MERYの件、過去記事は一切使用しないから「ブランド」を使いたいのかと言えばきっとそうじゃなくて、単純にドメインと各種SNSアカウントをそのまま使いたいんだろうね。その良し悪しは別として、ウェブメディアの財産は「記事」じゃなくて「各種SNSアカウント」だって証明された感ある。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) August 3, 2017
キュレーションメディアのMERYが復活するという事で話題になっております。上記はファッションスナップにもブログが掲載されている方のツイートですが、メディアの財産はブランド力や記事ではなくソーシャルアカウントだと言われています。個人的にはこれがずれていると思っています。(前提が推測なのに何で証明されるんだろうか…。)ではMERYというブランドには価値がないのでしょうか?
MERYってそんなにネガティブな印象持たれてる?
職業柄、僕の周辺にはファッションが好きな若い学生さんが多くおりますが、MERYの事件があった後にMERYの悪口を言っている人を見た事がありません。(ヒアリングまでしました。)彼女たちのリテラシーが乏しく、問題の重要性をしっかり認識できていないという事もあるのでしょうが、世間の認識などそんなものです。
むしろ今まで見れていたかわいい写真を見れなくなった事に悲しみを感じている人が多数で、極端なお話、パクリだとかプロバイダ責任制限法だとかはどうでもいいのでしょう。つまり多くの一般ユーザーからしてみればMERYにネガティブなイメージなどそれほどないのでは?と考えます。そもそもソーシャルアカウントも「誰が」発信しているかが重要であり、MERYが発信するから意味がある。それは =ブランド力なのではないでしょうか。
こういった認識の差というのは往々にしてあります。例えばアパレルブランドであるならブランド運営側は、自分たちのショップの入店客数の多くが自ブランドを知ってくれていると錯覚しやすかったりしますが、実はそうでもない。お客はそれほどブランドを認識してくれている訳ではなく、顧客名簿に名前のある方でもそのブランドの読み方を知らないケースもたまにあるのです。ただただその人の生活圏にショップがあるから寄っているという方も多いのではないでしょうか。
客観視する事の重要性
僕が教えている学生さんによくする質問で「好きなブランドは何か?」というものがありますが、一番多い回答は「特にない」なのです。ちなみに「よく買うブランドは?」ではGU、ユニクロ、H&Mという回答が非常に多いです。ブランドの認知度なんてそんなもので、自分たちで思っているほどネガティブにもポジティブにも捉えられていないものです。客観的に物事を見るのがいかに難しいかがわかります。
これからのファッション業界を担う若い学生さんたちは、この事実をしっかりと客観視し、逆に認知してもらえるブランドは何か?を考えてほしいですね。