こんにちは中溝です。
最近は「うにさん」「くまちゃん」「うに姐」などちょっと資本主義で生きているとは思えぬあだ名が増えてきまして、私って人間だよな?ということを都度相手に確認しなくてはならない状況です。それに加えて「夏休みにネットの中でバトルするあの映画のリスに似ている」とか「収穫が快感のあのゲームアプリのきのこに生き写し」などどんどん人間から遠のいている感じが否めません。
とうとう取引先すらも、「げっ歯類!げっ歯類!」とお腹を抱えて笑う始末なので、傷心で買い物をしながら、私を人間として捉えてくれるのは販売員のみなさんだけなのでは・・・という気持ちになっています。
私は無類の文章好きで、最近は電子書籍だろうと本だろうとweb記事だろうと毎日十数記事、本なら1冊は目を通すようにしています。本とネットはげっ歯類もくまもうにも平等に受け入れてくれます。最近読んだ雑誌で、このTopseller.Styleさんにぴったりだな!と思ったのが今月号のBRUTUSです。
表題は「忘れられない買い物」
銀座で一番スーツを売る男とか、買い物が楽しくなるお店とか、買い物の面白さをまるっと一冊特集してくれています。
ファーストリテイリング・柳井社長が「情報製造小売業(=DIGITAL CONSUMER RETAIL COMPANY)」を目指すと宣言しましたが、そんな最中において「クリック一つじゃ売りません」なんていうロックなコーナーもあってとっても面白かったです。
ECをEコマなんていう時代もあったと思いますが、数年前に比べて、程度問題こそそれぞれでも、ECにまったく手をつけないという企業さんも少なくなってきました。
DEGITAL=ECではないですしテクノロジーは進化し続けます。テクノロジーはあくまで手段なのでそれを使って何をするかが問題なんですよね。
小売にとってECは必要条件?
ECは小売業であるための必要条件なのかというところですが、一概にそうでもないというのが個人的な意見です。日本あるあるでよく言われますが、日本は基本的に「右向け右の社会」で、他がやっていることをやっていなかったら、だからだめなんだと叩かれがちです。
でも先の雑誌の特集にもあった「クリックだけでは売りません」というポリシーはいまこの時代にとても新鮮に見えます。その記事の一つがサザビーリーグを代表するロンハーマンについてなのですがその中に「私たちは買い物という体験を売るお店です」という言葉があって、さらに「ECをやるとしたら?」という問いに対して「他がECをやらなくなったら始めるでしょうか」とおっしゃってました。この考え方はある視点から考えると古いかもしれませんが、またある視点から見るとロンハーマンというショップの「ブランド」らしさも見えてきます。コンセプト色が強いお店ならではの顧客との関わり方だなぁと。セレクト商品が主なので、コンセプトが薄まると競合がドサっと増えたりするのかもしれないと思いました。
タッチポイントを決めるのは確かにお客様側ですが、「売り方」や「お客様との関わり方」は企業側がブランディングの一環として提案できるということを忘れてはならないぞ、と勉強になりました。
手持ちの服から適切なサイズを探すことができるVIRTUSIZE(http://virtusize.jp/)があらゆるブランドに導入され、sensy(http://sensy.jp)でAIスタイリストがオススメアイテムを提案してくれる。こんな世の中は、iモードが出た1999年には想像できませんでした。ITが先を走り様々な提案をしてくれているので、わたしたちもそれをどう取り入れ、何を選び、ブランディングに活かしていくかが重要なのだと思い知らされます。
手持ちのカードを増やし、どう切るか
テクノロジーは進化し、嗜好はあらゆる方向に分散してきました。ネットに繋げばあらゆる人たちに情報を届けられるし、わたしたちには様々な選択肢が与えられています。
この数年で買い物の仕方、ものの売り買いの仕方があっという間に変わってしまいました。
ゲームのルールが変わっていくのに、手持ちのカードが昔のままでは戦えないことに22歳くらいで気がつきました。
新しいカードを用意してくる必要があるかもしれない、カードの切り方を変えないといけないかもしれない。なんかカッコ良さそうなこと言い始めてますが、さっきまで映画マリアンヌを観て号泣してたので化粧ボロボロなんですけど。(いま飛行機の中です)
手札をどう切るか。
それは個人でも企業でも同じで、わたしたちはいつも自分が獲得してきた手札を駆使して戦っているんだなぁと思い知らされます。
わたし自身はECも実店舗もどちらも利用します。(服はあまりECを利用しませんが…)どちらにもやる意義があるならやはりやるべきです。
でも、実店舗を大切にして育てている企業さんもあることに今回とてもワクワクしました。販売員の手を通して受け取ることができる買い物の真髄!
ECや実店舗を駆使して、「買い物は楽しい」ということを伝えていけたら!と思います。