「H&M」がインフルエンサーを起用したブランドプロモーションをスタート インスタのEC新機能とも提携
インスタグラムは、アプリ内で商品を直接購入できる新機能“チェックアウト(CHECKOUT)”を米国内のユーザー向けに試験的に導入した。これまでは、投稿画像に外部のECサイトへのリンクがつけられるのみだった。(中略)その1つである「H&M」は、これに伴ってインフルエンサープログラムの“H&Mリーグ(H&M LEAGUE)”を4月1日に立ち上げた。スウェーデン発の同ブランドが、米国でインフルエンサーを活用したブランドプロモーションを実施するのはこれが初となる。
先日、実装が報じられたInstagramのチェックアウト機能。従来のショップナウ機能では、商品をタップした後、Webサイトへ遷移して購入…、というプロセスだったのが、こちらの機能ではInstagramから離脱せずそのまま決済できるというのが強みでしょうか。確かに便利なのですが、効果はかなり限定的だと思うのです。
○ECサイトのCV経路を見てみると…
普段からgoogleアナリティクスを見ている人なら「コンバージョン経路」という項目があるのをご存知でしょう。弊社では様々なクライアント様のECサイトを管理していますので、どういった経路を経て最終CV(注文)しているかを日々計測しています。で、一番多いのは何度も何度「再訪」した結果、購買に至っているケースですね。例えば、
メルマガを見る→そのままサイトへ流入→商品ページをブックマーク→何度か訪問→購買
とか、
ソーシャルで見る→ブランド名検索→商品ページをブックマーク→何度か訪問→購買
とか。
経路はばらばらですが、共通しているのはとにかく再訪する事。Instagramのキャプションだけでは情報量が少ないですから、気になったらもうちょっと深堀りしたいのがユーザー心理でしょう。様々なタッチポイントを強化する理由もここにあります。普段からカタログのようにInstagramを閲覧しているユーザーは、その瞬間に強い購買動機がある訳ではありませんので、そこまでCVR(コンバージョンレート)が高くも無い。だからこそ、こういった結果になっていくのですが、例外はあります。
○CVRが一気に上がる=購買動機が強くなる瞬間
Instagram経由で急激にCVRが上がる瞬間は弊社のデータでも実績があります。つまり、
ソーシャルを閲覧→Webサイトへ流入し、そのまま購入
という、現時点での最短経路ですね。これが起こりうるのが、「インフルエンサーが拡散した瞬間」です。もちろん、拡散がきっかけで認知が高まり、再訪した結果、購買に至るというケースもありますが、再訪が少なくてもCVが増えるのはこの時が一番顕著です。また、ブランドによってはInstagramをメインに集客しているところもありますから、そういったブランドのインスタライブ後なんかは再訪が無くとも売れるでしょう。
アパレル・EC系のSNSマーケターであれば、売上高10億円超えのAmeriのInstagramライブを参考にすべきかと
✔︎複数人のスタッフが入れ替わり立ち替わり着替えて紹介
✔︎着用してる人物の身長を必ず言う
✔︎素材、合わせ方、発売日など事細かに説明(でもテンポ良い)
✔︎コメントにも柔軟に対応 pic.twitter.com/jpVhUVNuqj— 石井リナ/ BLAST (@rina_ishii_99) June 13, 2018
(こういうやつですね)
バーバリーがファッションショーをライブ配信した後に、Instagramに限定的に商品をアップして販売するのも、今回のチェックアウト機能に有効かと思います。なので、今回のチェックアウト機能で恩恵を特に受けそうなのは、
・インフルエンサーブランド
・普段からInstagramメインで集客しているブランド
・Instagramで限定的に商品販売していたブランド
だと推測します。EC強化策と同様、あくまでこれはツール・チャネルなので、実装したから売れるという代物ではないと考えております。結局、ツールは使いようなので、いかに効果が上がるような環境にできるかが重要なポイントになるでしょう。