「あした、なに着て、生きていく?」
このキャッチコピー、魔法みたいだ。と思ったのを覚えています。
「女子大生がみんな同じ服」とか「女子大生用のブランド」なんて言われ方もしていたearth music & ecologyのキャッチコピーです。なにが魔法みたいだと思ったかというと、全然、年齢を感じさせない。どんな世代もひっくるめて宮崎あおいさんのように大きな声で歌って、自由に生きていい。という魔法。
そして「じゃあその時なにを着たい?」
いまで言うユニクロの「ライフウェア」みたいな印象の中に、ちょっとしたカルチャーが加えれてている感じ。
「ナチュラルで、なんてことない普段を楽しみたくて、肩肘はらない感じがいい。」そんな女性は20代にしかいないのか。というとそんなはずはないと思います。
ファッションアパレルにおいて、年齢別のマーケティングやペルソナは定番中の定番で、最近も「30代女性に向けた」というキーワードをよく耳にします。
じゃあその30代って?働いていて、子供がいて、東京郊外くらいに住んでいる?
そうすると、働いていて、子供がいて、東京郊外に住んでいる20代とどれほど違うのか。
どの世代も同じデバイスと使い、情報源がほぼ同じとなったここ数年で、年齢というものは単なる記号となってきているように思います。
年代別ファッションアイコンといえるような人がわかりやすくたった一人だけいるわけでもなく、この雑誌にはこのブランド、という住み分けも最近めっきり減ってきましたね。
消費者が「選ぶ」時代
作り手側からの発信はあることを前提に、数ある情報元、媒体から消費者が「選ぶ」時代となりました。
わたしたちは何か情報を得る時に、その時の気分や目的であらゆるツールを使い分けています。
そこに年齢の差を垣間見ることもありますが、現状20代・30代間、30代・40代間で決定的な違い、大きな開きがないケースも多く存在します。
それよりも、都心部の共働き、地方の家族世帯、などの違いの方が大きく、むしろライフスタイルや暮らし方の差が大きく出てきますし、自分に合ったものを探し出すツールもたくさんあるわけです。
「あなたの年代・ライフスタイルに合うのはこれですよ!」
と提案するのはもう企業だけではないんですよね。
「30代」ってちょうどいいのかもしれない
30代30代ってよく聞くなあと考えた時に、ふと思ったことがありました。
「30代って聞くと30代じゃないアイコンや芸能人の顔まで思いつく」
そもそも、芸能人の年齢をそこまで気にしたことがない。
というよりも、「わりと誰でも30代になら見える」ということに。
私の周りのどマス代表、旦那氏に「30代女性芸能人って聞いたら誰思い浮かぶ?」と聞くと「安達祐実!」と返ってきました。そして別の日に好きな女性芸能人は?と聞くと「安達祐実!!!!!」と返ってきました。好きなだけやん。
ちょっと怪しかったのでアルバイトの20代の女の子数人に、インスタでフォローしている芸能人は?と聞くと、鈴木えみさんやクリスウェブ・佳子さんなど、同世代ではない人が上がることもしばしばありました。
つまり、その層にリーチしておけばあらゆる年代にリーチ出来るワードが「30代女性」であるという結論に達しました(個人的に)。
世の中が「30代」で染まってしまうと「いやだ別のことしたい」となってしまうのが企画の性分なので、ちょっとむずむずしてしまうのですが、もはや10代20代で企業したり、「お金を自分で稼ぐこと」を大人と定義するのもちょっと違うかも・・・と思う時代です。
そういう当然だった概念もなくなっていくであろうことを前提にすると、年齢というのは本当に便宜上のものになっていくのだろうなあと感じています。