「リヨセル」という素材表記が復活した理由。リヨセルとテンセルの違い

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以前にレーヨンのことについて書きましたが、レーヨンの仲間は数多くあります。

モダール、テンセル、キュプラ、アセテート、ジアセテート、トリアセテートなど。製法は違いますが、パルプを原料とする生地です。

厳密にいうと製法が違うのですが、大まかには仲間だと考えるとわかりやすいといえます。

 

その中で一時期見かけなくなったのに、最近また見かけるようになった生地があります。

「リヨセル」です。

 

リヨセルはオーストリアのレンチング社が製造していた繊維。しかし、レンチング社は何年か前にテンセルの商標も買い取りました。その結果、リヨセルはテンセルと統合されて、表示から姿を消しました。

今春物のユニクロUを物色していたときのことです。商品の下げ札を見ると「指定外旋位(リヨセル)」と表記されているではありませんか?

あれれ?統合されたはずでは?

と頭に疑問符が並びました。

 

販売員の皆さんはどうでしょうか?一時期、リヨセルという表記をほとんど見かけなくなったのではないですか? それがまた最近ちょくちょくと見かけるようになっていませんか?

 

何かの理由で製造されなくなった繊維は数多くあります。リヨセルもそのうちの一つだと思っていましたか?

一時期リヨセルが姿を消したのは、製造元がテンセルの商標を買い取って名称を統合したからでした。

ではどうしてリヨセルの表記が復活したのでしょうか。

当方はこの疑問を解決するために、国内でも有数の大手生地商社の企画担当者に質問しました。

そうするとこんな答えが返ってきました。

 

最近、品番ごとに登録したものだけを「テンセル認定します」という通達が来ました。登録していない生地はテンセルという表記ができないことから、リヨセル表記をするようになりました。

 

とのことでした。

リヨセルの表記が復活したのは、テンセルという表記は「登録制」になったからで、登録していない生地は「リヨセル」と表記せざるを得ないということなのです。

 

洋服の「ブランド」や「商標」については業界全体の認識が高まり、販売員の皆さんも身近に感じられているのではないかと思います。

しかし、繊維にも「商標」が存在するのです。そしてその「商標」から外れた繊維は表記を変えなくてはならないのです。

テンセルとリヨセルはほとんど同じ繊維です。解説によっては「まったく同じ」と書かれている場合もあります。

それでも商標の認定によって表記を変えなくてはならないのです。

繊維や素材でも「ブランドビジネス」は存在するということなのです。

リヨセル表記の復活はそれをまざまざと見せつけたというわけです。

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南 充浩
About 南 充浩 164 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

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