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ファッション業界では現在、SPA主体であり意外と知られてない「卸業者」。
専門学校の授業も一番の就職先であるSPAを主体にしていますので、若い人たちは卸事業をしている企業に就職しない限りは中々知る機会がありません。
本日の授業は卸についての初歩的な知識についてお話ししたいと思います。
バイヤーでも卸業者でも必須の「掛け率」の計算
掛け率という言葉があります。計数管理の中で出てくる数字なのですが。。
簡単な数字を用いて説明しますと、
上代が10000円の商品があります。この時「掛け率」は60%だったとしましょう。
「掛け率60%で小売店に卸す。」→ この時、6000円が卸業者の取り分です。
小売業者は6000円で仕入れた商品を10000円で販売する訳です。
つまり、掛け率とは小売店が仕入れる際の原価率になります。
アパレルの原価率は大体20~40%くらいとピンキリですが、卸業者を通した「掛け率」はいいところ安くて50%程度です。
つまり、SPAでいうところの原価率50%。卸業者通すと仕入れ値ってめっちゃ高いんです。
アパレルのプロパー消化率が50~60%と言われていますから、下手したらプロパー期間中では粗利ゼロ。
これではセレクトショップは儲かる訳がありません。だからどのセレクトショップもオリジナルブランドを作るしかないのです。
SPAでも原価率が40%を超えたり…。
昨今では原価率を高く設定してコスパの良い商品を作っている事業者もちらほら見られます。
ユニクロでさえ原価率が38%と言われていますし、原価率40~50%あたりに設定しているブランドもあるくらいです。
こうなってくると、卸業者を通せば消費者からコスパが悪いと感づかれるのも時間の問題です。いや、既に気づいている方も多くいらっしゃるでしょう。
当たり前ですが、ブランドが作った商品にマージンを乗せて小売業者に卸している訳で、卸を仲介したところで商品の付加価値が上がる訳ではありません。
ブランド側は販路を確立しやすくなり、小売側もブランドと繋いでくれるメリットがあったかもしれませんが、そのツケが消費者に回る理由は無いのです。
結局は、SPAのような垂直統合モデルに収斂していくのは当然の事です。
セレクトショップの多くがSPAになっていくにつれて、卸業者の役割は年々減っていく事でしょう。
The Flag「ファッション業界 主要企業20社の従業員数は過去5年間でどう変わったのか?」
まあ従業員数も結構な減り方してますしね。。皆様も今後の就職先にはお気をつけください。
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