「わからないことがあったら、いつでもなんでも聞いてね」の罠

店頭に立って三つ目に言われること

入社したてのあなたに期待をしている先輩や店長は、あなたにどんどん成長して欲しいので、だいたいこう言います。
「わからないことがあったら、いつでもなんでも聞いてね」

ふふ、そんなこと言ったってまだ、わからないことがなんだか分かりませんよねぇ。

とりあえずこれを解説しますと、
わからないことがいっぱいあると思うんだけど、人員的に付きっきりってわけにもいかなくて、気づいてあげられないことも多いだろうから、自分から聞いてほしいんだ。
できるよね?
それから、質問はなるべくタイムリーにお願いね。でないと忘れたり後回しになったりして、次に同じ場面になったときにまた困るから、です。

なんかあれば言ってくるだろー、くらいに構えている先輩や上司は、ただそばでニコニコしていてくれます。あんまりいませんけど。

話を戻すとこの場合、仮に職場の人間関係が良かったとしても、あなたには「聞く」勇気と同時に、なぜわからなくて困ったのかを簡潔に説明する「質問のしかた」が求められています。

忙しそうな先輩を見ていると、自分がしどろもどろな質問をしたら悪いんじゃないか、何をそんなことって言われるんじゃないか、なんていう気持ちになるかもしれません。

小さなことでも上手に質問するヒント

5W1Hをズバッと使うことです。
いきさつより質問が先。

例えば、なんだかわからないけど部品みたいな、捨てちゃいけなさそうなものが床に落ちてる…(アパレルあるある)!

そんなときは、まず拾いましょうね、お客様だって気になるから。
そして近くの先輩に「これなんですか(What)?拾いました!」って言いましょう。
聞けそうな人がいなければ
とりあえず、バックヤードに「落ちてました」って書いて貼っておこう。
ポケットにいれると持って帰っちゃうから、あまりおすすめしません。

他にも、お客様にATMの場所を聞かれてわからないときは「ATMどこですか(Where)?お客様に聞かれました!」でOK。

いろんな人から違う指示が出たとき「どっちが先がいいですか(Which)?△△さんにこれ頼まれました!」

こんな感じで。

なにをそんなことくらいと思われるかもしれません。しかし現実問題として、アパレル販売員が辞める理由はお給料より人間関係です。
比較的少人数で閉鎖的な職場な上にシフト制で、毎日毎時引き継ぎに追われます。引き継ぎもれやミスは致命的なのでコミュニケーションにおいては最優先事項。引き継ぎ内容に問題があると、その解決が優先。人員はタイトで、納品さばいて接客して休憩回したら一日終わり。ひたすら畳んで片付けて帰る毎日。みんなが同じ場所にとどまっている時間が本当にないのです。先輩はいつも忙しそう。暇になるのを待ってたら、いつまでたっても聞けません。
そんな中でもチームプレーを求められる、ちょっと変わった職場環境なんですね。

仲の良い感じのお店でも、気軽にたわいない(真面目な)質問をしたり、接客の悩みを落ち着いて相談したりできるような時間の流れかたじゃない。それを、空気が読めちゃうあなたは越えられなくなり、ひとり鬱積することになる、かも。

そういうときは、視野を広げて、お店の外にも先輩や上司を持つといいですよ。

メンタルをぶらさないための、メンターを持つことです。

最後に、お願い

さて、ここまで新人のアパレル販売員さんに向けて書いてきましたが、最後に私からのお願いです。

皆さんは新人さんですが、もうすでに、ある人たちの先輩です。

誰でしょう?

正解は「将来、アパレル販売員になりたい」と思うかも知れない次の世代の先輩です。

皆さんも学生時代のアルバイトなどで、広義での接客業、つまりお客さんと接する仕事をしたことがあるかと思います。

優しくしてあげてくださいね。

コンビニのレジ、レストランのホール、もちろんファッションの店頭でも、この春からバイトデビューの初々しい子と出会ったら、お客さんと接することのうれしさや楽しさが感じられるように、接してあげて欲しい。

自分が最近教わったサービスの姿勢や言葉使いがなってないからあいつはダメ、テープがここに止まってないからダメ、みたいに聞きかじりの頭でっかちなこと言わないで。

そんな態度とってると、だっせー先輩になっちゃうよ。

近くにいるでしょ?笑

 

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About 森野 68 Articles
森野 2018/7/1迄、TopSeller.styleブログ火曜日を担当。