ミュベールの新作をカスタマイズするハンドクラフトサービス開始
「ミュベール(MUVEIL)」が、2017年春夏シーズンからハンドクラフトサービスを開始する。第1弾として、5種類の刺繍カーディガンのカスタマイズを実施。2月25日に南青山の「ギャラリー ミュベール(GALLERY MUVEIL)」で行われ、他の店舗にも順次広げていく。 デザイナーの中山路子はハンドクラフトに寄せる強い想いがあり、新たに始まるサービスではデザイナーと「ミュベール」のハンドクラフトチームが店頭で購入者とカスタマイズプランを練るパーソナルな接客を通じて、特別な一着を仕上げる。
ミュベールというブランドの新しいサービスで、購入者とデザイナーがプランを練って特別な一枚を作り上げるというもの。ラグジュアリーのカスタムオーダーサービスに似ており、顧客に「自分だけの一点」を提供しています。
そのブランドに対してロイヤリティが高い顧客は、よりパーソナルなサービスを求める傾向にあります。ファッションアイテム以外でも、
#NNNgirls supported by NYLON JAPAN
こんな事例があります。NYLON JAPANのオンラインサロンでは参加者がコンテンツを制作する権利をもらえるというもの。これもサービスに対してロイヤリティの高いユーザーが参加するものでしょう。
LOUIS VUITTON MADE to ORDER
や、
こんなところも「自分だけの一点」ですね。最近パーソナルなサービスの中でも特に「ユーザー参加型」が目立ってきたように感じます。これについてはDecoded Fashionにてケイティ・バロンという方が「ミレニアル世代の消費動向はプロシューマー時代の到来、つまりユーザーとの共同制作」だと言っております。では何故このような消費動向になっていくのか?について考えてみましょう。(こちら参考までに。→ 全ては顧客の体験向上の一手段 )
ミレニアル世代は自己愛が強い?
ミレニアル世代とは2000年以降に成人を迎える世代、、、という事で僕も入っちゃってますね。ケイティバロンは「ミレニアル世代は概してナルシスティック」だとも語っております。だからブランドのインサイダーを演じる事に喜びを感じると。確かにこれは納得。なぜならこの世代において必須のツールがinstagramだからです。特にスマートフォンやソーシャルメディアがもたらした変化だとも言えそうです。自己愛が強い世代だからこその消費動向。。あまりいい気はしませんが(笑)
パーソナライズが当たり前の時代?
歴史を遡るとプレタポルテが生まれる以前、ファッションはパーソナルが当たり前でした。それがプレタポルテの誕生、ライセンス商法、ファストファッションの台頭によって大衆化の一途を辿り、既製服が当たり前の時代になった後、またそれが嗜好品であるパーソナルなものに回帰する動きは非常に興味深く感じます。テクノロジーの進化により、嗜好品であるパーソナルサービスの低価格化がおこり、誰もが「自分だけの1点」を手にする事ができるようになりつつあるのです。ユニクロのオーダーサービスの価格破壊なんかは凄まじいですね。
恋愛もお買い物も「あなただけ」を求める?
SIMONEの代表であるムラカミカイエ氏曰く、商品購入の動機の多くのケースは「恋に落ちること」と似ていると。確かにこれをパーソナルなサービスに当てはめれば「あなただけ」のサービスなのですから恋愛と同じ。お客様が最終的にパーソナルなサービスを求める動機がわかります。四元氏然り、金田氏然り、どうりで売る販売員にはモテる人が多い訳です(笑)
という事で、今後自分たちの顧客囲い込みの為にパーソナルサービスを仕掛けていくブランドはもっと増えるでしょう。自分たちの顧客をしっかり見つめ直し、そのインサイトを見極めてサービスを構築していかないと時代に置いていかれます。あなたの恋人と同様、顧客もちゃんと大切にしないと離れていくかもしれませんよ。