偶然を引き寄せる能力

皆さんこんにちは。アパレルキャリア論の吉田直哉です。

10月は人事異動が多いタイミング。私のクライアントからも異動のご挨拶メールや体制変更を知らせる連絡が多く届いています。皆さんの中にも変化があった人もいるかも知れませんね。動きがあった方もそうでない方も、心機一転新たな気持ちの切り替えのチャンスでもあります。ここから残りの下半期をどう過ごすか。ぜひそれぞれの思いを胸に前に進んでもらえたらなと思います。(私もこの半年で新たに大きなチャレンジをしようと準備を進めてます!)

さて、私のTwitterをみていただいている方はご存知かも知れませんがTERAKOYA onlineというオンラインサロンを主宰してまして、毎月ファッション業界の第一線でご活躍されている方をゲストにお招きし対談形式でその方の仕事やそこに至るまでのキャリアストーリーを紐解いていくイベントを開催しています。

前回ゲストでご参加いただいたのが私の新卒同期であり公使共に長くお付き合いさせていただいている友人の坂下康平さん。彼も私と同じく販売員からキャリアをスタートさせ、一度他の業界を経験したのちにファッションの世界に戻り、現在は海外ブランドの販売代理店を中心とした事業で経営者として活躍されています。本来であればオンラインサロン限定での話ですが、彼の話は改めて非常に参考になる要素が散りばめられていたので今回特別にトプセラ の中でもご紹介と思います。

経験がないことを言い訳にしない

英語、イタリア語を駆使しながら世界を相手にビジネスをしている坂下さんですが、元々語学ができたわけでもなければ、前述の通りアパレル販売以外に経験したことがなかった。彼曰く「たまたま偶然」が重なって今に至るとの話でしたが、「引き寄せた偶然」だなと思いながら話を聞いていきました。

細かい部分は端折りますが、販売員を退職後は一度法人向けの不動産営業の世界に足を踏み入れます。その中でたまたま偶然アパレル業界の社長から問い合わせがあったそうです。バーニーズ時代はドレス担当として販売経験を磨いた彼。お客さんに合わせてバリバリのスーツスタイルで営業に向かいます。するとそれがお客さんの目に留まり、営業先で出会ったそのアパレル会社に移ることになります。

転職後は未経験でのアパレル営業として新たにキャリアをスタートさせるわけですが、語学もできない状態のまま海外出張に帯同し、それが故に海外では悔しい対応をされることもたくさんあったそうです。そんな海外での経験で強く感じたのは「主張することの重要性」。語学が話せないということ以上にこちらの主張を伝えられないとビジネスにならないと痛感させられたそうで、その時から常に「今度会った時はこういうことを伝えたいな…英語で言うとどうなるかな」ということを考える癖がついたと。その積み重ねの結果、国籍も語学も超えて堂々と海外とビジネスできるまでになったと話してくれました。そして驚くべきことに英会話などに通うこともなく、いわゆる「英語を勉強する」ことはしてこなかったと。

これらのエピソードから読み取れる点は2つ。

①ファッションをビジネスツール(プレゼンテーションツール)の一つとして自分らしさを表現した

②悔しさをきっかけに「目的」のために英語を身につけた(自然と学ぶことを習慣化させた)

どうですか?皆さんも頑張ればできそうな気がしてきませんか?

それでは次の章ではその後のキャリアと友人として私吉田が客観的に感じてきたことをお伝えしたいと思います。

やるか、やらないか

営業としても未経験での挑戦。ただ、彼にとってはそこは大きな障壁にはならなかったそうです。なぜなら販売の時と同様にお客さんと接し提案をするということには変わりがないから。ただ、そうは言ってもお店で待っていればお客さんが来てくれるという状況ではありません。新たなお客さんの開拓も自ら動いてやっていかなければいけない。販売と営業の違いはこの点にあります。より能動的な営業スタイルが要求されるんです。

ただし彼は持ち前のフットワークの軽さと提案力、話の面白さでどんどん顧客とも良い関係を築いていきます。

そんな中で大事にしてきた点は大きく2つだと話してくれました。

一つ目は「とにかく即レスでお誘いにはすべて乗る」こと。

これは私もいつも関心させられることなんですが、どんな誘いに対してもとにかくレスポンスが早い。そしてほぼほぼ断らない(予定が合いさえすれば、ですが)。私も仕事柄多くの方とコミュニケーションをとりますが、私の知る中で一番反応が早い。これってものすごに信用に繋がるんですよね。そして次回もまた誘いたくなる。常々「これがお客さんにも愛される理由だな」と感じてます。

もう一つは「引き受けたことは絶対に成果にこだわる」こと。

先ほど誘いはほぼほぼ断らないと書きましたが、「成果」として答える事が難しそうな案件については勇気を持ってお断りすることもあると。ただし、例え一度断ったとしてもそれまでに積み上げてきた信用が大きさと誠実な向き合い方が伝わるのでその後も彼を頼っての依頼はつきない。

どうでしょうか?ここまでお伝えした内容は能力の問題じゃないですよね?「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」の世界の話。意識さえすれば今この記事を読んでいる皆さんができることだと思います。

こうした積み重ねの結果、例えば「何かをお願いしたいな」と考えたときにお客さんの脳内には坂下さんが上位表示されるようになっている。まさにリアルSEOですよね。そして前述の通り彼はとにかく話も面白い。これは「教養」だなと思います。普段からいろいろなことに関心を持つこと。そして知ること。そうしたことも習慣化されているからいつも話が面白い。そして面白さは人を惹きつける最強のコンテンツにもなり得る。

期の変わり目である今こそ、日々の意識と行動を変えるチャンスです。この記事を読んだ後にたった一人でも日々の意識と行動が変わってくれたら嬉しいな。

それではまた次回!

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吉田直哉
About 吉田直哉 31 Articles
株式会社ALL IS NEW 代表取締役社長 大学卒業後バーニーズジャパンに入社。販売員としてキャリアをスタート。20代でリクルートへ転職しキャリア支援のキャリアをスタート。その後ファッション業界専門のヘッドハンターとして業界におけるキャリアコンサルティングに従事しつつ、Vice President、執行役員としてマネジメントを経験。 。累計転職相談者は1万人を超える。現在は株式会社ALL IS NEWの代表取締役としてファッション業界のキャリア支援、採用支援をしつつ、「人が繋がるを」コンセプトにしたスナック「BANQUET CIRCUS」の経営や、 文化服装学院の非常勤講師としても活動中。 ファッション業界関係者限定の招待制交流イベント「FASHION SNACK」もプロデュース。また出身地である福島県いわき市にて地方創生事業も展開。