「デザイナーであればこそ経営もする。」
メトロポリタン美術館での展示をきっかけに、コム・デ・ギャルソンの川久保玲さんが注目を集めているここ数日。冒頭はその川久保さんの言葉で専門学生時代からなんとなく胸に刺さっています。
「デザイナーが経営者目線を持つこと」と「経営者がデザインの重要性を認識すること」は問題の裏表のように語られる表題かと思います。
先日、この言葉を想起させるニュースが目にとまったので先日しっかり読んでみました。
記事はこちらから( https://unleash.tokyo/2017/04/26/goodpatch-raise-400m-yen/)
内容は株式会社グッドパッチが資金調達に伴ったインタビュー記事で、「デザイナーの経営者目線を培い経営部門とビジネス感覚をもって渡り合えるデザイナーを育成することで、予算組の段階でデザインへの予算を組み込むことができるようになり、企業にデザインをインストールし(=企業にデザインのカルチャーを組み込むことで)日本のデザイン業界のマーケット規模を広げていきたい。」
というような記事でした。
川久保玲さんの言葉となると、とてもクリエイティブ色が滲み出て、なんとも美化されてしまうのは私だけでしょうか・・・・。過去成し遂げた偉業をずっと語り聞いてきたので、世代的にタイムリーな感覚がないからかもしれません。それがグッドパッチさんの資金調達、となるととても現実味帯びてきます。しかも相手が金融ですからね、とてもリアルです。
今回は経営企画まで入る企画・デザインの目線で、この問題を考えたいと思います。
デザインだけではものは売れない
デザイナー自身はこれを認識すべきなのかもしれません。
(とはいえ、「デザインだけで売っている」場合もなくはないと思うのでそのジャッジはおまかせします・・・。規模感はわかりませんが。)
しかし、この「デザインだけではものは売れない」を意識することが、経営者目線を持つ一つのとっかかりになるのではないかと思います。
「デザインをすること」と「売りたいところに売る」までは一直線上にありますし、経営者目線で見るとその際のコストの分配、人のリソースの割き方など問題は山積みです。
何か商品を作る際に、「デザインすること」だけをフォーカスしてみるのと、広報・人事・営業・製造など他部門他分野までを俯瞰してみるのとでは、その後の組織内での人間関係もそれこそ経営陣への意識も自然と変わってきます。
こちらの意識が変われば、経営部門の意識も変わってきます。相手は自分の鏡だーなんていう言葉もありますが、まさにそんな感じ。
グッドパッチさんの記事でも書かれていますが、私も「経営部門にデザインの認識をしてもらう」には「経営目線をもったデザイナーを育成する」ことが大切だと思います。
つまり、企業の方向性のジャッジを行う経営というフィールドに、まだまだ日本のデザイン・企画職は立てていないと考えることもできます。それもどんどん変わってきているので今後がとっても楽しみですし、私ももっともっと頑張っていきたいです。
「認識してもらう」のではなく「認識させる」
(すごい偉そうな小見出しになってしまった・・・。怒られるかもしれない・・・。)
このことは、自分でフリーランスになって感じたことでもあるのですが、まず外注なので経営なんか蚊帳の外もいいところなんですけど、経営部門のジャッジにメスを入れないと「こりゃまずい」のでは、というシーンにおいてなんの影響力もない。そうすると結局悲しいこと(売れない・誰かが大損をするなど)になることもなくはない。
でもそのときに「認識してくれない!」「あの会社はわかってない!」なんて怒っても、もうフリーランスだし、一人だし、個人事業主だし、そもそもチキンだしまあまずなにも起きません。
そのワザマシンでは何も起きないんですね。
なんとかして経営陣の視界に入ることから始めなくてはならないんです。そうです。「認識させてやる」んですね。どんな手を使ってでも。
認識してもらうのを待っていて、そうしてくれる人もいます。すごく優秀なマネージャーだったり、デザインやその分野に深かったりするとそういうケースもありますが、経営者も人間、自分も人間。
自分の手持ちのカードにないものは目に入りにくい点もあります。
そういうことを考えれば、デザイナーは自らデザインの価値を認識してもらうため、自らがそのフィールドまで近づくことが大切なのではないでしょうか。
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