アパレル販売員の戦略的本社異動のポイントは必要とされる自分になる

みなさんこんにちは。キャリア論&転職担当の吉田です。暖かい日も増えてきて、そろそろ春のファッションに変えていきたくなる時期ですね。私もふつふつと買い物欲が湧き上がってきている今日この頃。仕事もっと頑張らねば!と燃えていたりします。皆さんの売り場もここから一気に新鮮な売り場へと変身を遂げていくころでしょうか。

さて、今回は戦略的本社異動の後編です。前編ではざっくりお伝えすると「人事を握るキーマンを見つけ、徹底的にアピールせよ」とでした。今回はそこからもう一歩踏み込んで戦略的にキャリアチェンジを勝ち取る方法をお伝えしていきたいと思います。

人事異動の目的とは

そもそも人事異動ってなんのために行われると思いますか?
働く人の満足度を高めるためのものでしょうか?

会社や組織ごとにそれぞれ色々と事情はあると思いますが、一番の目的は「戦力強化のため」です。

少し話がそれますが、新卒採用と中途採用の違いにも同じことが言えます。新卒採用はそれ自体が目的となりますが、中途採用の目的は戦力の強化です。中途採用はその手段の一つにすぎません。逆に言えば戦力の強化に繋がらないのであれば中途採用は行いません。

これと同様に人事異動も組織をより強くするための手段にすぎません。なので、異動の可能性を高めるためには「あなたを迎え入れること=戦力の強化に繋がる」というイメージを持ってもらうことが一番です。

では、どうすればそのイメージを持ってもらえるか。今回は2つのポイントについて説明します。

その職種に求められる適正は?

まず1つ目。非常にシンプルですが「適正がある」と思ってもらうこと。
拍子抜けするぐらい当たり前のことですよね。でも考えてみてください。あなたがキャリアチェンジしたいと思っている職種の適正を正確に答えられますか?もっと言うと、その職種がどういった仕事内容なのかを本当に理解できていますか?
多くの方のキャリア相談に乗る中で感じることですが、チャレンジしたいと主張する割にはその職種の表面的な一部分しか理解できておらず(しかも華やかな部分だけ)、具体的な仕事の内容を把握できている方はほとんどいません。本当に、本気で、キャリアチェンジをしたいと思うのであればその職種における泥臭く地味な部分も含めての理解は最低限必要なことです。そして、その理解ができた上でどういう力や適正が求められるのかを把握しましょう。

自分なりに考えたり調べたりするというのは当然ですが、一番の近道は実際にその仕事に就いている人に聞くことです。そうした姿勢を見せることも1つのアピールになりますし、何より理解が深まります。

そして職種への適正の理解ができたのであれば、徹底的にそこを磨く努力をすること。そしてそれは自己満の世界ではなく、周囲にも認知してもらえるような成果として残すこと。

これらがアピールできれば多くの希望者の中からあなたが抜擢される理由は確実に上がります。

欠けているピースを埋める

そして2つ目は、希望する部署を客観視しその部署に欠けている要素を見出した上で、そこを埋められるスキルをアピールすることです。

例えばあなたがPRチームにいきたいと考えていた場合、まずは現在のPRチームを俯瞰で捉えたとします。すると、デジタルスキルに強みを持った人材が不足しているとわかったとします。
であれば、自分がデジタルでの発信について徹底的に勉強をし、周囲にもそれがアピールできるぐらいのアウトプットを残せば「チームの弱点を保管できる人材」として異動の候補に上がってくる可能性は高まるでしょう。

これはキャリアチェンジに限らず、ビジネスの戦略でも言えることですが、ポジションを勝ち得るには「戦い場所をどこに置くか」というのは非常に重要なです。すでに高いスキルを持ったプレイヤーが多い領域において同じポイントで勝負を挑めば勝算は低いですが、ライバルが少ない領域で勝負をすれば勝率はグッと上がってきます。

この原則を頭に入れて、どの武器(スキル)で勝負に挑むかを定め、徹底的にその武器を磨き込む。これがキャリアチェンジの可能性を高めるもう1つのポイントです。

前編・後編とでお伝えをしてきましたが、残念ながらこれらを実行すれば確実にキャリアチェンジが叶うという訳ではありません。しかしながら、その確率を高めることは間違いなくできます。
繰り返しますが、本当に、本気で、キャリアチェンジを希望するのであれば、その実現のためにできうる全ての努力は徹底的に実行しましょう。そして、仮にその結果異動が叶わなかったとしても、キャリアとは不思議なもので全力でその努力を続けていると思いもよらなかった新たなチャンスや新たな関心事に出会えるものです。

時間は有限です。
もし実現させたいことがあるのであれば今すぐに、1秒でも早く、行動に移しましょう。

それではまた次回!

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吉田直哉
About 吉田直哉 31 Articles
株式会社ALL IS NEW 代表取締役社長 大学卒業後バーニーズジャパンに入社。販売員としてキャリアをスタート。20代でリクルートへ転職しキャリア支援のキャリアをスタート。その後ファッション業界専門のヘッドハンターとして業界におけるキャリアコンサルティングに従事しつつ、Vice President、執行役員としてマネジメントを経験。 。累計転職相談者は1万人を超える。現在は株式会社ALL IS NEWの代表取締役としてファッション業界のキャリア支援、採用支援をしつつ、「人が繋がるを」コンセプトにしたスナック「BANQUET CIRCUS」の経営や、 文化服装学院の非常勤講師としても活動中。 ファッション業界関係者限定の招待制交流イベント「FASHION SNACK」もプロデュース。また出身地である福島県いわき市にて地方創生事業も展開。