ビジネスレベルの語学力とは?実例から見るリアルな身につけ方

皆さんこんにちは!
アパレルキャリア論担当のマリです。

これまでは隔週土曜日担当でしたが、今月から毎月7日に「アパレルキャリア論」を投稿していきますので、引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします!

さて、今回のテーマはビジネスレベルの語学力です。
この仕事をしていると、「具体的にビジネスレベルってどの程度を指すんですか?」「TOEICは関係ありますか?」などのご質問をいただくことが多くあります。
読者の方の中にも、まさに語学を勉強中という方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は実例もふまえながらお届けします!

一般的に言われるビジネスレベルの語学力とは?

トプセラ読者の方には、ファッション業界の販売員さんも多いことと思います。
さて、質問です。
「あなたの英語力(または中国語など、母国語以外の語学力)は?」と聞かれたら、みなさんどう答えるでしょうか?
店頭で、外国籍のお客様とジェスチャーを交えながら単語でなんとか意思疎通が図れる程度でしょうか?それとも、クロージングまで完璧にこなせるのか、クレーム応対まで誠心誠意対応できるレベルでしょうか。
イメージしやすいように店頭を例に出しましたが、ここで言うとクレーム対応に何の問題もなく、スムーズに解決できるレベルがビジネスレベルと思っていただければOKです。
クレーム対応となると、まずはお客様が何にご不満を抱いていて、どういう対処を求めるのかを把握し、それに対してのお詫びや代替提案など、ニュアンス含め高いレベルでの理解力、会話力が必要となりますよね。
要するに、ビジネスレベルの語学力とは、イレギュラーな状況であっても状況を正しく理解、把握した上でその場に合わせた会話を一人で問題なく対応できるレベルを指します。

上記は販売のシーンに置き換えていますが、具体的には英語(または中国語など)での面接が可能か、英語でのプレゼンテーションで質疑応答なども含めて対応ができるか、この辺りがクリアであれば一般的にビジネスレベルと呼んで問題ありません。
面接となると、これまでのキャリアなど事前に準備ができる内容以外に、こんなケースにはどう対応するのか?など、その場で面接官から次々に予期せぬ質問が繰り広げられるため、ある程度の語学力が必要となります。
よく、店頭では特に問題ないレベルです、という方も、いざ英語面接となるとそれは難しい、、、と言う方が多いです。
面接で自分の意思表示をしっかり出来るレベルなのか、を参考にすると良いでしょう。

TOEICは関係あるの?

現在は楽天などの日系企業においても、社内公用語は英語と定められている企業も増えていますね。
楽天のように、正社員はTOEIC800点以上と明確にスコアで判断する企業もあります。
しかし、ファッション業界は具体的にTOEICスコアを置いていない企業も多いです。(イメージとしてTOEIC800点以上、などの記載がある場合も。)
明確にスコアが出ていないということで、エントリー自体の窓口は開かれているようにも見えますが、応募時にビジネスレベルの語学力を求めるということは、実質業務において本国とネゴシエーションしたり、プレゼンしたりなど、日常的に英語を使用することとなります。
そのため、TOEICスコアの目安がない場合には面接が英語である場合が多く、面接にて語学力のジャッジが入ります。
また、高いスコアを持っていても文章読解・作成だけでなく会話レベルがどの程度なのかを重要視する企業も多く、スコアに関係なく会話レベルを判断材料にする場合も。
いずれにせよ、語学力が必要とされる業界や企業などに興味がある場合には、現時点でのレベルを把握するためにも受けておくと良いでしょう。

留学しなくても語学は身に付けることが出来る

よく、販売職からのキャリアチェンジでバックオフィスに行きたいので、そのために海外に語学留学をして英語を身に付けてから転職したいと、退職後に語学留学というケースも見られます。
しかし、正直にお伝えすると数ヶ月や半年、1年程度の留学でビジネスレベルの語学力を身に付け帰国された方、語学を武器になりたい職種へと転職された方を、ほとんど見たことがありません。
語学留学では留学先に日本人も多く、完全に日本語を使わない環境を作れる人は多くありません。
また、留学とはいえ退職しているため、帰国後に転職市場がどうなっているか保証もないのです。

私がこれまでお会いした方の中には、学生の頃含め留学経験なくビジネスレベルの英語力を身に付けて社内異動で英語必須のMDやVMDにキャリアチェンジした方も複数いらっしゃいます。
その方々にどうやって語学力を身に付けたのかとお聞きすると、皆さん日常的に英語に触れ合う機会を自ら作り出しています。
今ではワンコインでオンライン英語レッスンが受けられる時代ですし、学ぼうと思えば国内でも十分力を付けられます。
中には外国籍のパートナーと同棲して飛躍的に語学力が伸びたという方も。これが一番早いとも言われますよね(笑)
昨日の吉田直哉さんの記事でもありましたが、普段から英語に触れて、こういうシーンに英語では何と表現するんだろう?など日常的に英語脳を作り、諦めずにコツコツ習得してビジネスレベルを身に付けた方もいらっしゃいます。
これも吉田さんの記事と重複してしまいますが、要するにやるかやらないか、ですね。
留学経験がないから英語が話せない、外国籍の友人がいないから上達しない、は言い訳にしかならないほど環境は変わっています。
語学は勉強すれば誰でも身に付けられるものです。
特に店頭では流暢に話せるスタッフが少ない場合、ある程度話せるだけでインバウンドのお客様全てを自身のお客様に出来る可能性もあり、身に付けておくに越したことはないと思います。
(そういう私も販売員時代はインバウンドのお客様が来たら1人で対応していたため、だいぶ売上の助けになっていました。)
これまでやろうと思っていたけどなかなか取り組んでこなかったという方がいれば、これを機に是非語学に触れてみてはいかがでしょうか?
販売力同様、きっとあなたを助ける武器の一つになるでしょう。

それではまた次回!

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鶴戸茉利
About 鶴戸茉利 28 Articles
宮城県仙台市出身。 新卒で外資系イタリアブランドに入社。販売員として複数店舗で勤務しトップセールスとなる。 その後ファッション業界専門の人材紹介会社で主に外資系ラグジュアリーブランドのヘッドハンターとして転職支援を行う。 現在は株式会社ALL IS NEWの執行役員として、人材部門の責任者を務めている。 その他、文化服装学院の講師業、コミュニティスナック「BANQUET CIRCUS」のママ等、幅広く活動中。