こんにちは。南です。
最近は、「伸びる」とか「吸水速乾」だとか「発熱」だとかそういう機能性繊維を使った洋服が増えています。機能性繊維はこれまではスポーツウェアやアウトドアウェアなどにしか使われませんでしたが、10年位前から一般のカジュアルウェアやスーツなどにも使われるようになりました。
着用した感想でいうと、やっぱり便利なので愛用するようになっています。
機能性繊維の多くはポリエステルを筆頭とする合繊なのですが、ある年代以上の人は合繊を使った生地を非常に嫌がります。
ぼくは今年47歳になるのですが、合繊を嫌がる年代というのは、体感的には現在50歳から上の年代だと感じます。
もちろん、そうではない人もおられますが、50歳以上の年代には、合繊を嫌う人の割合が多いと感じます。
50歳より上の年代の人は、綿100%やウール100%という生地をことのほか好む傾向が強くあります。それはなぜでしょうか?疑問に感じたことはありませんか?
単なる年寄りの嗜好と言ってしまえばそれまでなのですが、その嗜好に至った理由を考えてみたことはありますか?
今回は、ぼくなりの推測を書いてみたいと思います。
戦後70年以上が経過しました。終戦直後は、さまざまな物資が不足していたことはご存知の通りです。その中でも生地に関していえば、綿100%やウール100%生地が不足しており、ほとんどの生地が合繊混だったと伝えられています。
価格は需要と供給のバランスで成り立っていますから、需要が多くて供給が少なければ価格は上昇します。
綿100%・ウール100%の生地がほとんどなかったのですから、当然、それらの生地価格は上がります。綿100%・ウール100%の生地は「高級品」という扱いになり、合繊混の生地は庶民でも手に入れられる「安物」というイメージが出来上がります。
70代~90代はそういう状況下で若い時代を過ごしたり、そういう状況下に生まれた世代です。その当時のイメージは今も脳裏に残っています。人間は若い時分に得たイメージは年老いてからもあまり変わりません。
50代~60代というのはその世代の子供に当たる世代なので、親からそういうふうに教えられて育ってきました。ですから、50代・60代にも「合繊混生地=安物」「綿100%・ウール100%=高級品」というイメージがこびりついていると考えられます。
年配層が合繊混の生地を異様に嫌う理由をこう推測します。
とはいうものの、機能性繊維の便利さを知って徐々に合繊への嫌悪を持たなくなっている年配層も増えているように思います。しかし、一度出来上がったイメージというのはこれほどまでに払拭し辛いという実例ともいえます。
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