「販売員のいるお店に行くと、売りつけられる、押し付けられる」
こんなお客様の不安や不満の声が絶えない一方で、クロージングに苦手意識を持っていて購入のお勧めができない販売員も少なくないようです。
またそれ以前に、接客についただけで満足してしまい、いい雰囲気で接客できればそれでよかったと思ってしまう販売員さんも増えているようなので、接客販売において超肝心なクロージングについて書こうと思います。
まずは、マインドセットから。
接客の目的は何ですか?商品を気に入って買ってもらうことです。
店頭にいらしてくださるお客様のことは、販売員として特に大事にしたいですよね。
なのにファーストアプローチをした段階でお客様に無視されたり反応が悪かったりすると、つい「声をかけないほうがよかったのかな…」「声をかけたから出ていっちゃったのかな…」なんて考えてしまったり。
そんな経験を繰り返すうち、だんだん自分が嫌われたくないという思いが先立って、接客に消極的になったり当たり障りのないことしか言えなくなったりしていませんか?。
分からなくもないのですが、考え方がちょっとズレてますね!
嫌われないようにすることの究極は何もせず関わらないことです。存在を知られなければ嫌うことすらできません。本当に嫌われたくなければ、消極的に存在したりせずお客様の前に現れないことです。
ですが、お客様だってお店に行けば販売員がいることくらい分かっています。それでも来てくれています。
だから、あなたはそこにいていいんです、大丈夫。
ただし、自分が嫌われないようにとかゴマをするとかそういうことではなくて、ブランドを、商品を気に入って買ってもらえるような仕事をしましょう。お客様は決して、あなたを見に来たわけでも買いに来たわけでもありません。売場の主役は商品です。
クロージングを誤解していませんか
というわけで、本題に入ります。
お客様が、売りつけられたの押し付けられたのと不満を口にしているのを知っているから、接客販売のシメの「買いますか?買いませんか?」の部分の話にもっていくのが苦手なんですよね。
でも、どんなに話が弾んでもそこをお客様に意識していただかなくては、売り上げが立つことはありません。クロージングは悪いことではないです。お客様を一歩先に進めるステップなだけ。
クロージングに使えるワード例は
- 「もし買うとしたらどちらですか?」→仮に聞いてみるだけで、お客様の頭に買う条件を思い起こさせる
- 「今日のシャツにも合わせるとしたらこちらですよね?」→着用イメージを具体的にしてお客様と商品を近づける
- 「今日は空いてるので、裾上げが早く仕上がると思いますよ」→買った後のメリットを話し、きっかけを与える
このように、お客様が商品を見ている状態から、買うことを考える段階にシフトさせるのがクロージングの入口です。なにも「お似合いですよ、いかがなさいますか?」と購入決定を真っ向から迫るのがクロージングではありません。普通の接客でそんなことしたら押し付けられた感満載です。
購入決定のためにクリアが必要な3つのポイント
お客様に買うのかどうかを意識していただいてから、最終的に買うと決めてもらうまでに、お客様が必ず通る道があります。
①これより他に、自分にとっていいモノはないか?
②これより他に、同じ感じで安いモノやお得な買い方はないか?
③この販売員を信じていいか?
この3つのポイントがクリアできると、お客様のお財布がひらきます。
長くなりますので、各ポイントの詳細は来週に続きます!