「裏毛素材のスウェット」って何か変。

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カットソージャンルで、スウェットって言葉はよく耳にすると思います。
スウェットの語源はよく知られている通り『汗(sweat)』から来ています。運動時に汗をよく吸ってくれる素材で出来たシャツやパンツをスウェットシャツやスウェットパンツと呼ぶようになったそうです。

当時で言う、汗をよく吸う素材というのは、開発繊維の機能的にどうこうといったことろではなく、単に編み組織的に汗を吸いやすい構造だった『裏毛』を使用していたからです。
今でこそ、当時トレーナーと言う名前からスウェットシャツやスウェットパンツと置き換わって市民権を得ているから、アイテムのカタチ的にそれ(トレーナー)に寄せていたら、素材が何であれ『スウェット』と呼ぶことも多くなってきたように思われます。

スムースで出来たスウェットとか、厚手の天竺で作ったスウェットとか、巷にはいろいろな素材で説明されたスウェットがあります。もはや『スウェット』と言うのはそのトレーナー/トレパンの服としての形状を指しているかのようです。まぁこの辺までは、「天竺素材で作ったスウェット」や「スムース素材で作ったスウェット」のように『スウェット』型をしたアイテムに対して修飾語として素材名を付与している感覚で許容できます。僕的には。

ただ、繊維ポリス/カットソーテキスタイルジャンキー的に言うと、『スウェット』というのは本来『裏毛』で作られたモノなので、「裏毛素材のスウェット」と言われてしまうと、「いや、そもそも裏毛が汗を吸いやすい素材ってことで出来てたのがスウェットなわけだから、スウェット=裏毛なんd…」と、くどくどと言いたくなってしまいがちです。(言いませんが)

じゃその『裏毛素材』ってなんなのさ?ってことなんですが、読んで字の如く、裏が毛になってる組織のことを言います。
詳しく説明させてもらうと、表と中と裏の三部で構成されていて、表糸は天竺編み、中糸は天竺編みだけど裏糸がタックで中糸に引っ掛けられていて、裏糸はループ状態で中糸にくっついています。
写真で見ると、中糸はなかなか確認するのが難しいですが、こんな感じです。

↓表面

裏面↓

 

この画像は広く一般的に使われている『二飛び裏毛』の様子です。裏糸ループの飛ばし方は一飛/二飛/三飛などがあり、一飛は定番的な構成番手(40/40/20など)の時、『ミニ裏毛』と言ったりしますが、最近はあまり聞きませんね。もしかしたら業界古い人の言い方なのかもしれません。

組織を説明する際に、よく「裏がパイル状になっている」と説明をされている文書を見かけることもありますが、パイルはパイルで、またパイル名人たちから「それはパイルちゃう、裏毛や」とツッコミが入りそうな気もするので、パイル状と説明するのは通じやすいですが、僕は自粛して、裏がループ状になっていると敢えて言っています。実際にパイルは裏毛と間違いやすいです。あとインレーも裏毛と間違いやすいです。

インレー、パイルどちらもそれぞれ全く違う組織ですが、裏毛と間違いやすい点としては、双方裏側がループ状になっている点です。
明らかに構成糸本数は違う(裏毛は表、中、裏の三部構成に対して、パイルとインレーは二部構成)ので、どれも素材としては似て非なる物です。

 

結局何が言いたいかと言うと、本来スウェット=裏毛なので、裏毛素材のスウェットとか聞いてしまうと、頭痛が痛いっていう話です。

ところで、カットソーとジャージって違うの?

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山本晴邦
About 山本晴邦 9 Articles
新潟県、佐渡市の達者という小さな集落にて生まれ育つ。 縫製業を営む母に影響を受け、高校卒業後に洋裁専門学校へ進学。 専門学校在学中に和歌山の丸編み生地工場の東京営業所でアルバイトに付きそのまま就職。 工場作業から営業まで経験し13年間同社にお世話になり独立。ulcloworksを立ち上げる。 原料から糸の作り方、生地の編み方や染め方を常に探求して日々研究に勤めている。 業界の将来に繁栄をもたらすにはどうしたら良いのかを常に考えている。

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