するスタートトゥデイが6日、プライベートブランド「ゾゾ(ZOZO)」の新アイテムとなるボタンダウンシャツを発売した。価格は税込3900円。ホワイトとブルーの2色で、まずはメンズのみを展開。今後ウィメンズの発売も計画しているという。
最近ゾゾ絡みの記事ばかりになってきた…。というくらい話題に事欠かないゾゾタウンですが、ZOZO SUITからPB(プライベートブランド)、そしてその第三弾にオーダーのボタンダウンシャツの展開を発表。これで展開アイテムはTシャツ、ジーンズ、シャツとベーシックアイテムを展開するという予告通りになりました。全てのオーダーサービスに言える事ではあるのですが、サイズデータを先に握っているところが有利なのでゾゾがどこまでZOZO SUITでリーチ伸ばしてサイズデータ獲得できるかが勝敗をわけますので、ZOZO SUIT配布枚数が一つのKPIになるでしょう。
余談ですが、僕はまだ届いていません…。11月に発注したのに。。(こんな記事ばっかり書いてるから?)
現状の評判は、「ミリ単位の精度」というふれこみとは全く違う状況。
ZOZOスーツを信じたら適合サイズは28インチなのに32インチのパンツが届いた話。
MB氏のブログでも記載があるように、その精度はかなり怪しい様子。そんな中でオーダーシャツの展開。。
WWD記者の新旧ゾゾスーツ計測値を見る限り、首周りや腕の長さの精度が怪しいままTシャツよりもごまかし効かないシャツをリリースしちゃうのね。精度は追々上げることにして、データ取りを優先したのかもしれない。次はブロードのシャツとチノパン、ゆくゆくはスラックスも取りに行きたいはずだから。 https://t.co/QZDKfn4BIQ
— ねこぱん (@catandloaf) June 6, 2018
ねこぱんさんがおっしゃるようにシャツ展開は危険ですが、それでもデータ取得を優先したのでしょうか。
ただこのオーダーシャツという領域は結構なレッドオーシャン。ゾゾ同様web上で注文可能なサービスもたくさんあります。先日の記事でも書きましたが、
オリジナルスティッチ・Amazonも参入!サイズを切り口にしたプラットフォーム戦争の覇権はどこに行く?
ZOZO SUITと同様の技術でサイズデータを取得しにかかっている企業も出てきている様子。そんな訳で今回はここ最近発表されたオーダーシャツサービスをいくつかピックアップしました。
オーダーシャツの価格:7800円~12900円
サービスのリリースは2014年初旬。web上で発注可能なオーダーサービスとしては先駆けだったんではないでしょうか。ZOZO SUITのせいか最近ではめっきり影が薄くなったような気がしないでもないです。当初はサイト上で身長や体重などの簡単なデータを入力して、そこからサイズ感が算出される…というようなサービス内容だったようですが。
今ではショップも複数出来ており(6店舗)、店頭で→webで発注という流れが確立されています。「オリジナル企画の生地」を使用という独自の付加価値も持っており、東京都内では採寸出張サービスもやっているようです。ただ、店舗も都内がほとんどでありwebのトラフィックを見てもサービスが急拡大しているようには見えず。。リーチという点では他のサービスには負けてる印象があります。
◯difference(ディファレンス)
オーダーシャツの価格:8000円~13000円
店舗で採寸ならこちらのディファレンスが強いでしょう。スーツのオーダーですが、もちろんシャツもオーダー可能です。2016年の10月に1号店ができたのにも関わらず、
既に50店舗以上展開。出店スピード早すぎます。ZOZO SUITの採寸も思ったより簡単にはできないようなので、店頭で採寸してもらえる方が楽だと考える人は多いかと。店舗面積も小さくていいし、販売する訳ではないですから小型店で済むので出店コストが低いのでしょう。しかもトータルプロデューサーは佐藤可士和さん…。このサービス、伸びる気しかしない。
オーダーシャツの価格:2990円
国内800店舗で圧倒的なリーチを誇るユニクロのオーダーシャツは何とお値段がゾゾより1000円安い2990円。。ホントやりすぎ…。こんな事されたら他のサービスみんな殺されるんじゃないだろうか。店頭での採寸サービスもありますし、店舗はどこにでもあるから気軽に行けます。(全店舗で採寸やってる訳ではないでしょうけど)他のサービス褒めといて何ですが、大概の人はユニクロで事足りるんではないでしょうか。しかも注文から2~5日で届くんです。(早すぎるやろ)ユニクロはジャケットのオーダーも15000円でできますからオーダースーツ市場も食い荒らしてしまうんじゃ…。
オーダーシャツの価格:4980円~
以前noteでも書いていますが、オリジナルスティッチは現在会員数が世界で40万人、日本では15万人。コナカが運営する「スーツセレクト」やECモールの「SHOPLIST」でも展開する事でリーチを伸ばしております。
Original Stitch、全身写真を撮るだけの高精度身体採寸アプリ「Bodygram」を発表
店舗を持ってませんので上記のようにサイズデータを取得するため、ゾゾタウン同様の施策をうってきています。サービスリリースは2013年で日本では2014年4月から展開していたようです。会員数が多いのもうなづけます。日本国内工場との提携、サイズ保証、フルオーダーなど、サービス内容も他と比較しても充実していますね。
オーダーシャツの価格:?
トランスコスモスと組んで日本で展開しているテイラースティッチ。どうでもいいけどサービス名にスティッチ付きすぎ…。(オリジナルスティッチ 、テイラースティッチ、スティッチフィックスなどなど)一時期結構話題になっていたんですが、最近めっきり聞かなくなりましたね。売れてないのかな。。ブログもほとんど更新されておらず(1記事のみ)、オーダーシャツのサービスのはずが日本のサイトでは既製服のみの展開。トランス・コスモスやる気無いやん…。
驚異のEC化率90%、米発「テイラー・スティッチ」が鎌倉にオープン
鎌倉にショップできた時はちょっと話題になってたのに。USのサイトをクリックしても日本のサイトに飛ばされるので日本では見れないようだ。。こんな状況なんで注目する必要もないですが。。(じゃあピックアップするな)
◯KASHIYAMA the Smart Tailor(カシヤマ・ザ・スマートテイラー)
オーダーシャツの価格:10000円~
このnoteでも以前触れた事があるんですが、結構フルボッコに書いた記憶が…。すみません、撤回します。というのもこちらのサービス、
採寸も直営店はもちろん職場や自宅に熟練したフィッターが出向くなど人手を惜しまない一方、2着目以降はスマホやパソコンから簡単オーダーができるなど、顧客サイドに立ってデジタルなハイテクに徹する面とアナログなヒューマンサービスを重視する面を使い分けている。
中国のオーダーサービスでも大人気の採寸出張サービスを展開するのです。ファブリックトーキョーでも同様のサービスはありますが規模感が違います。採寸の為のフィッターが何と300人もいるようで、ここで大手百貨店アパレルの規模をうまく活用。
サービスも始まったばかりですが既に店舗が19店舗。自社のリソースを有効活用したいい戦略ではないかと。以前はボロクソに言ってほんとすみません。ここまでしてくれてこのお値段。ひょっとするとそこそこ伸びるんじゃないでしょうか。
アパレル市場は2年連続減少の9.2兆円規模、一方でECチャネルは拡大基調
ただ上記記事にもあるように、国内のスーツ市場は全く伸びておらず、オーダー市場も規模が大きい訳ではありません。
縮小するオーダーメードシャツ市場で新たな需要創出に挑む「オリジナルスティッチ」の戦略
こちらは3年前の記事になりますが、
日本のメンズドレスシャツ市場は約2500億円で米国に次ぐ大きなマーケットだが、オーダーメードシャツの市場は80億円程度と一気に小さくなる。
と、オーダーシャツの市場規模がいかに小さいかがわかります。そんな中、昨今はオーダーサービスが乱立しすぎていてピックアップしてるとキリが無いくらいレッドオーシャンです。(大体はスーツのオーダーサービスがメインですが)需要自体は今後伸びる可能性はあるでしょうけど、現時点で大きな売上を獲得するのは非常に難しいのではないでしょうか。
続きは下記より