業界の垣根が消えるとき

「フォーエバー21」原宿の日本1号店が閉店 

(fashionsnapより)

完全に余談から入る新しいスタイル。

ファストファッション台頭期とも呼べるこの時期に、私はファッションの専門学校生になったわけです。とても感慨深い。

まだDC台頭期の名残を引きずったかのような文化の中でファッションビジネスを学んだわけですが、もう1周くらい時代が回ったのか〜としみじみ思ってしまいました。え、もうそんなに経った?泣きそう。

現状、Forever21がなくなる、H&Mがいまいち、ということはあれど、「ファストが終わる!DCがくる!」という安易な話ではなく、国内に関して言えばそのゾーンはGU、ZARAが取って代わったと言っていいかもしれません。

GUを持つファーストリテイリング(FAST RETAILING)、10月12日に柳井社長が登壇した決算会見のコメントは、やっぱり他のアパレルからは汲み取れない凄みを感じる部分もありますが、この部分が特に気になりました。

われわれは激変する時代の中で、どのような企業になりたいのか。本格的なグローバル化、デジタル化が始まります。これは全世界、全産業、全業態で、世界各地で同時に始まって、あらゆる産業に影響を及ぼしている。これは国境の概念とか企業とか、業界の概念を超え、人、モノ、情報の動きが激増し、人と人、物と物、人とモノ、そして情報が綿密につながり、製造業、流通業、サービス業といった業界や業態のボーダーが消滅していくということ。–https://www.wwdjapan.com/493754

企業間のプチマクロ経済で考えると自分たちには現実味のない話に感じることもあるかもしれません。でも、きっと個人にも当てはまるのだろうと思います。

 

垣根が消える?

アパレル・ファッション・webなど業界の垣根が消えていく。

これはもうすでに起きていることで、日々の生活の中で体感できる部分です。

垣根が消えるというよりも、テクノロジーがインフラ化されるにつれ、そこに参入できず、享受するのみとなった業態は技術に従属する形になるとも言えるかもしれません。

受け身になれば衰退するという言葉は噛み砕くと上記のようなことなのかなと仮説が立ちます。

ユーザーの要望の先を読むこと、「いまこのライフスタイルなら、次に発展しつつあるこれが求められるはず」という算段が立つことができないなら、先出ししてくれた業界に追随するしかない。

垣根を越えるというよりも、垣根を越えられてきていると考えるのが正しいかもしれません。

 

業態がそうなら、個人だって。

そういう業界の流れが見えてくると、自然と考えはそこで働く人々に行き着きます。

業態の垣根が無くなっていくなら、職種の垣根もなくなっていくのでは?

AIに仕事を奪われるのはブルーカラーではなくホワイトカラーだ。なんて話も出てきていますが、職種の消滅もキーワードの一つですよね。

技術職だからどうこうとも言ってられないかもしれない。

少なくともいま時代の先頭を走っているのはアパレルじゃなさそうで、いま先頭車両でなにが行われているのか全く見当もつきません。じゃちょっとまずいなあと自分のお尻を叩き続けています。(痛い)

それならそれでいいやあ、というのもアリだし、生粋の楽天家であるわたしは、なんとかなるっしょも理解できます。

でもやっぱり自分がユーザーならワクワクしたいし、楽しみたい。自分たちの業界外の人たちがお客さんとなりうるわけなので、先頭車両を走る業界の人たちも、やっぱりお客さんなんですよね。

そこを「わかんないから」でスルーしちゃうと、いつの間にやら先頭の人たちが面白いこと始めちゃって、あれよあれよと時代が通り過ぎて行っちゃうのだけは悔しい。(勝手な感情

やっぱり垣根をなくすなら、食われる形ではなく協業でありたいし、そうするにはどうするべきかをふむふむと考えています。

 

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中溝 雪未
About 中溝 雪未 69 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。