同じモノでも、”ここで買いたい!”を生み出すために

先週はインフルにかかりながら仕上げた仕事がアップしたり

新しい企画が行き詰まったりなどしていてリサーチに出かけたりなど街をうろついておりました。

それにしても!

それにしても某ファストファッションのデザインを頂戴するスピードというか

なんというか本当に早いですね!!!!!

いや、わたし驚いてしまいました。

ビッグメゾンのコレクションをそのまま・・・というのはいままでもやっていましたが

「え!?ここ!?」というブランドまでしっかりリサーチ済み。

本当に頭が下がります。

 

デザインの権利

これについてはルブダン筆頭にビッグメゾンでも争われるところですが、

現状の我が日本含め諸外国の意匠権や特許、関連する判例を見るに、わたしたち企画・デザイナーは相当なことがない限り”デザイン”という表層上の部分では争いにくいのでは。と感じています。

真似をすることがいい、

とは言っていませんが、ある種デザインとは大衆にまで届いた瞬間から一気に消費される側面もあるということを、わたしたちは認識しておかなくてはならないと感じています。

それは企画の手法にも言えることですが、あるデザインが業界用語で言うところの”マス落ち”する時、デザインの消費は一気に加速していきます。

そこで「価格をやすく作られたら敵わないじゃないか」

というとき、わたしたちは少し視点を変えなくてはならないなあと、感じています。

企画もデザイナーも、販売も、営業も経営者も。

 

どこにポジションをとるのか

ファッションというのは特に欧州で”階級社会”とともに築き上げられてきた側面もあります。(軍服などもありますが)

日本は庶民文化からの流れも多く、買い手はもちろん、売り手(商売をする側)も”安いもの”への圧倒的な支持が強いようにも思います。

”いいものをやすく”ですよね。

もちろんそれもいいのですが、価格だけを見ると資本弱者は圧倒的に負け戦になる確率が高い。

だって生地だって取られますやん・・・。巨大資本優先ですもん・・・・。

それは置いておいて、

要するにどこにポジションを取るか

どう明日の利益を取るか、も大事ですが、数年後に向けてどうブランドを育てていくか、というのを視点を変えてみていく必要があり、国内と海外のバランスや、アプローチする層と価格、また利益のバランスをアップデート・刷新・再考しなおす必要があるのだろか〜、と。

現状の国内アパレルを手本にしてもなかなか厳しいのでは。と感じているというのが本心です。

 

語るものがあること

ポジションをとったとしても、そこにいる潜在顧客に伝えなくてはならないことがたくさんあります。

商品・ブランドにおいて「語るものがあること」ってやっぱりとても大事です。

語っているうちに、企画までちゃんと一体感をもたせていけばいつか商品が語りはじめます。

こう書くとスピリチュアルな感じになっちゃいましたが、まじです。

ブランドとユーザーのお付き合いは、販売員とユーザーのお付き合いそのものにちょっと似ているかもしれません。

”伝える”ことを怠ってはいけない。

企画はユーザーとのあらゆる形でのコミュニケーションを前提とする必要があるんだなあと。

 

私、コトラーさんの本は読んでいて「わかる〜」ってところと「え〜・・・」ってなるところがあるんですが

「わたしたちはユーザーにとって信頼の置ける友人でなくてはならない」っていうのはユーザーとして

「うっわ〜わかる〜!!!!!」ってなったんですよね。

タメ語で話そうってことじゃないですよ。

コトラーさんは確かwebにおける許諾・認証についての話をしていましたが

そもそも「自己紹介」ができてないと「ブランド」として認知されないんだな・・・・と。

しっかり語ったところで全部伝わるコトの方が少ないのに、何にも語らないとその商品はただの”モノ”と化す。

そうなると残念ながら価格競争に飲まれてしまうのかも。

そこで買う理由、をどう生み出すか。

それを伝える努力を持続させるか。

そういう継続的な努力も必要になってくるぞ〜と思ったリサーチなのでした。

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中溝 雪未
About 中溝 雪未 69 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。