生産国に思いを馳せてみてください

আস্সালামু আলাইকুম! (アッサラーム・アライクム!)

みなさんこんにちは!バングラデシュよりハルカがお届けします!

最近は有難いことに、私の記事を読んだことがきっかけで生産国に興味を持ち始めたという方々から、ご連絡を頂きます。
ありがとうございます(ご連絡を頂く度に歓喜の舞を繰り広げております)。

特にこのコロナ期間に入ってからは、情報に触れる時間や機会も増えたからか、沢山の方からコンタクト頂いております。
最近は暗いニュースばかりをお届けしており恐縮です。時には目を瞑りたくなるような内容もあると思いますが、それらも含めてどうか受け入れて頂ければと思います。

どうかお付き合いください!よろしくお願いします!!

バングラデシュのいま

こちとら、いまだにロックダウンしております。国内の総感染者数は約19万人(7/14現在)、1日に3,000~4,000人ペースで増加中です。第1波の真っ最中。
ピークすらまだ来ていないと言われており、留まるところを知りません。

そんな中でも、いつまでもロックダウンを守っている訳にはいかないのです。感染拡大を止めるよりも、経済活動を活発にするという道を選ばざるを得ない理由が、この国にはあります。国力も弱く、多くの貧困者を抱えるこの国では、時に残酷とも言える判断を下さなければならないこともあるんです。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

何のためにアパレルやってるんだっけ?アパレル縫製大国バングラディッシュの現状とは。

改めて、生産国バングラデシュの特徴とは

バングラデシュは、アパレル生産大国と言えます。そのことは、国全体の総輸出の約9割がアパレル商品であること、また労働人口の半数以上がアパレル産業従事者であることからも、明らかです。この国はアパレル生産業が担っていると言っても過言ではないです。

逆に言えば、アパレル生産業が終われば、この国も終わってしまいます。

アパレル生産国”世界TOP3”、各国の特徴のご紹介

先にバングラデシュの順位を発表します。なんと、世界第2位です。
意外と思われる方も多いと思いますが、世界には多くのアパレル大国がある中、ここ数年の間は2番目の地位をキープしております。

栄えある第1位はもちろん、中国です。
日本に限って言っても、国内で流通しているアパレル商品の約7割は中国産と言われています。中国なしでは日本のアパレル業界は成り立ちません。

第3位は、ベトナムです。
東南アジア、北から南に細長い海沿いの国です。ベトナム産の洋服も、日本国内で多く流通しています。

“世界TOP3”が出揃いましたが、この3カ国は2つに分けることが出来ます。
ひとつは、第1位の中国と、第3位のベトナム。
そして、第2位のバングラデシュ。この間には、大きな違いがあります。

それは何かというと、”代替産業の存在”です。

中国には、”世界の工場”という異名があり、多種多様な製造業が盛んです。
またベトナムも、農工業やサービス観光業など、多岐に渡る産業が存在します。

この3カ国ともアパレル生産大国に変わりはないですが、前者はアパレル生産業以外の”代替産業”があり、後者はない、という大きな違いがあります。

要は。前者は、アパレル生産業が終わったとしても他の産業も盛んなため国が終わることはない、後者は否、ということです。

前章での「アパレル生産業が終われば、この国も終わってしまう」とは、このような意味です。

これからの「生産国」の話をしよう

先日、バングラデシュ国内紙でこんな記事がありました。

https://twitter.com/haruka_bangla/status/1281861020391059456

これは、”アメリカ向け/デニム商品/2020年5月”の、生産各国の比較データです。

好調な2カ国[カンボジア]と[ベトナム]は、感染者数も死者数も比較的少なく、コロナによる影響が少なかったとの情報を得ています。
結果は如実に出ており、他国が揃ってマイナスを叩き出してしまっている中、プラスに転じています。

一方で絶不調な3カ国[メキシコ][パキスタン][バングラデシュ]は、コロナの影響たるや散々で、今尚苦しめられ続けています。

内容的には、限定的なデータです。
しかし、この図を見た時に私はかなり危機感を覚えました。近しい未来に、アパレル生産各国の全体像がこの様になってしまう可能性は、十分あるなと。

コロナの影響で、もしくは、コロナが後押しとなって、多くのアパレル関連企業が倒産しました。
また、倒産までにはいかないものの、苦しい状況にある企業は沢山あるかと思います。

同じ様に、生産国でもコロナの影響は確実に受けています。
そして、バングラデシュに限って言えば、コロナの影響によって国が終わってしまう可能性すらあると言うことが出来るのです。

実際に終わることはないかと思いますが、コロナ以前のようにアパレル生産世界第2位の地位を保ち続けられるかは、実際のところ疑問です。

状況は変わり続ける、まるでトレンドのように

ハイブランドだって、ファストファッションブランドだって、今後の方針を大きく転換せざるを得ない状況に立たされています。
ブランドの現状が変われば、生産国の現状だって変わらざるを得ないです。

https://twitter.com/haruka_bangla/status/1282613765410664450

暗い内容で終わってしまい恐縮ですが、これがアパレル生産国の現実です。
この現状を打破するために出来ること、いまは限られているかも知れません。ただ、まずは知って頂くことから始まります。

「遠いアジアの国、日本にいる私たちには関係ない」と思われがちではありますが、全くそんなことはないです。
どうかこれを機に、アパレル生産国にもスポットライトを当ててみて下さい。
そして、洋服を選ぶ際のポイントとして”生産国に思いを馳せること”を入れて頂けたら、嬉しいです。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

飯塚はる香
About 飯塚はる香 29 Articles
“ファッションを通して世界をよりステキに”が、モットー。2013年〜日本で就職。某アパレルブランドのマネージャーとして神戸や吉祥寺などで勤務。2016年〜カンボジアへ移住。アパレル大量消費国の店頭から大量生産国の工場へと拠点を移す。2019年〜バングラデシュ在住。アパレル生産国で品質管理の仕事をしている。「国際協力×アパレル」の道で、生きていく。