レーヨン素材を詳しく解説

セラーでもトップでもない当方が毎週金曜日を担当しているのですが、正直なところネタに困ることも多くあります。(笑)

先日、主宰の四元さんから鳥貴族で飲んでいるときにリクエストがあったので、それを今回は書いてみたいと思います。

一言にまとめると「レーヨンは偉大だ」ということです。

 

洋服を作るための生地は糸で構成されています。その糸には天然繊維と合成繊維があります。

天然繊維とは、綿・麻・ウール・シルク・カシミアを含む獣毛、など自然にある植物や動物から採れる原料で作られた糸です。

合成繊維とは人間が化学的に作り出した糸です。

合成繊維というと多くの人はポリエステルやナイロンを思い浮かべるのではないかと思いますが、石油を原料とするポリエステルやナイロンが作られるようになったのは比較的最近で、日本では第二次世界大戦後のことになります。しかし、その以前から合繊メーカーは日本に存在していましたが、では一体何を作っていたのでしょうか?

 

答えは、レーヨンです。

レーヨンの材料は植物です。樹木から作られたパルプを原料としています。ですので一見すると天然繊維のように見えるかもしれませんが、製造過程が化学的なので合成繊維に分類されます。最近では半合成繊維とか再生繊維なんて呼ばれ方もします。

合繊メーカーというと、ユニクロとも提携していることで有名な東レが現在、圧倒的な知名度を誇っているのではないかと思います。かつての双璧だった帝人は少し水を開けられたように感じます。

ところでこの2社の社名の由来はなんでしょうか?

東レなんて変な社名です。(笑)東のレってなんだよ?と思いませんか?

東レの「レ」はレーヨンの「レ」なのです。東レの旧社名を東洋レーヨンと言います。

それの短縮形を社名にしたというわけです。

 

では帝人はどういう意味なのでしょうか。

こちらの方が東レよりは国内企業の社名としては、まだしっくりしています。意味はわかりにくいですが。(笑)

 

帝人は旧社名を帝国人造絹絲と言います。絲という漢字は糸の意味で、この「絲」は中華世界で使われることが多く、我々は中華料理の「青椒肉絲(チンジャオロース)」として馴染みがあります。

帝国は大日本帝国です。では人造絹糸とはなんでしょう?

実はこれもレーヨンのことで、レーヨンの和訳を人造絹糸、略して人絹と呼びます。

レーヨンという言葉は、ray(光)+yarn(糸)で作られた造語です。

 

東レも帝人も元はレーヨンの製造から始まったというわけです。

 

ちなみにクラレも旧社名を倉敷レーヨンといい、これもやはりレーヨンの製造からスタートしているのです。

こうして見てみると、レーヨンは日本の合成繊維の祖ということもできます。

ですから、「レーヨンは偉大だ」ということができるのです。

 

そんなレーヨンの偉大さを称えながら、また来週。

 

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南 充浩
About 南 充浩 163 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】