「ちょうどいい、大人服」
https://www.fashionsnap.com/news/2017-08-17/melancleuge-debut/
さて、ちょうどいいって何でしょう。
わかりやすいような、わかりにくいような。
伝わるような、伝わりやすいような。
記事にもあるようにストライプインターの傘下、キャンによる新たなブランドのコンセプト。
価格帯が価格はトップスが2900円〜、ボトムスが3900円〜。
それで納得できるような「ちょうどよさ」?
ちょうどいい値段?
使いやすすぎるこの言葉は、この価格帯、このターゲットだからこそばっちりハマるといえるでしょう。
あふれた「ちょうどいい大人服」
実際、普段着で着る分にはSCブランドやユニクロで十分バリエーションも揃います。
SCで買い物がしやすい理由は、価格帯が値札を見なくてもだいたい目視で測れるということでしょうか。
可もなく不可もない、汚れても洗いやすい服が手軽に購入できます。
周辺地域の住民が食料品や生活用品を揃えるためにも日々足を運ぶショッピングモール。
毎週通っていれば、ブランドの認知度は自然と上がりますよね。
SCのブランドで買い物をする際に必要な情報はコンセプトよりも価格が優位にたつと言えます。
「ちょうどいい大人服」ってなによ。とつい反応してしまうのはわたしたちがコンセプトを気にしてものを買う人間だからで、そもそも「大人服」というのは世の中にありふれているし、「ちょうどいい」は人によって違うし。
まず、この解釈の仕方がお門違いのような気がしてなりません。
(いまはまだ)コンセプトを強みとして売るブランドではない。
という判断をするのが妥当と言えるのではないでしょうか。
差別化はコンセプトよりもビジュアルがわかりやすい
コンセプトの差別化なくしてブランドに差別化はあるのか、という話になりそうですが
什器やロゴなど見えるものの方が 圧倒的に差別化しやすいと思います。
そうであればざっくりとしたキャッチコピーのようなコンセプトに設定を行い、後でユーザーや競合と比較しながら色づけしていった方がやりやすいのではないでしょうか。
服の見た目は一緒だけど、コンセプトが違うんです!なんてまどろっこしいことは、ひとまず置いておいてよい。
でも服を突飛にするしかないじゃないかというのも、飛躍しすぎ。
ユーザーは思ったよりも論理的な思考で買い物は行っていません。
「あ、なんか新しいお店?」
「あれ、ちょっとオシャレっぽい」
そういう一瞬の判断の方が圧倒的に多いというのは、自分の生活雑貨の買い物の仕方を考えてもよくわかります。
それがいいのか悪いのかは、相当個人の判断に委ねられますし、売り方や製造工程の問題もありそうですがそれとは切り離して考えると、消費喚起に関してはマーケティングされた展開の行い方。
ショッピングモールの空きテナント問題も多く浮上していますが、地方のSCはまだまだ活気がありますし、なにより現金主義の極み。なんでもAmazonで買いますよ、という人の方が圧倒的マイノリティで、クレジットカードを持たないという人も多いほどです。
デザイナーズとはまるで土俵が違う、大手アパレルのやり方はより多くの大衆を見てビジネスをしているように感じるこの頃です。