先日、アパレル関係者とお話をしていて「最近、某アパレル出身の人が活躍しているのをよく聞く」という話になった。その企業は、今でこそやや業績を落としてはいるが、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していて、その企業に入りたいと希望する若者も相当多かったように思う。
人気ブランドを保有しているとその企業で働きたいというインセンティブが働くのは当然の事で、ブランド力を上げる事は顧客の購買決定要因になるだけでなく、採用にも大いに影響するのだなぁと当たり前の事を改めて感じた。
○業績が好調の時は強い人材が集まる
結果として、企業というのは調子が良い時は強い人材が集まりやすい。その企業で働きたいという希望者が増える訳だから、当然強い人材が来る確率は高くなる。
その某アパレルは労働時間が長い事で有名ではあるが、そんな噂も当時は物ともしない状況だったのだろう。ただ、結果として現在その企業出身の人間が、企業の外に出て活躍している事に違和感を覚える。つまり、何故継続してその企業内で勤務できなかったのかという事だ。
○離職率はどうやったら下げれる?
離職率を下げる事に関しては、企業も様々手を打っている事だろう。それは単純に給与を上げる事かもしれないし、福利厚生の充実かもしれないし、企業が目指すヴィジョンへの共感なのかもしれない。個人的な見解を述べるなら、僕の周辺にいる超優秀なスーパーサラリーマンの方々は、とにかく自由な働き方を許されている。裁量権が大きかったり、副業での収入が多いなどである。
頭が良く、優秀な人の全てが起業を志ている訳ではない。そういった人たちはリスク回避を考えるから、雇用されながらも収入を最大化する方法を考えるだろうし、その上でストレスフリーな働き方を実現している。やり方次第で強い人材を企業に残す事は可能なのだ。
一つ言える事は、強い人材が流出している企業が衰退の道を辿るのは道理であるという事だ。企業が成長していく過程で、初期フェーズは人材にそこまで投資するのが難しいのはよくわかる。しかし、成長した後もここを怠ると同様の事が起こりうるのではないだろうか。某アパレルの衰退を見て、改めて企業は人なのだと痛感したし、小さいながら人を雇用し経営している身として、この件は対岸の火事では無い事を感じた次第だ。