意外と知らない!?アパレル販売員の年収アップの方法論

みなさんはじめまして!
今月からアパレルキャリア論について担当することになった吉田直哉(@naoya0115BC)です。

元々はバーニーズニューヨークを運営するバーニーズジャパンで販売員としてキャリアをスタートさせ、その後リクルート、ヘッドハンティング会社と渡り歩き、現在のスタイルにたどり着きます。

リクルート時代から数え、これまで受けたキャリア相談に累計1万人を超えました。
つまり1万通り以上の方のキャリアに触れさせてもらって来たんですね。

この連載の中では、多くの方から受けて来た相談経験に加え自身の経験も踏まえつつ、アパレル業界におけるキャリア形成についてお伝えしていければと思っています。

今回は第1回目ということで、キャリア構築を考えていく上でその前提となる少し大きめのお話からお伝えしていこうかと思います。

年収をUP方法ってどうすれば良いの?

「年収が低くて長く働けるか心配で…」

「今の会社ではこれ以上の昇給が見込めなくて…」

転職相談で受ける相談のうち、年収に関する内容は非常に多いです。

そもそも年収って何の値段何でしょう?

答えは「経験、スキルに対する相場」=年収 です。

他の人よりも一生懸命頑張ったから年収が上がる訳ではなく、

会社の中で褒められた、評価されたから年収が上がる訳ではなく、

「すごく欲しいんだけど、なかなか手に入らないんだよね」っていう経験・スキルを持つことが年収アップのポイントです。

つまり、自分の希少価値が高まれば年収は上がるし、裏を返せば希少価値が低ければ年収は上がらないんですよね。

これまでの経験上、意外とこの点を理解できている人が少ない。

でもこの大前提を理解すれば年収を上げていく方法は自ずと見えて来ます。

「自分の希少価値を高めること」に集中すれば良いんです。

希少価値を高めるとは?

じゃあどうすれば希少価値を高められるのか。
ポイントは3つ。

①ライバルが少ない領域で勝負を仕掛ける
100人で1つのイスを取り合うイス取り取りゲームに参加するより、10人で1つのゲームに参加した方が勝率は高まりますよね。

ライバルが少なければ少ないほどそこで目立てる可能性は高まりますし、そもそもその領域の経験者が少ないのでその経験自体が希少価値が高まります。

②できることを掛け合わせで増やしていく
「洋服の販売経験者」だけだと対象者は非常に多い(つまりライバルが多い)ですが、例えばそこに「高額商品」「デジタルスキル」「メンズ・ウィメンズ両方」「マネジメント」「SNS」などのキーワードを掛け合わせることでどんどん同じような経験を持つ人は少なくなります。

要は「その他大勢」との違いをどう打ち出すかを考えて、自分らしさ(特徴)を明確にしていくことです。

③得意領域で圧倒的No.1を目指して突き抜ける
言葉通りそのままです。ライバルが多かろうが少なかろうが自分の領域で圧倒的No.1を目指す。
ただし、上記2つと違ってこれには努力だけではカバーが難しい「才能」も必要になって来ます。
イメージとしてはプロスポーツ選手として大活躍する(世界で通じるレベル)レベルです。

自分の才能に自信があって、行動量・センスともにNo.1を目指せる所にいるのであれば徹底的にそれを目指しましょう。ただし、これはほんと〜に一握りの方にしか該当しないと思います。(自分も無理だと悟って早々に方向性を変えました)

自分のキャリアを例に例えると、「ファッション業界の販売」においても「リクルートのような総合人材会社」においても、No.1になることは難しいなと客観的に判断をして、ファッション業界の経験×人材経験 という掛け合わせてファッション業界のヘッドハンターというライバルが少ない領域を自分のフィールドに定めました。

そして更には「大手企業経験」×「ベンチャー・スタートアップ経験」という掛け合わせも追加して、この領域で自分の特徴を打ち出すことを意識しています。

相場観を知る、ということ

これまでお伝えした、前提となる考え方がベースにないが故に、自身の客観的な価値を考えること・知ることができていない方は、アパレル業界に限らず多い印象です。

例えば「今より駅近くで、もっと広くて、もっと便利な場所に引っ越したい」という希望を叶えようとした時に、家賃も今のままで見つかると思う方っていないですよね?

「もう少し家賃を上げようかな…」

「希望条件のどこかを妥協しようかな…」

その他諸々を調整しながら引っ越し先を決定するというプロセスになると思います。これはまさに相場観があるからなんです。

ところが自分のキャリアになるとこの相場観を持ち合わせていない。
その結果、

「今よりも年収アップで希望の仕事につきたい!」

「未経験で好きなブランドの本社勤務に転職したい!」

といった相場観と大きくかけ離れた希望を持ってしまって、キャリアデザインに失敗している方が本当に多いです。

感覚的に「フェラーリを新車で買いたい!50万ぐらいで!」というぐらいまで相場観とかけ離れた希望を持ってしまう方もいます。

希望を持つことはとても大事ですが、それ以上に大事なのはその希望を実現させるための具体的な行動です。

それぞれが自分らしく強いキャリアを作っていくためには、自分のキャリアを客観的に見ること。

自分の客観視するということは、自分の強みや優位性を理解すること。

そして客観的に見るためには今の会社やアパレル業界だけに留まらず、もっと世の中に目を向けて相場観をつかむこと。

これらができるようになれば、希望を実現するための具体的なプランが見えてくるはずです。

定期的に客観視する機会を設けて、ぜひ自分の持ち味を最大限に生かしたキャリアを作っていってほしいなと思います。

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吉田直哉
About 吉田直哉 31 Articles
株式会社ALL IS NEW 代表取締役社長 大学卒業後バーニーズジャパンに入社。販売員としてキャリアをスタート。20代でリクルートへ転職しキャリア支援のキャリアをスタート。その後ファッション業界専門のヘッドハンターとして業界におけるキャリアコンサルティングに従事しつつ、Vice President、執行役員としてマネジメントを経験。 。累計転職相談者は1万人を超える。現在は株式会社ALL IS NEWの代表取締役としてファッション業界のキャリア支援、採用支援をしつつ、「人が繋がるを」コンセプトにしたスナック「BANQUET CIRCUS」の経営や、 文化服装学院の非常勤講師としても活動中。 ファッション業界関係者限定の招待制交流イベント「FASHION SNACK」もプロデュース。また出身地である福島県いわき市にて地方創生事業も展開。