私はこうして「複業」をはじめました。

こんにちは!アパレルキャリア論の吉田です。

今週はキャリアに関連する大きなニュースがありました。大手ITのヤフーさんが100名の副業人材採用に向けて動き出すというもの。今回のこのニュースは今後副業での採用ニーズを加速させる大きなきっかけになると見ています。
そして先週パラキャリスナックというオンラインイベント(パラレルキャリアを実践している方をゲストママとして迎える交流会)にご招待いただき参加してきたのですが、そこでも副業に関する関心の高さを感じました。

そこで、今回はパラレルキャリア実践者である私吉田が、どのように副業を始めたのか、そのきっかけやエピソード、良い副業とは?といった所をまとめていきたいと思います。

気持ちはゆる〜く、目的は明確に

私が副業を始めるきっかけとなったのは、前職で自身が企画した「ファッション業界交流会」がきっかけでした。
当時、ファッション業界専門の人材紹介会社に勤務していたのですが、私のスタンスとして単なる転職支援ではなく「キャリアデザインのパートナー」として長くお付き合いをさせていただくことを信条にしていました(もちろん今も変わらず)。例えば最初に転職相談に乗ってから、長い方だともう10年以上のお付き合いになる方もいらっしゃいます。

お会いをする最初のきっかけは転職相談であることが多いのですが、転職した以降も近況報告をいただいたり、時には社内におけるキャリアアップの相談やマネジメントに関するご相談をいただいたり、定期的にお会いをする方が多いんですね。

そうした相談をいただく中で、例えば販売職につく別会社の人同士をお繋げしたりすることも増えていったのですが、そうした繋がりから生まれた情報交換が今の職場でのヒントになったり、職場の人には相談できない悩みを共有できる友人になったりと、人との出会いによって人生が大きく変わるシーンを目の当たりにしてきました。

だったら、転職相談とは一切関係なく業界内の人同士が繋がれる場所を創ってあげれば、多くの方に喜んでもらえるんじゃないか。そして業界内に繋がりの多い我々だからこそそうした場を創る責任があるんじゃないか。そんな勝手な使命感をもって当時の社長にファッション業界交流会の起案をして、実行に移したんです。

結果として、このイベントは大盛況。毎回50名以上の方が参加するほどのイベントとなり、多くの新たなご縁を生むことができました。

この時の体験から、ファッションに限らず人と人が繋がる場所を創ろうということで会社の外でも友人とイベントを企画するようになります。
そのスタートが銀座の雑居ビルにあるスナックの居抜き物件を借りての招待制スナックイベント「蜃気楼」でした。ここはそのビルのオーナーのご好意で安く場所を貸してもらい、お酒は自分たちで用意をし、お客さんは自分たちが大好きな人だけに限定で声を掛け、開催は月に1日だけ、というとにかくゆる〜いノリで運営してましたが、狭い店内がいっぱいになるぐらい毎回大盛況のイベントでした。そしてこのイベントを通じて、人と人の繋がりが人を元気にさせるということを改めて実感し、イベントベースではなくお店を構えてそんな場所を創りたいと思うようになっていきました。

その結果が、今現在私が経営しているスナック「BANQUET CIRCUS 」です。

もっとやりたいことに素直に従えばいい

まさか自分が飲食店の経営を始めるなんて数年前の自分では想像もしていなかったんですが、社内で起案した交流イベントをきっかけに、その2年後にはお店を構えているんですから人生何があるかわかりません。笑

この出来事をきっかけに、
もっと自分の「やりたいこと」は素直に従えばいいんだ!
ちょっとやってみようかな…ぐらいのゆる〜い感じで初めてもいいんだ!
ということを学びました。

この勢いを元に、また新しいことを始めます。
今度は社会人だけでなく、学生のキャリア教育にも携わりたいという思いを行動に移し、学生向けのキャリアイベントに登壇し始めたんです。(むしろ自分で企画してやったものもあります)
こうした活動を見てくださって、文化服装学院からお声掛けをいただき非常勤講師として週1回の講義を担当することになりました。まさか自分が先生をやるとは…。スナック同様、思ってもみなかった展開です。

今はスナックも非常勤講師も2年目となり、 人材会社の責任者×スナックの経営者×学校の先生 という、なかなかにパンチの効いた掛け合わせのお陰で色々な方に声を掛けてもらえるようになり、新たな繋がりも増え続けています。

全てガチでスタートさせたわけではなく、自分の本業を継続しながら「できそうなこと」を「ゆる〜く」外での活動としてスタートさせているんですが、そこがポイント。
無理に始めようとすると続かなかったり、逆に追い詰められてしまったり、本業にも影響が出てきてしまい、本末転倒です。

ただ、どんなに小さくてもいいから、ゆるくてもいいから、一歩踏み出してみることで自分では思いもよらない新しい人生が待っているかもしれません。(この辺りは前回書いたこちらの記事にも繋がりますね)

良い「ふくぎょう」とは

最後に、良い副業について少しだけ。実はこの記事のタイトルだけ「副業」ではなく「複業」の字を使っているんですが、言葉の意味通り本業のサブ的位置付けである「副業」どれもが本業である(本業が複数ある)「複業」とでは全然効果が違ってきます。

副業はお小遣い稼ぎのアルバイトに近いものがあり、なかなかそれ以上に発展することは難しいという性質がありますが、複業はそれぞれの仕事が相乗効果によってより大きなリターンを生むことができます。
例えば私の場合はスナックに遊びに来たお客さんが人材事業のクライアントになったり、人材事業のクライアントに対して学生の情報も提供できるようになったり、学校の講義に人材事業で繋がった方を特別講師でお呼びできたり。それぞれが良い形で絡み合って成長しているという実感があります。

もちろん、お小遣い稼ぎの副業を否定するつもりは全くありませんが、本質的な複業の目的は自己実現やキャリアアップだと思うんですよね。どちらがより良い「ふくぎょう」なのかと言えばそれはもう明らか。

ぜひ将来の自分への投資にも繋がる「複業」を意識して、まずは一歩踏み出してみてはどうでしょうか。

それではまた次回!

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吉田直哉
About 吉田直哉 31 Articles
株式会社ALL IS NEW 代表取締役社長 大学卒業後バーニーズジャパンに入社。販売員としてキャリアをスタート。20代でリクルートへ転職しキャリア支援のキャリアをスタート。その後ファッション業界専門のヘッドハンターとして業界におけるキャリアコンサルティングに従事しつつ、Vice President、執行役員としてマネジメントを経験。 。累計転職相談者は1万人を超える。現在は株式会社ALL IS NEWの代表取締役としてファッション業界のキャリア支援、採用支援をしつつ、「人が繋がるを」コンセプトにしたスナック「BANQUET CIRCUS」の経営や、 文化服装学院の非常勤講師としても活動中。 ファッション業界関係者限定の招待制交流イベント「FASHION SNACK」もプロデュース。また出身地である福島県いわき市にて地方創生事業も展開。