牛丼の松屋instagramから考察するブランド戦略

こんにちは!

土曜日MD担当のNaruです。

時期的にはボーナス商戦を見据えた戦略を打ち出しているころでしょうか。

営業に戻って実際に販売応援などにも立つのですが、お客様にどんどんヒアリングしていくことが大切だということを再確認しています。

意外と聞いてみると「ボーナスで買うんで今日は買う気ないんですけど~」とか教えてくれますよ。

それに合わせて接客の内容も戻ってくるように仕掛けたり見比べてるブランドを聞いてどう違うか説明してあげたりと工夫してみてくださいね!

はい、今日もブランド戦略の続きから!と言いたいところなんですが、閑話休題。

面白いツイートを見つけたのでブランド戦略的な目線で少し考察してみました。

アパレルとは離れるんですが、あの牛丼の松屋のinstagramが面白いってことでバズったツイートを見たのが今日の記事のきっかけです。

ここから考察するブランド戦略!

これに対して僕も最初深く考えてなくて、こんなツイートをしたんですよ。

「なかなかぶっ飛んだ中の人だなぁ」とか「独特のセンス!」とか「何を狙ってんの?」とか大して深く考えずに見てたんですよね。

で、今日先輩とのランチ中にこの話題になり、真面目に考えてみると、「実はこれクレバーなんじゃないか?」となったのでそんなお話を。

ついブランド戦略について考えてしまうのは職業病ですね。笑

さすがに話題になってるかなと思って調べてみました。そしたら半年ぐらい前ですが、こんな記事が。

https://j-town.net/tokyo/column/allprefcolumn/276984.html?p=all

まぁ思ったよりGIFのことはイジられてないんですが、注目すべきは松屋広報が語る狙いの部分。

「『女性でも入れる松屋』でも『気取らない』ということを二大コンセプトにして、できるだけいつもとは違った情報発信を心がけています」

「女性や海外の方など色んな方に来ていただけたら」

とあります。

なるほど、普段なかなか牛丼を食べたいけど店に入りづらい女性層を狙っているのか。

けどあのGIFが女性層狙いなの?と僕は思いました。確かに絵以外の写真は女性同士でお店で食べてる写真だったりと雰囲気は感じる。けど「おもしろGIF」の部分がどうしても気になる。

真面目に考えてみました。

戦略としてやっているとした時の考え方を完全な主観と憶測ですが、紐解いてみます。(なんでこんな真面目に分析してるんだろう。笑)

2つの戦略が感じ取れました。

①差別化

②話題性

①差別化

企業の戦略としてinstagramなど無料で始められるものは敷居が低く、ほとんどの企業がブランド戦略ツールとしてやってますよね。現にライバルである吉野家は松屋より2年ほど早い2017年から。すき家はやってはいませんが、すき家好きによるアカウントがあるみたいです。笑

https://instagram.com/yoshinoya_co_jp?igshid=1cgecel5g9y5v

https://instagram.com/sukiya_club_official?igshid=1k9y0lk7fwab4

コンテンツ内容を見ると、どうやら吉野家は牛丼を使ったアレンジ料理を提案しています。すき家部はシンプルな牛丼の紹介ですね。

吉野家は牛丼をただそのまま食べるという価値から一回離れ、「牛丼を買う」という「機会」を増やすやり方を選択したみたいです。マーケティング本を読んでると死ぬほど出てくる有名なワードですが「ドリルを売りたければドリルではなく穴を売れ」という言葉をinstagramというツールを使って体現していると思います。

一方松屋側はさぁどうやって差別化したコンテンツを作り、お客様に来ていただき、売上を上げていこうかということを考えたと思います。

そこで、instagram運営の際にターゲットとするマーケットとして、大きな括りとして男性と女性、年配者、中年、若者と分け、これ以上深掘りしても伸びしろが低く、instagramからの影響も受けにくいメインターゲットである「中年の男性」から移行してみたわけです。instagramにおける舵は女性層の取り込みへと切ったわけです。そして女性層に向けたイメージ戦略を狙いとしたコンテンツ作りをすることに。

これですき家部とは差別化できましたし、同じ女性を狙った吉野家とも年齢の部分で差別化できました。

じゃあ果たしてあの「おもしろGIF」で食欲はそそられ、女性のお客様は増えるのか?

結論から言うとそれは無いと思います。

ただ、狙いは違うところにあると思います。

イメージ戦略。

松屋の立地を考えてみてください。

だいたい近くに吉野家かすき家がありませんか?

お昼時や帰りに牛丼を食べたい時、このinstagramの存在、そして強烈なコンテンツがどこか頭の中にあり、松屋側がターゲットにした女性客、ひいてはinstagram世代の若年層の男女は3社の中からなんとなく松屋を選んでしまいませんか?

タダで作れるinstagramで効果があれば儲けモノです。(アウトソーシングでなく、社内にこのGIF作れる人がいればの話ですけど。笑)

これが他ブランドと狙う市場や戦略の上で差別化を図った競合優位性なわけです。

②話題性

改めて説明することではないのですが、、、これだけ強烈なコンテンツを作っている松屋。ネット民が好きそうなコンテンツ。現に1.8万のリツイートです。ニュースサイトなんかに乗れば検索した時に上位に上がったり。話題になるということは多くの人の目に触れることになります。

そしてそれは上で書いたように、いざ「牛丼を食べたい」と思って帰りに最寄駅を降りた時に3ブランドあったら何となく選んでしまうことに繋がるのではないでしょうか。

これって広告の使い方の基礎でもありますし、身近なことで言うとテレビCMと似ていると思います。

CMで耳にすり込まれた商品名、例えば日用品などはドラッグストアやスーパーに行った時になんとなく安心感があるし、質の良いモノだと思って買ってしまいますよね。そんな感じ。

と、こういう他業種にも自分たちのアパレルブランドを成長させるヒントになるようなことがあるんですよってお話でした!

ぜんっぜん松屋側がそこまで考えてなかったら恥ずかしいんですけどね。笑

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Naru
About Naru 46 Articles
1993年生まれ。三代東京生まれ東京育ちの江戸っ子。都内某レザーグッズメーカーにて販売、営業を経て現在3つのブランドのMDを担当。販売員時代では入社3ヶ月で某都内百貨店自社ブランド売上の過去最高売上を記録。 販売員目線とクリエイター目線で商品面・売場面においてバランスの良いMDを構築。仕事において大切にしていることは、関わる人に気持ちよく仕事をしてもらうこと。これを基に転がされるように見せながら最終的に自分のやりたいことを遂行し転がしていく。