販売員のみなさんは、カットソーとニット(いわゆるセーター)の違いがお分かりですか?
どうしてこんなことを書くかというと、山本晴邦さんというカットソーOEMを手掛けられている方がこんなことをツイートしていたからです。
もう業界どっぷり過ぎてわからないんだけど、カットソーとニットって一般的に違いがあるという認知は捨てた方がいいのかもしれない。ニットとカットソーの違いわからない前提で考えた方がいいかも。
— HARUKUNI_YAMAMOTO/山本晴邦 (@HARUKUNI_Y) 2018年10月3日
山本さんは超イケメンで若いのですが、カットソー製造についてはとても詳しい方です。様々なアパレルブランドと付き合っておられますが、ブランドの企画担当者でもニットとカットソーの違いが判らない人も珍しくないように当方は思います。
Tシャツ類はカットソーに含まれます。
カットソーもニットも両方とも「編み物」です。
生地には大きく分けて「織物」と「編み物」があります。生地の構造がまったく違います。織物は、数千本ずつの経糸と緯糸を交差させることでできる生地です。業界では布帛ともいいます。
一方、編み物は本数の少ない糸を編み合わせて生地にします。
織物は「織機」という機械がないと織れませんが、編み物は最悪、機械なしで編み針さえあれば編めます。手編みマフラーなんかを思い浮かべてもらえれば理解できるでしょう。
織物に詳しい人は編み物に詳しくなく、編み物に詳しい人は織物に詳しくありません。同じ生地でありながら製造工程と生地構造がまったく異なるので、それぞれ交流があまりないのです。織物と編み物の両方に詳しい人は業界でもまれにしか存在しません。
カットソーにはだいたい3種類の編地があります。
1、天竺
2、フライス
3、スムース
です。
じゃあ、この3種類の生地を使っていればカットソーかというとそうではありません。
セーターは一般的に「横編み」という編み方をします。しかし、横編みでもスムースは編めるのです。横編みのスムース生地を使った服はカットソーでしょうか?それともセーターでしょうか?
カットソーとセーターを見分ける方法はさまざまありますが、裾やパーツをミシンで縫い合わせているか、リンキングしているかの違いがもっとも分かりやすいのではないかと思います。
カットソーは、カット&ソーンが語源となっていることはご存知の方も多いと思います。「切って縫う」が語源です。
Tシャツを見てもらえばわかるように、裾、袖先はミシンで縫われています。また胴体と袖もミシンで縫い合わせられています。
一方、セーターですが、通常のミシンの縫い目とは異なる感じで裾やパーツが始末されています。裏返してもらえばTシャツ類の縫い目とは異なることがわかると思います。
この処理をリンキングと呼びます。
ですから、もっとも簡単な区別は、ミシンで縫われているか、リンキングで処理されているか、の違いにあるといえます。
ミシンで縫われていたらカットソー、リンキングされていたらセーター、と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
いわゆる厚手セーターみたいな分厚い編地でも縫われていたらカットソーに分類すべきでしょうし、Tシャツのような薄い編地でもリンキングされていればセーターと分類するべきではないかと思います。
そんな感じで店にある商品を自分で分類してみると面白いのではないでしょうか。それではまた。
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