バングラデシュの特徴について

আস্সালামু আলাইকুম! (アッサラーム・アライクム!)

みなさんこんにちは!バングラデシュよりハルカがお届けします!

トプセラ読者の皆さんは、販売の立場にいらっしゃる方が多いと思います。

私もかつては販売をしていました。当時は、自分のお店にどんな商品が並んでいるかは把握していたとしても、どのようにして生産されたか、ましてやどんな国から運ばれてくるかなんて、知る由もありませんでした。

生産背景に興味を持つ余裕すらなく、ただひたすら搬入されてきた商品をお客様にお届けする、そんな忙殺された日々を送っていたことを覚えています。

そんな状況の方も中にはきっといらっしゃると思うので、今回は、生産国に焦点を当てて、少しお話しさせて頂きたいと思います。

生産国を選ぶ、ということ

世の中には沢山のブランドがあります。奇抜なデザインによって一世風靡する伝説的なブランドもあれば、トレンドをつくるブランドもある。また、トレンドを市民レベルに流布させるためのブランドなどなど。それぞれの特徴があるかと思います。

また、川上から川下まで沢山の人が関わるという特徴のある業界の中で、デザインに重きを置いているブランドもあれば、生地や資材に重きを置いているブランドもある。

ブランドの特徴と、譲れないポイント、沢山の要素を含めて考慮し決定しなければいけないのが、生産国。どんなブランドでも、「生産国を選ぶ」という道は必ず通ります。

中国、ベトナム、カンボジア、ミャンマーなどなど、アジアの国々が、アパレル生産のキャパシティーを持っています。また昨今では、生産拠点をアフリカ大陸に移すブランドも増えてきています。選択肢は増える一方です。

生産国の特徴を掴む

生産国を選ぶ上で、特徴を掴む必要があります。ブランドに特徴があるのと同じ様に、もちろん生産国にだって特徴があります。

前回の記事で詳しくお話しさせて頂きましたが、世界で1番多く選ばれているのは、アパレル生産世界1位の”世界の工場”でお馴染み、中国です。そして第2位がバングラデシュ、第3位がベトナムという順位になっています。

この順位が前後することは暫くないとは思いますが、その選ばれる理由とそれぞれの特徴を解説させて頂いております。もし宜しければご覧ください。

生産国に思いを馳せてみてください

今回は、バングラデシュの特徴について、お話しさせて頂きます。

1. 大量生産
2. デニム
3. ジュート

上記3点に絞って、解説していきます。

1. 大量生産

生産について詳しい方にとっては言わずもがなとは思いますが、バングラデシュの1番の特徴として「大量生産」が挙げられます。大量生産とは、1つの商品に対して何千枚も何万枚も生産することです。

実は、バングラデシュの殆どの工場は、MOQ(最低発注数量)が1万着以上という状況なんです。主にヨーロッパ向けのファストファッションブランドですが、1型に対して何百万枚とオーダーが入るケースもあります。

バングラデシュで生産されるオーダーの殆どがそういったオーダーなため、「大量生産」は、特徴かつ得意技とも言えるでしょう。

中には、MOQを1千枚から対応してくれる工場もあります。ただ、かなりレアなケースであるという点を覚えて頂くと、バングラへのオーダーの際にも、目安になると思います。

2. デニム

バングラデシュは、デニム商材の生産が多いことも、特徴として挙げられます。素材自体は他国から仕入れるケースが多いですが、加工に関しては得意中の得意です。

デニムの生産工程はいくつかあります。染めたり、洗ったり、乾燥させたり、云々。他国の生産では、工程ごとの工場があり、メイン工場から外部へ委託されて生産を進行するケースが殆どです。一方、バングラデシュの場合は、全ての工程を同じ工場内で完結するケースが多いです。

同じ工場の敷地内に、染め工場/洗い工場/乾燥場が存在することで、移動のコストや時間を短縮することが出来ます。その分、工賃が安くなったりすることもありますので、オーダーする側にとっても、良いこと尽くしです。

レザー商品に関しても同様のことが言えますが、これはまた別の機会に。バングラデシュの文化的習慣や宗教的行事の事情も含めて、お話しさせて頂きたいと思います。ご期待ください。

3. ジュート

黄麻(コウマ)、インド麻とも呼ばれる、ジュート。見た目は、稲穂の様な、竹林のような、細長いものが連なって生えているという様子ではありますが、実は多くの素晴らしい特徴をもった黄金の繊維なのです。

https://twitter.com/haruka_bangla/status/1286214157797224448

通気性が良く、保湿性も良いという、とても都合の良い繊維。植物由来なので、伸縮することもなく、汚れてもあまり目立たない。そして、自然に還ることが出来るという、まさに今のトレンドを掴む、必要とされる繊維なのです。

実はバングラデシュ。インドに続き、世界第2位のジュート生産国です。国内で加工するケースはまだあまり多くはありませんが、繊維の生産国として、世界中に取引先を持っています。

ジュートを使用した商品としては、靴のエスパドリーユやカゴバッグなど、主にサマーシーズンのものとなります。ファストファッションブランドはもちろん、イブサンローランやシャネルなどのハイブランドも、毎年新作を出すほどの商品なのです。

言われてみれば持っていた、そんな存在感の薄い繊維ではありますが、立派に世界中で活躍しています。そんな繊維も、バングラデシュ発です。

いかがでしょうか。アパレル生産世界第2位のバングラデシュ。特徴、得意分野、挙げ始めると実は沢山あるんです。

人件費の安さばかりが各国間で比較されがちですが、その国しか持ち得ない貴重なポイントも考慮し、生産国の特徴を捉えてみてください!

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飯塚はる香
About 飯塚はる香 29 Articles
“ファッションを通して世界をよりステキに”が、モットー。2013年〜日本で就職。某アパレルブランドのマネージャーとして神戸や吉祥寺などで勤務。2016年〜カンボジアへ移住。アパレル大量消費国の店頭から大量生産国の工場へと拠点を移す。2019年〜バングラデシュ在住。アパレル生産国で品質管理の仕事をしている。「国際協力×アパレル」の道で、生きていく。