「売れない」という大罪を作り出した原因は「めんどくさい事を先送りにした事」

こんにちは、TopSeller.Style「トプセラ」のヨツモト リョウヘイです。

「いらっしゃいませー!こちらは晴雨兼用の傘になっております。これからの梅雨の季節にぴったりな〜!」

大きな声だが単調で、誰が通っても誰に伝えるでもなく、意味があるようで何も考えていないような声出しが続く。
とある百貨店のコーナーの一角。
スーツを着た、気の良さそうな年配でそれなりに役職がありそうな百貨店の社員さん。

もう何時間たったでしょうか。
同じ文言で同じトーンで同じ場所で同じ表情で。

それだけが「仕事」ではないと思う。
それだけを「仕事」としてはないと思う。
それだけを「仕事」として来たわけではないと思う。

でも、昨日も今日もそのコーナーの一角でそれは続く。
多分、明日も同じ場所で同じ事が繰り返される。

 

時代が止まった評価軸に縛られ、重要度が低い仕事に従事し続ける現実が正しい?

僕はこの「声出し」を責めているわけではない。
僕はこの「声出し」をしている人を責めているわけではない。
僕はこの「声出し」に誰も反応しない店頭に悲観しているわけではない。

僕はこの「声出し」を「重要な役割」としたままのマネジメントに怒りを感じるのです。

 

大きな声でお客様にインフォメーションし、商品の価値を伝え足を止めてもらうセールス手法は今も昔も行われていて、適切な場所で適切な時間では効果的ですが、「黙っていてもお客様が来てくれた時代」とは違って今は重要度や優先順位は下がっています。

僕が怒りを感じるのは、その時代のままで止まっているマネジメントです。

店頭で大きな声をだして呼び込みをしていれば評価される。
あいつは頑張っている。
仕事をしている。

そんな評価軸がそのまま残っているマネジメント体質に怒りを感じているのです。

ある意味、その年配の方も被害者です。
その年配の被害者に使われる若手の社員も被害者です。
そして一番の被害者は本当に必要な情報や価値を聞かされる事がない

お客様です。

 

「売れない」という大罪を作り出した原因は「めんどくさい事を先送りにした事」

今「売れない」と聞かない日はないぐらいに、店舗の現場は疲弊しています。
何をすればいいか?すらも考える事が面倒になるぐらいに疲弊しているんです。

それは「新しい知識やツール」を何も投資してもらえない環境にあるからです。

自分自身で勉強し、自分に時間を投資して、自分自身で変えていかないと!なんて事は、それこそみんな理解している。
でも、実際大きな組織の中に所属し、大きな店舗の1人員として店にたつと「1人だけじゃあ」の無力さに打ちのめされる。

お金だけでなく、時間も仕組みの投資。
つまり真剣に「店頭のマネジメントに時間と資金の投資」をやらなければいけない。

お客様に対価をもらい売上が発生する場所あり、そこから「顧客との繋がりがスタートする場所」が店頭です。
店頭は「ゴール」ではりません。
顧客との信頼関係の「スタート地点」です。

そして「商品プロダクト」や「ブランド」のスタート地点でもあります。

そのスタート地点で何をすればいいか?
そのスタート地点でどんな情報を収集すればいいか?
そのスタート地点にいる店舗がただの「売り場」のままでいいのか?

このトプセラを読んでいる「店頭勤務」以外の人達へ。
週の1/3、8時間みっちり今の店頭業務してみてください。

何で「売れない」のかなんてすぐにわかりますよ。

でも、立たないと一生わかりませんよ。
過去の経験は、もう通用しない。

 

 

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四元亮平
About 四元亮平 183 Articles
PLAY inc 代表/リテールコンサルタント 全力でアパレル販売員を応援するメディア「TopSeller.Style」主宰 文化服装学院リテイルブランディング科 特別講師 アパレル企業のリテールマネジメントやBMW japanなどの他業界でもセールスコンサルティングを提供し、近年はリテール販売員のDX化を推進するデジタルセールス&マーケティングコンサルティングも実施。 アパレル業界全体のリテールロイヤリティ向上を目指しwebメディア「TopSeller.Style 」の運営や文化服装学院の特別講師も務める。 リアル.デジタル.経営.ベンダー全てを経験し四方向のナレッジをカバーできるスキルが強み。