こんにちは、ヨツモトです。
昨今のアパレル業界で、定期的に上がる話題といえば「Eコマース」「オムニチャネル」などの
インターネット戦略の話ですよね。
年々リアル店舗の売上が下がる中、右肩上昇のEコマースに取り組めやなんやら。
リアル店舗とEコマースの融合。
定期的に記事になって僕達の目に届きます。
TopSeller.Styleの筆者でもある南さんの今日のブログでも取り上げられていましたね。
「ネット売上高の増加も実店舗売上高の減少をカバーできなかったユナイテッドアローズの5月度売上概況」
南さんはなんでもかんでもEコマースに取り組めば、リアル店舗で苦戦している売上減少の
問題を解決できる訳ではない。
目の前の売上回復の為に、安易な方法論で問題解決をしようとしても一時的な処方にしかならないよ。
って、内容をいつも発信しています。
これには僕も同意見で、Eコマースに取り組むのは大変結構な事だと思うのですが、
それはあくまで「キャッシュポイントの多様化を図る」施策。
言い方を変えると「商品の配下率を向上させる」。
つまり、「欲しい人に」「欲しい時に」「欲しい物を」すぐに買ってもらえる、
またはすぐに見つけてもらえる事を向上させているだけの話だと思っています。
ですが、これだと売上向上の為に一番取り組まないといけない
「知ってもらう事」「欲しいと思ってもらう事」の問題を解決する事にはなりません。
まるで、Eコマースをやれば打ち出の小槌の様に「売上」が降ってくると思われるような感じですが、
取り組み当初に売上が上がるのはこの「配下率」が上がり、今まで買えなかった人が買えるようになっただけであり、
ひと段落すれば右肩上がりの成長は鈍化します。
また、配下率が上がる事によって今まで買えなかったお客さんの売上が上がるのと同時に、
今まで他店で「不便な環境」で買っていたお客さんが「より便利な環境」で買物をするのは当然の流れです。
これにより既存店ベースでみれば「売上の分配率」は常識的に考えば下がります。
ただ単に「Eコマース」をやる事で、「売上減少」の根本的な解決にはならないよって理由が
これで分かって貰ったと思います。
店頭とEコマースの幸せな関係は?
では、店頭の販売員は自社のブランドや商品を扱う「Eコマース」をどぅ見てるでしょうか?
9割の販売員が
敵
とみなしています。
ちょっと表現が過激かもしれませんが、間違ってないのでこのまんまで。笑
所属する会社やブランドが成長する為に、売上向上する為に取り組むEコマースを「敵」とまで
思わないといけない原因は、先ほど述べた理由を本部の人間が理解していない、もしくは考慮せずに
ただ単に前年より数字が良い悪い!
でしか、店頭の販売員の評価をしないからです。
そりゃ、店頭の販売員は自社のEコマースをオススメしませんよね。笑
下手すりゃEコマースの存在自体をお客さんに伝えないかも知れません。
いや、実際に「伝えたくない」のが殆どの販売員の本音でしょう。
本当のオムニチャネルを完成させるには?
先週取り上げたアーバリサーチの接客不要を示す店内ショッパーの件も同じです。
「企業やブランドのお偉いさん。そろそろ何でも「販売員」に原因なすりつけるのやめませんか?」
問題の根本的なところは何処か?を理解していないのか?もしくは、見て見ないふりをしているのか?
アパレル業界では中心的な役割をになうアーバリサーチやユナイテッドアローズでさえ、
こんな「やっつけ感満載」な方法論の答えを出してきてしまいます。
しかも、殆どの場合は「店頭は無視」と言ってもいい程の「本部の都合の良い解釈からの目線」
でしか物事を進めようとはしません。
「今こそ店頭を強化!」「販売員の質を上げないと!」最近これもよく話題にでますが、
店頭の販売員からすれば
「あんたらの言ってる事とやってる事の辻褄がまったく合わない」
と呆れ気味になってきてます。
お互いの役割と責任の明確化が「信頼」の土台になる。
先日の記事の最後にも書きましたが、「店頭VS本部」の図式は昔からありますが
年々酷くなって来ている感があります。
「商品を作っていれば売れた時代」であれば、問題も「売上」っていう目隠しで
収まっていたかもしれませんが、もうそんな時代でもありません。
しかも他業界からのアパレル業界への参入が増え、
今までの「常識」を打ち破ったサービスで一躍主役に躍り出ている企業が数多く出て来ています。
今までの業界で中心的な役割をになって来た企業の強さは一体なんなんでしょうか?
今こそ、「店頭があるからこその強み」をもう一度考えてみてはいかかですか?
「売れる仕組み」をつくたいのであれば、キャッシュポイントからの情報を、
しかも「数字だけではない生の情報」をちゃんと吸い上げてみてください。
キャッシュポイントで求める仕事
キャッシュポイントまででやる仕事
お互いがプロとして仕事と責任を明確にし、
「お互いがパートナーである」
という信頼関係をより一層強くして取り組まないと。
でないと、一番に怖いはずである「お客さんにそっぽを向かれる」
そんな状態になってしまいますよ。