アウトレットも出店してしまえば毎年売上求められるから、不良在庫だけだとサイズ欠け等で不十分になる。対策としてはアウトレット専用の商品作るのが一般的だが、酷いところはオーダー時点でアウトレットを見越した在庫を積み、倉庫で眠らせた後、アウトレットに出品するブランドもあったりする。
— 深地雅也 (@fukaji38) August 14, 2019
こちらのツイートにいくつか質問が来たりしていたのですが、ファッション業界ではご存知の方も多いのではないでしょうか。アウトレット本来の意味で言うと、シーズンの型落ちや訳あり商品を販売する目的で作られたのが始まりと言われています。それは現在でも同様で、不良在庫を処分する時に活用されるのですが、その中で上記ツイートのような事も発生しています。こちらについて、何故このような事が発生するのか補足しておきます。
◯アウトレット専用商材はクオリティが低い?
シーズン型落ち商品をアウトレットに陳列する際に起こってくるのがサイズ欠品問題。主要サイズが抜けていたら売り上げが十分に取れませんので、ここを担保する必要があります。その際によく使われる手法として新しくアウトレット専用商品を作るのですが、価格をアウトレット価格に合わせないといけませんので、生地のクオリティを落としアジャストします。アウトレットの客単価ってめっちゃ低くて、売れ筋はワゴンに無造作に置かれている1000円均一のTシャツだったりします。しかもアウトレットなのにセールもあるし福袋もあるので、もはや「アウトレット」って何だっけ?ってレベルですね。ショッピングセンターに入ってるブランドのセール専用商材も似たようなものでしょうけど。
◯SPAではない企業はどうする?
上記は自社ブランドを持っているSPAでの事例ですが、自社で生産していない企業はアウトレット専用商品を生み出す事ができません。(ODM使ってるところはその限りではありませんが。)それでも店舗持っている限りは在庫が増えますから、アウトレットは必要になります。昨今はECのせいで在庫も増えやすくなっていますし。アウトレット店舗とはいえ、出店したらもちろん予算が設定されますし、デベロッパー側からも売り上げは求められます。そこで編み出されたのが、上記ツイートにもある「オーダーの際に多めに発注する」という手法です。これでシーズン中では捌き切れない在庫を確保し、アウトレットの売り上げも心配無し!という壮大な無駄。実際に行われているのだから本当にホラーです。
側から見たら「何でこんなバカな事を…。」と思うでしょう。しかし、現場にいる人たちは麻痺しているのかこれでいいと思ってやっています。評価制度や組織の構造にも原因があるのでしょうけど、自分たちの事業部の売り上げさえ取れたらいいという考え方ではなく、企業として最適な方法を考えたいものですね。