バズワードに踊らされるファッション業界

しまむらのシステムは「EC」ではなく、疑似ECと呼ぶべき

メディアも業界も「トレンド」に流されやすいことが最大の特徴である。いくつかの「トレンドキーワード」があるが、Eコマース(EC)はその一つである。これを「ちょっと匂わせる」だけで大きく報道してくれる。

Topsellerメンバーの南充浩氏のブログから抜粋。本題とは関係ありませんが、ファッション業界では所謂この「バズワード」に業界全体が踊らされているのでは?という風潮が一部で見られます。上記の「EC」もそうですが、流行りに乗っかって、でも飽和して埋もれている感じが否めません。特にECは販路の一つに過ぎず、問題はコンテンツなのにそこはおざなりだったり。

 ※バズワード…特定の期間や分野の中でとても人気となった言葉のこと

ここ最近良く聞くバズワードを数個あげてみますと、

 

①エシカル

「エシカルファッション」という言葉を頻繁に目にする今日この頃。「エシカル=倫理的な」という意味で、よく大量生産・大量消費に対するカウンターとして使われています。一例をあげますと、東南アジアの縫製工場で働く人たちは大量生産によって、劣悪な労働環境を余儀なくされています。それを緩和する為に、ちゃんとした工賃を支払えるような金額の製品作りをしたり、古着を活用したり、いいものを長く着るようにしたりといった活動が中心になります。

 

②サステナビリティ

サステナビリティとは持続可能性という意味。上記のエシカルとセットでよく使われます。大量生産・大量消費の世界では上記の労働環境を始め、環境に与える負荷、大量のゴミ問題があります。これらを解決し、持続可能なビジネスを構築する動きを指したりします。H&Mがこのワードを頻発していますが、もはやブランディングの為のワードにもなっているかと。

 

③エコファー

これは今シーズンになって本当によく見かけるようになりました。まあ所謂フェイクファーなのですが、フェイクというワードがネガティブな印象がある為、このような言い回しが好まれたのではないかと言われています。特にステラマッカートニーというデザイナーが過去からずっとリアルのレザーやファーを使用していないのですが、それがここに来て更に広まった感があります。

3点ほど挙げましたが、上記で共通しているのは全てCSR(企業の社会的責任)の観点です。これって非常に重要で、企業が活動する上で社会貢献は欠かせないものなんですが、実は見返りがあるからという事を忘れてはいけません。企業のイメージが良くなれば信用力にもなります。ただ、あまりにも安易にバズワードに手を出しすぎて、他の部分が形骸化していないか?という疑問もあったり。

これからブランドを作りたい、発信していきたいという若い方々におかれましては、バズワードを使用する際には十分にご注意を。

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深地雅也
About 深地雅也 155 Articles
株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。