4月になり、新生活をスタートされる方も多数おられることでしょう。ソーシャル上では、新入社員の方々に向けたメッセージを投稿している人が数多くいらっしゃいますが、僕の場合は4月からファッション専門学校に入学される学生さんを受け入れる立場になります。希望に胸踊らせながら入学してくる方々に僕から少しでも役に立てるお話ができればと思いますので、この場を借りてメッセージをお送りいたします。
「卒業後は~になりたい」と思っている諸君、求人の9割は販売員ですよ!
この件に関してはTopsellerでも常に言い続けていますが改めて。求人サイトをのぞいてみたらすぐわかる事ですが、ファッション業界の求人の9割は販売員です。デザイナーを目指すコースでも、パタンナーを目指すコースでも、スタイリストを目指すコースでも、MDを(以下略)、求人自体が少ないのですからどうしようもありません。(MD・バイヤーは求人自体がゼロです。)教育機関のうまい話に乗せられて入学してしまった方もいる事でしょうが、ここで腐ってはいけません。販売員として現場を知る事は、エンドユーザーのニーズを直でヒアリングできるという事と同義です。そして販売員で実績を伸ばせたら、その後のキャリアアップも見えてきますので、入り口となる販売員教育をしっかり受けて社会に飛び出してください。販売員にならずにいきなり本部勤務になったからといってラッキーな訳でもありません。僕自身がそうなのですが、現場経験が乏しい事はその後随分コンプレックスになったものです。現場でキャリアを積める事の方がむしろ重要なのです。
学校の授業だけで完結していたら技術は身につかない!
学校が組んでいるカリキュラムは、もちろん皆さんの適切なスキルアップを目指して作られていますが、これだけで十分なスキルが身につけば誰も苦労しません。結局は学校で方向性を学び、それを実践する場所が必要になります。学校教育とセットで現場経験を積んでおくのが最適です。可能であればアパレルのアルバイトやインターンに積極的に参加するのもいいでしょう。学校以外の時間外の使い方が一番大事なのです。
そこまで自分の時間を犠牲にできない?あなたがぶっちぎりの才能を持った人間であるならそれでもいいのかもしれません。しかしほとんどの人がそうではありません。人間の「精一杯」には大変な個人差がありますし、あなたなりの「頑張ってる度」など誰も考慮してくれませんよ。世間の水準と比較して頑張る事が大切です。
入学当初の夢を簡単に諦めないで!
入学当初、進路希望をヒアリングしていると毎年必ず半数近くいるのが将来的に「ブランドを作りたい」「店を出したい」という独立系。非常に素晴らしい夢だと思いますが大概の学生さんが、卒業時にそんな夢はすっかり消え去っています。
「やりたいと思ってたけどちょっと違った。」
ならいいんですが、
「自分にはやっぱり無理。」
はちょっと寂しいです。何を目指すかなんて本人の自由です。本当はやりたいならやる前から諦めず頑張ってほしい。自分くらいは自分の事を信じてあげましょう。どんな成功者も初めから全部できた訳は無いんです。
と色々と書いてみましたので、皆さんの新生活の参考になれば幸いです。アパレルは斜陽だとかなんだとかネガティブな話ばかりするおじさんたちは放っておいて、自分がスキルアップできる道を試行錯誤しながら探しましょう。皆さんの学校生活が有意義なものになるよう心から願っております。