出口から考える商品作り

「文章読みやすいよね」とか「おもしろい」など言ってもらえることが増えてきたうにくま。

「てへへ〜ありがとう〜」とか言いながら心の中では「ほんとか?いや、違うはずだ。これは褒められて有頂天になったうにくまを煮て食ってやろうという罠に違いない」などと考えるくらいには心に闇を抱えています。

 

もう今回はタイトルのとおり、「販路開拓勢いでやりがちよね〜」という話です。特にデザイナー側じゃない生粋の営業側の人間となるとなおさら。

わたしもデザイナースイッチとマーケタースイッチみたいなのがあって、脳が企画・マーケティングに寄ると「とりあえず、委託しちゃう?てへ♡」みたいになってしまうのでそこは細心の注意を払っているんですけど、その分かれ目っていうのはやはり、「消費者視点のマーケティング」つまりは、商品を「出口側から見る」という力だと思いました。

こういう風に書くとどうしても「ユーザーニーズをそのままやる」ってことに繋がりがちなんですがそうではなく、「そこに販路を作ることでどの客層とのタッチポイントが増え、商品にどのような印象を持たれるのかを考えること」です。

なーにを偉そうに!小娘が!とか言われそうですが、

ありがとうございますピチピチの小娘です!

小娘なりにじゃあその商品を「出口側から見る」という力ってなんなのよというところを詰めてみたいと思います。

①買ってくれた人はそれをどんなときに使う?

これが最初から想像できている商品とそうじゃないものは、初速もえらく違う気がします。あくまで気がします。(気が弱い)

結局「とりあえず商品をつくる→売り先を探す」では初期の走り出しで足踏みする可能性が高い印象です。

ここ数年の流行から定着したのは「暮らし」を主軸としたマーケティングだということを意識して話すと、その顧客の「暮らし」の中のどのシーンに自社の商品やサービスを溶け込ませるのかが重要な視点となってきていると感じます。。

場合によっては「買ってからこのように使うとこうなるよ!」ということまでを伝えなくては(想像させなくては)ならないので企画段階でこれが練られていると商品製作から営業、広報までアウトプットがブレにくく、プロジェクトとしてもズレることなく進行しやすい印象があります。

買ってくれるのは誰なのか、のその先をリサーチし尽くしてできるものなので、本当に「企画」って大変よねって話になるので、世の中の「企画を考える人たち」がもっと評価されてうにくまのお給料もどんぐりから現金になってほしいなあと心から思います。

②その場所(販路)にいる人は何故そこにいる?

ECも常識となり、あらゆる店がひしめき合う昨今。お客さんがその店にいるのにはかならず理由があります。「なんとなくって人だっているんしゃないの」っていう意見を反論としてよく聞くんですがだいたい「なんとなく」を紐解くとちゃんと理由があることがほとんど。

ECだろうと店頭だろうと、販路は顧客とのタッチポイント。

そこに来る人がどんな気分でそこにいるのかによって、商品の見せ方も変わってきます。商品の見せ方が変わってくるということは商品の中身も変わってきます。何か目的のものを買うために入っている人が多いのか、お土産を買うために通りかかる人が多いのか、はたまた待ち合わせ場所や信号待ちが多い地点でなんとなく入るフリー客が多いのか。

これを紐解くと、現代のマーケティングの難しさにぶつかるんですが、地方と東京では購買の構造自体が大きく違ったり、生活スタイルが違ったりします。

そこの共通項を考え抜いて商品に落とし込む。

つまり規模が広がれば広がるほど(KPIや売り上げ目標数値が高すぎたりするほど)、クリアしたい課題が増えてしまうので無難になりすぎたり、突飛すぎたりしてしまうことがあります。

なので「販路」のチョイスはかなり明暗を分けることとなりますし、わたしも悩まされることが多いなあと勉強中です。

③顧客、商品やブランドのファンを捉える

やみくもにファン商売のような販路開拓は個人的にあまり得意分野ではないのと私がやらなくてもいいという気になっているのでそれとは違います。

「理想のお客様像」を想像し続けることが必要だと考えています。

消費者視点を考えると言ったのに一見矛盾してますが商品をブランディングして売るためには消費者がその理想像に近づいて行くようアウトプットや広報を考えていく必要があります。

そこにいるファンをとらえて、その人たちにとって唯一無二のサービスになることが求められますし、参入ハードルが低い業界は早めにその手を打っておかないとあれよあれよという間に他に先手を打たれてしまいますのでそこまでの仕組みを想像した企画としてスタートするとベストなんだけどなあと思いつつそんなうまくいくことはほとんどないです。

商品を通して顧客と信頼関係を築き、作り手、売り手、顧客が幸せになる構造を作れないかと模索するとこういうところに今行きついています。

一概にこれが正解!みたいなものはないですがひとつの考え方として書いてみました。

それでは。

 

 

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中溝 雪未
About 中溝 雪未 69 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。