コレット20年の歴史に幕!
家賃3.9億円、売上36.4億円。
相次ぐテロで観光客激減、レクレルールもシャンゼリゼ店クローズの話や、ミラノの10コルコソモも16億円の負債、NYのジェフリーも地盤沈下。
世界のセレクトも時代の潮目の変わりどき… pic.twitter.com/NZCgko7Qnl— PREPPY (@Mark20130309) July 17, 2017
パリの有名セレクトショップ「コレット」が閉店。家賃の高騰とテロにより売上が減少した事が原因との事。そうでなくとも純粋なセレクトショップは元々、利益率が低くペイしづらい。コレットは世界的に有名店という事もあり、ブランドからプロモーション費をもらっていたようですがそれでもこの状況です。日本の大手セレクトショップは「セレクト」と名乗ってはいるものの、売上の大半は自社のオリジナル。以前から言われている事でもありますがセレクトショップという形態は継続する事が非常に難しいのです。
業界に数年いる人間ならわかっている事ですが、若い学生さんはこのあたりの事はまだ知らない事実。よく若者から「将来、ショップを出したい」という相談を受けますがその内容のほとんどはセレクトショップです。本日の授業はそんな若者の為に、何故セレクトショップを継続して運営する事が難しいかを簡単に解説致します。
①利益率が低い
自社の利益率を伸ばすには、粗利を伸ばすか販管費を抑えるかです。冒頭でもやや触れましたがSPAと違いセレクトショップは利益率、特に粗利が最初の設定から低いのです。
こちらの記事でも触れていますが、買い付け商品の掛け率は50〜60%が相場です。つまり原価率が50〜60%です。そして昨今のアパレルのプロパー消化率は50%前後と言われております。では掛け率50%で仕入れをおこし、プロパー消化率50%だった場合を想定すると下記のような感じですね。
上代1億円の仕入れ(掛け率50%)=5000万円
上代1億円をプロパーで50%消化=5000万円の売上
この時点で利益は0です。残った5000万円をセールでさばいて一部利益が残るといった具合です。これが原価率30%のSPAだった場合、
上代1億円の仕入れ(原価率30%)=3000万円
上代1億円をプロパーで50%消化=5000万円の売上
この時点で2000万円の粗利が出ています。もちろんSPAにデメリットが無い訳ではありません。製品の感度だったり、在庫リスクであったり。。ただ単純に利益率だけで見るとこういった感じになりますので大手セレクト各社が何故自社ブランドを中心に売ろうとしているかは理解できます。
②独自性が無い
市場が同質化しているから何とも言い難いのですが、セレクトショップは他店でも買い付けできるブランドを揃えていますので究極は差別化ができません。そこで自社ブランドの登場です。各社マーケティングして売れ筋を調査していますからここも他店とかぶりやすいので、結局は見せ方やブランディングが問題にはなってきます。有名店だから買うという購買動機って結構な割合であると思います。
③商品デリバリー
特にインポートブランドなんですが、デリバリーが超適当です。これ何が困るって、店頭の展開計画とか決めていてもそれ通りに商品が入ってこないケースがあるのです。中にはデリバリーが遅すぎて売る時期逃したりなんて事も…。SPAならここがコントロールしやすい。実はこれめっちゃ重要な問題なのです。
このあたりが大きなポイントでしょう。かと言ってセレクトショップが絶対成功しないと言っている訳ではありません。ビジネスは確率の世界です。なるべく自分が手がけるビジネスが成功する確率は上げたいはず。学生さんで将来、ショップ経営やMD・バイヤー希望の方はたくさんいらっしゃいますが、是非これを参考に自分だけのビジネスモデルを考えてみてください。
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セレクトやるなら、営業力あるチームじゃないとね。