皆様お花見はされましたでしょうか?
先週の土日は、スタートから日本酒“しか”ないというストイックな花見に参加して肝臓を鍛えてきたなかみぞです。
東京ファッションウィークも終わり、今回もいくつかのブランドに展示会とショーのご招待をいただいて行ってまいりました。
その時に「ここのブランドの展示会に行ってみたい」という、同業ながらコレクションブランドから少し離れた所にいる方々を連れていくことも何度か。(もちろん先方に許可をとって!)
その時に感じた『ブランドのターゲット設定』をひとつの例として。
ブランドターゲット・潜在的ブランドターゲット・セールスターゲット
こんなふうにカタカナにして書くと、情緒がなくて嫌われることもしばしばですが・・・(遠い目
①ブランドターゲットという言葉は、マーケティングなどでもよく使う言葉かと思うのですが、ブランドの文脈やデザイナーの世界観を理解して服を着たり、購入する象徴的なユーザー、という感じ。(もちろん、ブランドが狙うものによってこの意味合いは変わってきます)
②セールスターゲットは、さらにもう一つ遠いお客様。ブランドの思想どうこうよりも、「これ可愛い!」で買うお客様とか、要するにブランドが象徴として望むお客さん層からは少し離れているけど、刺さる時は刺さる、みたいなターゲット。
③そして、潜在的ブランドターゲットはその狭間にいる人。簡単にいうとこっちの沼に入りかけている人です。いらっしゃーい!
こうして書くと特に突飛なことがない様ですが、いわゆる「わかるひとだけが買ってほしい」は①のみ(もしくは③を多少含む)をターゲットとしてしまっているのでなかなか広がりを見せませんし、②や③の人にブランドを紹介しにくい。
もちろん、①と③のみでニッチに売り込むのも戦略の一つかもしれませんが、①→③→②はグラデーション。リピーターとなりうる象徴的ユーザーを捉えながら、新規の流動性を持たせないとなかなか難しいのも現実です。
この区別がなんとなくでもついていると販路も広げやすく、迷いを生みにくいのではないでしょうか。
像がきちんとあること
なぜこれを人をお連れする時に感じたかというと、たとえばインフルエンサーやファッションの中ではなく芸能界や文筆の方での有名人の場合。その人たちの中には③の方も多く、購買意欲も高い人も多い。
卸先がほとんどない、あるいは数点しか卸していないブランドだと、展示会にお連れするしかないわけですが・・・。
ブランドの文脈からいくとこれとこれはここの女性像と違う。というのは、もちろんブランドの像としては必要なものなのですが、ユーザーにそれを強いるのはなかなか難しいこと。
でも、ブランド自身の軸がしっかり立っていないと、著名人の方々のイメージに負けることがあるんです。
ブランドの顧客、展示会や受注会でつけるクローズドな場ではなおさら。(卸先さんとの問題もあって小さなブランドの中には大々的に受注会や自主販売をできないブランドさんもありますがその問題はまた今度)
ブランドの方の知名度というよりも、しっかりと軸をもっているか。そこで突発的に②の層にたくさん売れたとしても、その威力はあまり続きません。その後のクリエイションにまで影響してしまうこともしばしば見てきました。
しかし、拡散されるのが悪いということはなく、初期のブランド運営においてはそれがインフルエンサーではなくとも「買ってくれるお客様」は大切にしなくてはならない人たち。
なので上の三つをやんわりと切り分けて考えながら対応ができるブランドさんには(展示会につれていくかは別としても)どんな人にもオススメしやすいな〜と思ったのでした。