「姿勢がー」とか言うの珍しいな、と思いながら興味深く読みました。
その記事はこちら。
文中で突っ込まれている売場は実は私も行ったことがありますが、確かに立地環境や客層といった館のパワーに販売員が甘んじている印象があります。むしろ、売場の価値を落としてるような気さえします。
一目瞭然なのは姿勢のゆるさですが、もうひとつ。
自主編集売場(セレクト)の販売員さんたちが、春と秋に全く同じスタイリングで店頭に立っています。きっと気温が同じくらいだとそうなるんですね。ありがちな「長く使えますよ!」を自ら全身で体現しているのでしょうか。全取っかえとは言いませんが、売るものは変わっているのに着ているものが全く同じなのは、甚だ疑問です。
お金がないのか売る気がないのかそれとも…(以下略)。
売れない店はどうもベテランがダサい!
時折ショップ巡りをすると、出店環境やブランドバリュー、商品は良いのに、あまり売れていなさそうなお店が数件見つかります。
そこには共通点があって、それは販売員がくたびれて見えること。
疲れているという意味ではなく、なんか古くなっちゃってるんですよね。
何かを諦めた感じも漂っていて。諦めたものは何だろう、体形?収入?出世?夢見たかっこいい暮らし?
人って、物事を諦めると対象にアンテナを張らなくなるし、目をそらしますよね。だからわずかな変化やチャンスを見逃してしまう。
気づけば置いてきぼりを食らっていて、もう到底取り返しがつかないと思うと「昔はさー」とか、今バリバリ頑張ってるあの人と昔一緒に働いてたとか、謎の自慢を言い出してみたり。
あー、かっこ悪い。
温故知新のススメ
奥行きのあるアパレル販売員に必要なのは、ファッションや仕事に対する温故知新のマインドだと思います。
それを中途半端に自分の過去だけ温めているから、本人のスタイリングがダサい、ディスプレイの仕方が古い、売り方が古い、教育の仕方が古いままなのです。
結果、人がついてこないから、販売員もお客様も古い人で固まってしまう。そんなビジネスが今後発展し継続するとは思えません。人は年を取りますからね。
スタッフが定着するのはいいことです。しかし、内容は良いですか?
新規出店できるほど売れていなくて、投資もなくて、新しい人を採る必要がなくて、ぬるい空気で古い人たちが居心地よくゆるく仕事してたら、そりゃ誰も辞めませんよね、ラクだもの。そのうち店は無くなるかもしれないけど。
なにも販売員を入れ替えなくても新しい風を吹かすことはできるし、新しい顧客は掴めます。ぬるい井の中の蛙同士にならないように、気をつけたいものです。
一番頑張っていた時がすべてになりがち
通りすがりにお店を見ると、切り盛りしている人の世代がだいたいわかります。それから、その人がいつを最後に「止まった」かも。レイアウトやディスプレイに興味を持って一生懸命勉強した「あの頃」のVMDトレンドを、いまだ再現してしまっていませんか?
敏感に進化しているお店は、お客さんがちゃんと入っていたり、不利な環境でも売れていたりします。
産休・育休明け、子育て一段落再就職組の、キャリアのある販売員の方は特に気をつけたほうがいいかもしれません。
お客様も売り方も見せ方も、ほんの数ヶ月、ほんの半年や数年で想像以上に変化していますから。
世界的ラグジュアリーブランドのVMがいい例です。3ヶ月前にはNGとされた見せ方が、平気である日スタンダードになります。それも世界中のショップで一斉に。でも、ファッションなんてそんなものですよね。トレンドってそうやってつくられていくんです。
キャリアがある人は「昔の人がなんか言ってる」にならないように、今を輝けるようにぜひとも頑張って欲しいと思います。