コンペティターの売上を聞く目的は何?
毎週月曜日、客層が類似する近隣他店に売上を聞きに行って、それを本部に報告するという仕事がアパレルショップのルーティンワークです
この「他店売上報告」ですが
①何のためにやっていて
②何を聞くとよいか
考えたことがあるでしょうか。
というのも、数字の確認に終始する販売員があまりにも多いのです。
売上金額や売筋等、POSデータが開示されていれば聞きに行く必要がない内容でヒアリングが終わっています。
本部からそういうフォーマットが提示されているのだと思いますが、販売員として、やらされ仕事で終わっていませんか?
今週来週の売上につなげるために、知りたいことを聞けるチャンスなので、生かさないのはもったいないことです。
過去の数字を知ってそれをどうするか
現状、先週一週間の他店売上と売筋商品の商品情報を聞いて結論づけたいのは、
競合の中で自店売上がどの位置だったかの確認(他店が苦戦するなかうちは健闘しました、苦戦しているのはうちだけではありませんアピールetc…)
競合他店の売筋商品が自店には無かったという無い物ねだり(いま売筋になっているようなものがないので太刀打ちできませんでした、それからうちの客層に売れるものではないので手も足も出ませんアピールetc…)
いかにも
検証好き、数字好きを自称する本部の人間が喜びそうな内容です。
でもこれらは
一体何の役に立つんですかね?
言い訳とか優越感に浸る役には立つかな…。
大前提として数字は大事だし検証も大事ですが、それはもう過去のことなんです。
×何が何枚売れたのか
◯誰がどうして買ったのか
何がどのくらい売れたか聞いて、いいなー、うらやましいなー、と思ったら
そっくりそのまま真似すればいいじゃないですか。
速攻同じものを用意して同じ値段で売れば同じくらい売れるかもしれませんよね?トレンドがあるうちは。
でも、ブランドはそれをしませんよね?
売筋になった時点でトレンドは既にピークです。一週間遅れただけでももう下降線を辿ります。
本当に知りたいことは、
どんなデザインでどんな素材の商品が、いくらで、何色が何枚売れたのかではなく
どんなお客様にどんな提案をしたら、どんな理由でどんな買い方をされたのか
です。
この部分は、POSデータには現れませんが
店づくりや接客にはすぐ生かせることが詰まっています。
「コレが売筋でした」と言われたら、一番売ったスタッフは誰か聞いてその人に情報を直に聞けたらなお良しです。
聞き方に工夫は必要だけど、いい情報が欲しければ直にリーチするのが一番ですからね。そのかわり、こちらからも何かお土産情報は必要ですよ。
仕事に目的を持ちましょう
ちゃんと聞いて回ると他店売上ってけっこう時間がかかるものですが、お店に戻ってから先輩や上司に「遅い、時間かけすぎ」と注意されたりして、嫌な仕事になっていませんか?
先輩や上司は、そんな注意をむやみにしていませんか?
相手先のスタッフと普段からあまりコミュニケーションが取れていないと、まるで営業妨害でもしに来たかのような扱いを受けがちですが、店長同士の交流をスタッフが見ていたりすると、そんな空気にもならずに済みます。情報を聞きやすい環境をつくるのも仕事です。
他店売上は下のスタッフの役目にしているショップが多いと思いますが、私はその時点で他店情報を蔑ろにしているように感じます。
「とりあえず数字聞いてきて」ではなく
「こういうところを聞いてきてほしいです、こういうことに生かしたいから」だと思います。作業にしないことですね。