こんにちは、元下着販売員のちーちょろすです。
今日は現役美容部員のひなちゃんと共同で書いた記事「都心店と郊外店における接客の違い」を下着販売員目線で深掘りしていきます。
下着の接客の特徴
下着の接客がアパレルと大きく異なる部分が2つあります。
・試着に加えてフィッティングが必要
・お客様のよりパーソナルな部分に触れないといけない
まずフィッティングが必要な時点で、試着をしていただけた後に「フィッティングルームに入れるかどうか」が鍵になってくることを下着販売員の方ならよくわかると思います…。
(フィッティングに入れるかどうかで、お客様からの信頼度も購入率も変わってきます)
また、フィッティングの前後でもお客様のお悩みはパーソナルなものが多く言葉選びも難しくなってきます。
例えばバストが小さいことは一般的にネガティブな印象になるので、サイズが上がれば「良いこと」のように表現することもありますが、必ずしもそうとは限りませんよね。
他にもカップの浮きや、つけ心地などニーズチェックするポイントがたくさんあります。
都心店では、商品ラインナップを絞ってからフィッティングルームへ
都心店では、必ずしも一見のお客様とコツコツコミュニケーションを取りながら「信用を得る」必要はないと思っています。確かに世間話や雑談をすることでお客様と信頼を得ることも重要です。しかし、都心店は来店客数も多くお客様も多数の店舗を回っている可能性があります。したがってどのジャンルのお店でもできるトークは「さっき別のお店でも話した…」とげんなりさせてしまうリスクがあるんです。
(私自身もそういった接客を受けて商品を全て見ることなく店舗を出た経験があります)
そして下着販売員は一部専門職的な部分もあるので、接客レベルでの評価より、技術でお客様に信用していただけます。
したがって私は、「お客様の悩みを一歩先に提示する」ようにしていました。
商品のデザイン、ラインナップの説明、お客様に頼まれたものから順番に合わせていくことは新人スタッフでもできます。しかし、経験を重ねた人にしかできない接客をすることでお客様は「この人になら任せても安心」と感じます。
商品の海からベストなアイテムを見つける時間は短ければ短いほど良いですよね。試着に入る前にお客様のお悩み、特徴を捉えて時短でお客様と商品をマッチングして差し上げましょう。
また、採寸前にはお客様の好みを伺ったり「どの商品を試着したいか」を確認しておいたりすることで、採寸後フィッティングまでの時間を短縮することができます。
郊外店では、共感を重視してお悩みをじっくり引き出す
郊外店は「お店にお客様がいる」状態をキープする必要があります。(常に人のいないガラガラの店舗には、他のお客様も入りにくいですよね)
もちろん、だらだらと話してお客様を引止めろということではありません。お客様が帰るときに、「あっという間だった」と感じていただけるような楽しい時間を提供できる接客をしましょう。
(ここでのポイントは、お客様だけでなく販売員自身もあっという間と感じることです)
楽しい時間を提供する際には共感と引き出す力が必要です。
また、接客時間が長くなるに伴っておまとめ買いの可能性も高まります。(もちろんお客様の予算等を考慮し、必要以上のもの以外をおすすめするのはいけません)
なぜ接客時間が長くなるに伴っておまとめ買いの可能性が高まるかというと、お客様に知識をお渡しできる時間が長くなるからです。
「おまとめ買い」と聞くと、「たくさん買わせてしまう」「お金がかかる」と、ネガティブに感じられることもあります。しかし、実際は楽しい接客でたくさんお買い物をすると、満足感は高くなります。
お客様に知識がついてデザインだけではなくパターンによる下着の使い分けまでお伝えできると、「こんなパターンも合います」「こちらはこんなお洋服と合わせると良いですよ」といった「選択肢を増やす接客」ができます。
要はプラスワン提案というより、1人のお客様の選択肢を増やすプラスα提案を可能にし、なるべくたくさんの「選ぶ楽しさ」を提供できます。また、それが郊外店の良いところでもあります。
最後に
私は最初郊外店で下積みを重ね、そのあと都心店の配属になりました。都心店に配属されて私がまず驚いたのが、「接客をしなくても売れる」というところでした。
当たり前ですが、都心店は郊外店より来店客数が多いです。接客をしなくても商品は売れますし、売れなくても次のお客様が来てくださいます。私は配属してしばらく、おまとめ買い率やお客様の満足度で評価されていましたが、いつまでも言われていたのが「接客が長い」というところでした。
私は時間をかけてお客様に納得がいく商品を購入していただく接客しか知らなかった為、短時間で郊外店と同じだけの信頼を得つつお客様の求めている商品とマッチングさせるのには苦労しました。
接客の仕方にお悩みの方は、ぜひ私の経験を店舗での接客に活かしていただけると嬉しいです。