肌トラブル=お困りごとではありません!

こんにちは!
美容部員をしていますひなです。
毎月5日に化粧品販売にまつわる記事を書いていますのでよろしくお願いします。

さて突然ですが皆さんは
お客様のお肌悩みを伺うとき、「肌トラブル」と「お客様の困っていること」の切り離しが出来ていますか?

肌トラブル=お客様のお困りごとでしょ?という方は要注意です。

例えば「肌がすごく乾燥するんです」
これを「あー乾燥ですね」で終わらせていませんか?

この場合は肌の乾燥が肌トラブルです。
でも実際にお客様が困っていることはメイクのりなのかくすみなのか肌荒れなのか…まだ分かりません。

極端に言うと、お肌診断で水分量が少なかったとして、診断の数値が低いことに直接困るわけではありませんよね。
水分量が少なくて乾燥しているのが状態
それによって「やっぱり」と出てくる日常でのお困りごとがお客様のニーズです。

お客様のニーズを探るためには、この肌トラブルの状態をさらに掘り下げる必要が出てきます。

そのために使えるお客様の気持ちに寄り添うあいづちがありますので、今日はそちらを紹介しますね!

まずはこちらの2つのお客様とのやり取りを見てみて下さい。

≪事務的なトーク≫
お客様「肌がすごく乾燥するんです」
接客者「冬場になると乾燥しますよね。特に今年はマスクもあって余計に乾燥が加速しやすくなっています」
お客様「そうなんですか」
接客者「普段はどのようなアイテムをお使いですか?」
お客様「クリームとかは使ってるんだけど…」
接客者「肌の乾燥にはクリームだけでなく、水分をたっぷり入れるケアも大切なんですよ」
お客様「そうなんですね」
接客者「はい、それにはこちらの商品が潤いケアが出来て良いですよ。」
お客様「なるほど、分かりました。」

≪心に寄り添うトーク≫
お客様「肌がすごく乾燥するんです」
接客者「すごく乾くんですね。秋冬になって余計ですか?」
お客様「そうなんです、でも夏でも乾きやすくて。 もう諦めてるんですけど」
接客者「夏場でも乾くんですか!それだとこれからの季節さらに怖いですね。今まで乾燥ケアは効果が出にくかったですか?」
お客様「そうなんですよ!クリームを使いだしてからちょっとマシだけど、それでもお昼になるとカピカピになります」
接客者「ええっカピカピに!?クリームを使っていてもお昼間には乾いてしまうんですね」
お客様「そうなんです、お化粧直ししても全然綺麗につかなくて」
接客者「それはお困りですよね。では日中に潤いが続くスキンケアとお化粧直しの時に潤いチャージできるものがあると良さそうですね」
お客様「そういうのがあるんですか?助かります!」

お客様の第一声は同じなのに随分雰囲気が違いますよね。
この場のシュミレーションなので少し強引ですが、心に寄り添うトークの方がお客様のニーズがより引き出せています。
そしてお客様が楽しそうな様子が想像できるかと思います。

お客様がカウンターにいらっしゃるまでの過程

一つのお肌悩み(特に乾燥なんてあらゆるお悩みの倉庫ですし、人によって困る場面も全く違います)だけで判断しアドバイスすることは様々な事故を招きます。
・お客様のお肌状態とはずれた状態へのアドバイスをしてしまう
・すでにご存知の情報ばかりをお伝えしお客様は得るものがない
・聞いていても頭に入りづらく覚えていらっしゃらない

これはお悩みの細分化と興味が引けていないことが原因です。
「乾燥」へのアドバイスと「昼間まで潤いが続くケア」「きれいにお化粧直しができるケア」へのアドバイスならお客様はどちらに興味をより持っていただけるでしょうか?

カウンターにいらっしゃるお客様は色々なお考えの末に来て下さっている方が多いです。

肌が乾く!どうしよう→お家にある基礎化粧品を多めに使ってみる→良くならないのでネットで調べてみる→「なるほど暖房が原因かもしれない それは分ったけどどうすれば?」→うん~デパート行ってみるか

この流れは想像できていますか?
ネットで調べている中で様々な化粧品を目にされたはずだけど、どれもピンとこなかったために来て下さっているのかもしれないなと想像できると事務的なトークの方にはなりませんよね。
「私のためのやり方」をお客様にお伝えできることが、手軽なネットとは違う化粧品カウンターの強みです。

あいづち

お客様のお話を伺うときには大まかに分けて5種類のあいづちが使われます。

①調査のあいづち
例「普段はどんなアイテムをお使いですか?」
②評価のあいづち
例「そのお手入れでは心細いですね」
③要約のあいづち
例「つまり今のアイテムでは保湿力が足りないんですね」
❹理解のあいづち(感情に同意)
例「そうですよね、これから乾燥が加速すると思うと怖いですよね」
❺支持のあいづち(選ばれた選択肢に同意)
例「朝はお忙しいんですね。それならなるべく時短ケアが良いですよね」

この中で心に寄り添うためのカギを握るのが❹理解と❺支持です。
このあいづちが使えていると、お客様が伝えたいことを好きなように話せる雰囲気づくりができます。
①調査②評価③要約のあいづちはスムーズに話を進めるためには欠かせないあいづちですが、
・感情を抜いてしまいやすいので事務的な雰囲気になる
・やりとりが最小限になる
・お客様のお話の流れを変えてしまう
という理由から❹理解と❺支持を挟みつつ使うようにしましょう!

お客様のお悩みをお伺いするときは一問一答のように問題解決を急ぐのではなく、
お気持ちに寄り添いより多くの情報をお聞かせいただいてぴったりの商品をご紹介できるようにしたいですね。

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ひな
About ひな 43 Articles
いつも何気なく行っている生活習慣に美容の観点から踏み込み、ダイエットに関するあるあるやお役立ちテクニック・おすすめの最新コスメなどのつぶやきを通じて女性の心に寄り添うTwitterアカウントを運営し「女の子みんなが自信をもって生きられる世界」を目指すインフルエンサー。同時に普段は某ブランドの化粧品販売員として訪れるお客様の肌状態や生活習慣・理想とする容姿をカウンセリングし、日夜仕入れる化粧品知識から個々のニーズに寄り添った製品や組み合わせと使用法をプロデュースすることで手の届く範囲から「美容が作る幸福」を目指して邁進中。得意分野は一人一人が持つ顔型やパーソナルカラーの分析で、ステージメイクや絵画技法からもヒントを得た幅広い化粧知識を武器に最適のお化粧習慣を提案する事を目標としている。日本化粧品検定1級 パーソナルカラリスト検定2級 化粧品成分検定1級所得。