先日、新規ブランドのご相談でとある企業さんと商談していたのですが、今後の展開計画の中で「ZOZOTOWNでの出店が決まっている。」という旨をお聞きしました。どういう計画のもとで出店が決まったのかをよくよく聞いてみると、お知り合いの企業さんが出店してよく売れているという事実から、自社でも出店を決めたという事でした。
新規ブランドが広告宣伝的にZOZOに出店して、知名度を上げながら顧客を増やしていくというのは、わからなくもないのですが、そこにかかる費用を算出し、初期コストをどの期間で回収していくというのはあらかじめ考えなければなりません。それと、特に気になったのがお知り合いでの「成功事例」ですね。これがどういう環境で成功したのか?を紐解く必要があります。
○結局は認知度と流通量が問題
上記はとあるレディースブランドのECが伸びているという記事ですが、その中でも特にZOZOでの成長が目覚ましいというものです。EC売上が3億でその9割がZOZOTOWNでの売上。EC比率が30%という事で非常に高いのですが、自社ECは3億のうちの1割程度。ちょっと気になったので、Webサイトを調査してみたのですが、
このブランド、卸がメインなのですが、得意先としてはPLAZA、ジョンブル、B2nd、TODAY’S SPECIAL、Liesseなどなど。全国展開している有名ショップが数多く名を連ねております。また地方の有力店である、JEANS FACTORY、PARIGOTも卸先ですね。つまり成功要因は、
「営業力」
なのです。これだけ広がっていたらZOZO内での指名検索も増えている事でしょう。ここまで流通しているなら手数料が高いZOZOより自社EC強化した方が利益率高いと思います。
上記の新規ブランドの件も、お知り合いの企業さんのお話を聞く限りでは、卸が強いブランドだったり、直営店に力を入れているブランドだったりと、結局はどこかのチャネルで顧客や流通量を増やしていく施策があるのです。
「ZOZOに出品したら売れる!」なんて適当な話する人はもうちょっと売れた要素を深掘りしてほしい。話紐解いて行ったら結局、卸先が多いだとか、直営店に力入れてるだとか、指名検索される要素があったりする。無名ブランドが何の背景も無しに出品して売れたら誰も苦労しない。
— 深地雅也 (@fukaji38) June 18, 2019
(ついついこんな心境になりましたね…。)
過去から成功しているブランドのやっている事って本質的にはそれほど変わっていないのですが、ツールが変わると混乱しがちです。先行者利益というものは確かにあって、過去ECをやれば売れる時代も少なからずあったかとは思います。しかし、これだけWebでアパレル製品が乱立している時代に、特定のECモールに出店するだけで商品がバカ売れしたら誰も苦労しません。甘い話に踊らされてお金も時間も無駄にしないようお気をつけください。