【番外編】JASPAエマニュエル代表理事がいう「あるべき接客」に対する日本でアパレルに関わる人間の生の声を届けます。

こんばんは
水曜日20時若手枠EC担当の藤村です。

 

JASPAエマニュエル代表理事がいう「あるべき接客」へ対する日本の現役販売員の生の声を届けます。

月曜日のこの記事みなさんいかがでしたでしょうか?TwitterやSeller’s roomにてご意見くださった方もそうでない方も、現場の皆さんの生の声や反応が聞けてとても興味深かったです。

で、その後いろいろありまして今回はなんとその続編、いやスピンオフという方が正しいですね。ご意見の中にいくつかあった「もっと深掘りして聞きたい」というものを、藤村の独断と偏見で「これかな?ここかな?あれのことかな?」というように、もし次回があれば深掘りして頂きたい部分に目印をつけていく回とします。

もちろん、みなさんのご意見もバッチリ反映させながらにはなりますが笑

 

さて、本題へ行く前に一つ前置きを。

まぁごちゃごちゃ面倒くさいかもしれないですが、この業界を良くしたいと思う気持ちの火種を消してはいけない。そんな気持ちでこの記事を書いています。中途半端な批判や煽りをする気もありませんし、そんなものは妨げになるので必要無いとも思っています。

ただ、諦めたらそこで試合終了ですから。

さて、本題へ行ってみましょう!

 

今回の記事の論点とは?

今回の記事ではポイントがいくつもありましたが、大きくまとめると主題は「設立から2年間の変化と2019年販売員さんをとりまく環境について」であり論点は4つありました。

1.デジタル化の話

2.現場環境の話

3.人材についての話

4.求められる接客の話

そしてタイトルが

「来日したプロ販売員協会のトップが語る 令和のあるべき接客」

 

今回ヨツモトさんがツイートをして記事にした起因となっているのは、おそらく「タイトルと4.求められる接客」についてのくだり。

ここに関してはみなさんのご意見や、他のトプセラメンバーのリツイートが全てだと思います。自分は現・販売員ではありませんが、元・営業で現場と本部のギャップを知るものとしてそう思います。

そのギャップの縮図、ギャップの現れがあの一連のくだりであり、みなさんの反応するところとなったのでしょう。ここに関しては主催のヨツモトさんが言うように、ぜひ全国行脚していただけると有り難いと思います。

 

さて、ここからは藤村の掘り下げ提案。掘り下げて欲しい部分にマーカーを付けていくところとなります。もはやみなさんというよりエマニュエル氏と筆者様へ向けての恋文、ラブレターとなるやもしれません。
ご容赦いただければ笑

 

デジタル化の話

接客でのデジタル化と現場でのデジタル化について

オフラインとオンラインの境はなくなりつつある。これに伴って若い世代の消費動向にも変化があった。彼らはウェブやSNSを通じて多くの情報を持つ。だからこそ唯一のタッチポイントである実店舗、そして販売員の重要性が高まっている。

在庫管理などオペレーションの大部分をデジタル管理することで、販売員は接客に集中できる。実は10年前まで「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」ではカタログを1000円で販売していた。今ではウェブで自由に閲覧できる。カタログの更新など、ブランド側の管理もスマート化されている。

 

ここでのお客様像は”若い”訳でも無いように思います。今のお客様でなんの前情報もなしにお店に行く方がどれだけいらっしゃるのか。百貨店に来るお客様もモールもショップも。なので、そこは”若い”でくくらないで広い視点で見る事が必要ではないでしょうか?

来訪者はそこにスマホをかざし、店舗の場所や新作アイテムの情報を得る。スマホでは免税の手続きやECサイトへのアクセス、来店予約もできるが、彼らが行きつく先が実店舗だ。来店までに多くの情報に触れるため、接客にも高いレベルが求められる。

 

飛行機から降りた直後でそんな風になりますかね?そうであるなら飛行機の中から、もしくは飛び立つ前から導線は始まっているのでは?と思います。

また、事前に多くの情報に触れていればこそ知っているからこそ、そこには共感があるのではないでしょうか?知らない商品を目の前にした時と、知っている商品が目の前に現れた時と一体どちらが心を揺さぶられるでしょう。

 

現場をとりまく環境の話

販売の仕事は本来やりがいのあるものだし、高いコミュニケーション能力やファッションセンス、知識や教養が求められる。しかし現実的には、ネガティブなイメージがあることも否定できない。JASPAはこれを是正したい。

おっしゃる通りだ。日本の接客レベルは世界トップクラス。それを現場の販売員に伝え、自信としてもらうのもJASPAの役目だ。店頭での経験は、営業やMD、マネジメントにも役立つ。なぜならファッションの最前線が店頭だからだ。全てがそこにある。ラグジュアリーブランドのゼネラルマネジャーには販売員経験のある人が増えた。“売ることをよく知る人”だからビジネスも拡大する。一方で、販売がやりたくないという人はマネジメントでも失敗すると思う。人が好きで、ファションが好きなことが大事だ。

ここに関しては完全に同意で、販売員さんの地位向上は理想や夢ではなく、アパレル業界にとって今後必要な事になっていくと思います。その中で、じゃあ一体どのようにそれを販売員のみなさんに伝え、自信をつけていくのか?そこには雇用や賃金や評価制度など、もちろん現実的な話もついてくるはずで。協会としてどのように切り込んでいくのか、というのはみなさんもぜひ聞きたいところだと思います。

まぁ個人的には、一流のプレイヤーが一流の監督になれるかは別の話だとは思います。しかし、現場の事をよく理解しているというのは必須というのは間違いありませんね。

 

人材についての話

しかし若い販売員と話をすると、依然不満が多い。
プラット:もちろん“パーフェクト”とは言えないが、2年前に比べて多くの人の労働条件が改善された。

WWD:販売員のなり手不足を解消するためにはどうすべきか?プラット:現場が変わってきたことを伝えることだ。デジタル化によって、かつて“3K”と呼ばれた販売職はスマートになった。

“若い販売員”と限定するのはどうかと思いますが、たしかにこの2年で新たな労働体系を掲げる企業は増えました。

クロスカンパニーが初任給と基本給を引き上げ 石川社長「業界一の給与水準目指す」

卒で”ファッションインフルエンサー”を採用 ベイクルーズ編キャリア

話題沸騰の“インスタグラマーによる撮影代行サービス” 仕事人を直撃

ファンケルが店舗の契約社員制度廃止 美容部員約1000人を正社員雇用に

ファストリが初任給を2割アップ 来年から25万5000円に

ZOZOが物流のバイト2000人を募集 時給は従来の最大3割増しでボーナスも

 

直近だと、ファーストリテイリングやZOZOが新たな取り組みを始めました。こうした企業のチャレンジによって業界のこれまでの慣習などに変化が起きてより良い方向に向かっていくのかもしれません。が、他が追随しないとそれも意味をなさないので企業間を横断できるという立場を活かして、ぜひ手助けをして頂きたいです。

アパレルのデジタル化は、労働環境の改善という部分に一定のメリットを与えました。しかしそれも自社店舗に限られているという面もあります。百貨店やモールになるとどうでしょう?というのはあります。

また3Kからスマートになったからと言って、販売員をやりたいという人が増えるのか?という部分に関してもぜひ掘り下げて頂ければと。この点に関しては、トプセラメンバーの深地さんのこの記事を合わせてご紹介したいと思います。募集側が「こうすれば販売員さんの応募が増えるかも!」と思っている裏側で、応募側は全然違う事を考えているかもしれないという事がよくわかります。

何回も言いますけど「アパレル求人の9割は販売員募集」ですよ!

 

さいごに

いかがだったでしょうか?自分としては、あの記事を読んでからいろいろな事を考えさせられました。なのでこのような機会を与えてくださった両名には非常に感謝しているというのが、この記事を書き終えた今の正直な感想です。あとこういった横断的なやりとりを、可能にしてくれたインターネットにも感謝を述べて。

ぜひみなさんもこれを起点に「あーだこーだ」やっていただいて、少しずつでも前に進めたら幸いです。

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藤村淳一郎
About 藤村淳一郎 15 Articles
1990年生まれ。幼いころからパソコンやケータイに囲まれてきたミレニアル世代。現在はアパレルメーカーで自社ECサイトの運営。その前は対百貨店営業として2年間16店舗40名以上の販売員さんとともに仕事をし、その間2店舗の新店オープンと2店舗の退店があったりと現場の濃い部分を経験。またそれ以前のアルバイト時代はカフェとアパレルで合わせて4年間接客業を経験し、お客さんと直に触れ合い販売する事の「楽しさと難しさ」も味わう。仕事以外ではサッカーや音楽・アートそして多くの人と触れ合うことでネット上の画像や動画にはないリアルの素晴らしさを知る。現在ECで販売をしている中で大切にしている事は「お客さんには一番快適な方法で買ってもらう事」。