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こんにちは。南です。
今年も残すところあと1カ月となりました。早いですね。まさしく光陰矢の如しです。
今年度は基本的に洋服の売れ行きが例年以上に悪かったといわれています。とくに秋口以降の売れ行きは相当に悪く、ある百貨店の管理職は「消費増税直後よりも悪くて、これまでにない異次元レベルの悪さ」と言っていたそうです。
洋服不振は長期間に渡って続いているのですが、今秋の不振の理由の一つとして「高気温」が挙げられています。東京と関西では少し気温の推移が異なりますが、東京は夏も最高気温が20度台の涼しい気温がところどころで挟まっていましたが、関西は最高気温35度の猛暑日が続きました。
8月末に東京は急激に涼しくなる日がありましたが、その後気温は高くなる日も多く、順当に涼しくなったとはいえない気候でした。
関西は猛暑は収まったものの、30度前後の高気温が10月までずっと続いていました。一時的に涼しくなった日がありましたが、10月の下旬まで最高気温25度前後の日が続きました。11月に入ってからも最高気温20度前後の日が下旬まで続き、肌寒さを感じるようになったのは11月末になってからです。それでも今年はまだ平均気温が高いと感じます。
総括すると東西ともに今秋は高気温だったといえそうです。
ところで、洋服の店頭投入の時期は、バブル期ごろから今も変わっていません。
秋の立ち上がりは8月の盆明けごろ、10月21日にコート類が投入されます。
しかし、この10年くらいは毎年秋は「高気温で不振だった」というコメントが出されています。体感気温に沿って洋服を買う人が増えたといわれているのに、どうして洋服の投入時期を変えないのでしょうか?ここが疑問でなりません。毎年毎年、ナントカの一つ覚えみたいに「秋が高気温で」と嘆いているのにどうして何一つ工夫をしないのでしょうか?なぜ天候任せ・気温任せなのでしょうか?中世の農民でしょうか?
気象庁が発表している1981~2010年までの横浜の月別の平均気温を見てみましょう。
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=46&block_no=47670&year=&month=&day=&view=a2
9月の平均気温は23・3度です。
これは6月の平均気温である21・3度よりも高い数値です。ということは9月はまだ長袖の秋物を着る気温ではないということになります。
先物として秋物を店頭に並べる必要はありますが、体感気温に即して洋服を買う人が増えているなら、9月に秋物はほとんど売れないということになります。ぼくは暑がりなので今年は10月21日まで半袖のTシャツやポロシャツで過ごしました。9月に長袖の服は買っておらず、最終処分値で投げ売りされていた半袖のTシャツを数枚買いました。体感気温に即して買うというのはこういうことを指します。
10月の平均気温は18・0度です。長袖の秋物を着るとするなら10月からということになります。中学校や高校の制服も10月から冬服になります。
毎年、気温で苦労しているならせめてこういうデータを活用して投入時期を変えるくらいの工夫をすべきではありませんか?
ちなみに12月の平均気温は8・5度で、皆さんが想像するよりも高いといえます。12月の上旬ではコート類は着用しません。着用するならクリスマス寒波が来る下旬からということになるでしょう。
1月の平均気温は5・9度、2月の平均気温は6・2度で、この2カ月が寒さのピークといえます。
2月21日に春物が立ち上がる店が多いですが、3月の平均気温は9・1度で、12月とほぼ同じです。
となると、3月に春物は着られません。体感気温に即した購買動向なら3月に春物は買わず、冬服の処分値投げ売り品を買うということになります。
毎年3月には「低気温で春物が不調」というコメントが出続けていますが、本来、3月は低気温なのです。どうしてそれに対策を打たないまま何十年も放置しているのでしょうか?不思議でなりません。
これらのことに何ら対策を打たないままで「秋の高気温ガー」「春の低気温ガー」と嘆いてばかりいる業界を見ていると、「そりゃ洋服が売れないのも当然だよな」と思わずにはいられません。業界人が望むような気温動向なんて何年かに1度あるかないかなのです。その1度を待ち続けているというのはよほど無能といえるのではないでしょうか。無能がそろっている業界なら不振に陥るのも当然だといえます。
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