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ライフスタイル提案型ショップという言葉が当たり前のように使われるようになってから数年経ち、上記のようなニュースを見る事が日常的になっています。
しかし、一口に「ライフスタイル提案」と言いましても100人、人間がいれば100通りのライフスタイルがあります。この「ライフスタイル提案」が一体何を指しているのか、非常に違和感を感じております。(ライフスタイル向けという言葉も意味わからん。。)
ですので、本日の授業は「ライフスタイル提案」型ショップについてです。
そもそもライフスタイル提案型ショップとは?
少々古い記事ですが、上記から一部抜粋しますと、
2013年に目立った傾向の1つに、服単体を売るのではなく、ライフスタイル全体を打ち出すショップやブランドの台頭が挙げられる。有力セレクトショップがライフスタイル提案を重視した新ショップを相次いで開き、西海岸テイストを売り物にするショップが支持を得た。着て過ごす「時間」を印象づけたり、価格のこなれた小物・雑貨での集客が見込めたりといった点で、ライフスタイル提案型のショップやブランドは消費を誘う力が期待され、14年以降もこの勢いは続きそうだ。
という事で、「服単体ではない」「着て過ごす時間を印象づける」「小物・雑貨の展開」あたりがキーワードでしょうか。
言っている意味はわからなくはないんですが、
「ファッションとはそもそもライフスタイルを提案するものではないのか?」
と思うのです。
わざわざ「ライフスタイル提案型」なんて事を謳う必要がある事自体が不思議です。
ビームスもユナイテッドアローズも、過去から顧客のライフスタイルにフォーカスしサービスを展開してたはずですから。
以前に僕が管理していたショップの店長さんのお話を聞いていますと、顧客管理を徹底しており、その顧客がどのような生活をしているか完全に把握していて、どの場面にどんな服を着ていけばいいのかをちゃんとおススメできていたんです。
具体的なライフスタイルの1場面、そこに合ったお洋服の提案。これって「ライフスタイル提案」になってますね。
つまりショップ全体で提案してなくても、以前から販売員一人一人が顧客それぞれに「ライフスタイル提案」をしていた訳です。
ライフスタイル提案型は販売力の低下が招いた?
これがショップで提案しなければならなくなった背景には、顧客管理が甘い販売員が増えた事が背景にあるのではないかと。
ブランドとして、ショップとして一つの固まったライフスタイルを提案すれば、接客の部分でリスクヘッジになります。
例えばジェラートピケというブランドがあります。このブランドはコンセプトが「部屋着」と固まってますから、着用シーンが決まっており、ほとんど接客が必要ないそうです。メンズ・レディース・キッズとありますから、極端に言うと「プレゼントかどうか」だけヒアリングすれば大体はOK。店としては非常に楽に売上が取れますね。
「どのような」ライフスタイルを提案するかが重要
ジェラートピケくらいかっちり着用シーンが決まっていればいいのですが、多くのライフスタイル提案型ショップでは具体的な着用シーンがイメージできるものが少ないように思います。
ただ単に雑貨の割合を増やした。カフェを併設した。なんて事で集客が増えたら誰も苦労しません。まずはこの「どのような」を
つきつめ、それが顧客に刺さるかどうか、そしてスケールするかどうかを考え、出店ロケーションも含めて展開しなければ
市場に出回る「なんちゃってライフスタイル提案型ショップ」がこれからもどんどんと増える事でしょう。そうならないよう、ショップとブランドを日々見直していきたいものです。
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