セールで見える「売れる」の本質

いつも人混みを見て慄いていた伊勢丹のセールに初めてがっつり飛び込んで

結果地下でやたら高い桃を買って帰ってきました。

セール、みなさん何か買いましたか?

わたしはこう聞かれると、「(セールをやっていたデパートで買った)桃です」ということになってしまうのですが、あちこち館は回ってみました。

回ってみると人がいるブランド、閑散としたブランド、通常運転のブランド、様々でした。

セールとはいえ、お客さんのニーズを捉えて、向き合っているかはよくわかりますよね。

むしろセールの方が物の売れ方の本質ってわかりやすいのかもしれないと思いました。

 

安くても、欲しくない物は買わない

 

半分泣きそうになりながら、いつもの駅前ビル含め定例リサーチルートをやりきったのですが、この猛暑というのにややプレ秋も入ってきていましたね。

もちろんブランドの特性によりますし、ハイブランドではセール品とのセット買いも見られましたので一概には言えませんが、この猛暑があと二ヶ月は続くことを誰もが予想する中、今欲しい夏物がそこにあるのに秋物を買うのかということです。

しかもほぼ接客なし。その状況で先物買いの人間が飛びつくのだろうか。という印象でした。

またそれとは別になりますが、怒涛の在庫消化のごとく売れ残ったであろう消化不良商品を大量に陳列する様は自ブランドのブランディングやイメージ戦略への配慮に欠けるように思います。

安くても欲しくない物は買わない。

というのは至極当然のように思いますが、仕掛ける側となるとうっかりしがちですよね。

お客様は欲しい物がちょっといつもより安く買えるから買うし、

セール前の値段だと納得いかなかったけどこれなら欲しいと思うから買うんですよね。

「欲しい」は必須ですし、いくら「安いから買った」とは言っても、その背景にはその商品に対する好き好みが内包されています。

いつもより安い!というのは購買理由の有力な一押しにはなるものの、欲しいと思うことこそが購買決定の隠れた動機というのが見えなくなっていませんか。

ただの在庫消化祭りと化してしまうとせっかくの商品の価値もぐーんと下がって見えます。

だからこそ、セール時期とは言っても欲しいと思わせる努力を怠ってはいけないし、セールに来る人たちのニーズを鑑みなくてはいけないし、お客さんにしっかり向き合わなくてはならないなあと思います。

「いくら良い物でも欲しくなければ買わない」というのはセールでもプロパーでも、変わらないことですよね。

 

「良いもの」の目線はどこですか?

 

「良いものだから必ず売れる!」というワードは、未だに驚くほど聞きます。

他業界の打ち合わせやヒアリングでは滅多に聞かないのに、アパレル・ファッション・いとへん界隈では本当によく聞くのです。

それはだれのための「良いもの」ですか?

いいものかをジャッジするのは作り手側でも可能ですが、

「買うかどうか」をジャッジするのはお客さん側です。

「いいものだから必ず売れる」と聞くとなんらおかしな日本語のようには思いませんが

「わたしはいいものだと思うのであなたは必ず買う」と書くとちょっとおかしくないですか?

わたし個人としては「前と後ろで為手が違うなあ」といつも思うんですこの言葉。

お客さんがいいと思うものをお客さんが買うんですよね。

私たちが断言できるのは「お客さんがこれをいい!と思うと考えるからお客さんは買ってくれるのではないか」という仮説ですよね。

これは似ているようで大きく違いますし、混同してはいけない大切な部分です。

前回の記事でも書いたように、消費者は自分たちの購買決定の真の理由に気がついていないことがほとんどです。

そこを見つめ直すことが今求められているのではないかな、と思いました。

目線を意識して、商品をアウトプットしていきたいところですね!

頑張ります。

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中溝 雪未
About 中溝 雪未 69 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。