こんにちは、遊びも売上も常にトップセラーの金田です。
今回は「新人スタッフの教育」について実例を用いて紹介します。これを知れば、駆け出し店長は「新人をどのように戦力に変えていけるのか?」がわかりますし、新人は「どう頑張れば売上が伸びるのか?」がわかってきます。
裏方業務中心になってしまう「新人スタッフの教育」
当然ながら「新人スタッフ」は右も左もわからず、販売スキル・商品知識など全てにおき未熟です。しかし、逆を言えば彼らは1番伸びしろがあり、スキル修得後、一人前の売上が取れれば更なる店舗売上拡大が見込めます。
まさに「これからの」販売員としての希望の星です。
輝く星となれるかには、「店長」としての手腕が最も問われます。
さて、自身の現店舗には入社8カ月の女性スタッフがいます。アパレル経験もなくさらにメンズブランドなので、彼女にとっては何もかもが新しい環境。彼女はルックスも良く、人見知りもしない、お話するのが好きと「販売員」としてポテンシャルが高いスタッフです。そんな彼女が3カ月目で自店に異動してきました。
まずは、
「異動前の店舗2カ月間は何をしてきたのか?」
を問いました。すると彼女は
「店頭に立つ機会はありましたが、主に裏方業務です。」
なるほど…。
当然、経験値の無い最初は「接客」は難しく、売上の戦力としては期待できないですから、店頭に立つ機会は少なくなり裏方業務(商品管理)優先に指導する店舗が大半です。
自身も新人時代は裏方業務優先に指導されましたし、店長就任時も同様の指導方法を実践してきました。
これが間違っているとは思いません。
実際、商品管理する事で商品を覚えられますし、商品の扱い方も丁寧になります。また他のスタッフがお客様へ商品をスムーズに提供できたりと商品管理も「お客様に繋がる」事なので大切な業務です。
万能な教育方法は「真似」をさせる事
しかし、コミュニケーション力が非常に高い彼女には、今のうちに店頭優先に育成することが適しているのではないか?と考えました。
彼女もやはり「アパレル販売員」に憧れた1人として入社してきた訳ですからね。
では具体的にどのように育成したのか?
①販売:裏方業務を8:2の割合で販売優先に育成。
②接客指導・手法・技術などはあまり細々とは教えず、彼女自ら感じた疑問や課題をヒアリングした内容に対しての指導。
③先輩スタッフの「接客」を見て自身で使えそうな所を真似させて自身の「接客スタイル」を作る指導。
上記を徹底させました。
特に③は一番オススメです。自身も新人時代がそうでしたが、この「真似る」っていうのは新人の立場から販売スキルを伸ばす1番効果的な手法です。
ただ「真似る」だけでなく自分のスタイルに落とし込み、確立できたら尚良しです。売る販売員ってそれぞれ「勝ちパターン」をもってるんです。だから、優秀な先輩社員の「勝ちパターン」を盗むっていうのが最も簡単に売上を伸ばす秘訣。
その後彼女は日ごとに売上が伸長。当初は個人予算には到底届かない結果でしたが、ここ3カ月は個人予算を悠々に達成。先輩メンバーを脅かす存在にまでなりました。彼女以外のメンバーは販売歴が長く、追いつくのはそんな簡単な事では無かったのですが、今では店舗の1販売員・1戦力としてスキルを発揮してくれ貢献してくれてます。
【参考】
※自店6人体制
月間個人売上平均シェア比 16.6%(予算目安)
彼女の個人売上の構成比推移
2月 シェア比9.3%
5月 シェア比16.9%
6月 シェア比17.5%
それぞれの個性にあった教育方法を考え抜く
今回は、新人の彼女の持つ「高いコミュニケーション力」「販売がしたい」という部分を見て育成方針を考え、多くのお客様と接する機会を与えました。
その結果成功・失敗の販売を日々繰り返し、そこから得た経験と自信から
「お客様へ販売することの楽しさ」
「店舗へ貢献する事の嬉しさ」
を実感し、憧れの「アパレル販売員」としての地位を確立しました。
「販売力UP」が彼女にとって成長への近道となるよう、環境(販売時間)を作ってあげること。そして「新たな販売員」を作りあげるため店長には「適正の見極め・判断力」が必要であり、どの方法が彼女にとってベストなのか?どのようになって欲しいか?店長として彼女に適した采配が必要だと考えました。
また、「販売員」としての楽しさや嬉しさ、お客様へ与える「感動」を彼ら(新人スタッフ)に実感してもらう事が、これからアパレル業界「販売員」を目指す者には必要なのではないでしょうか。